見出し画像

今の仕事は天職かを考えるための一冊

今の仕事が「天職」かどうか。社会人の方々に聞いたら、どれくらいの方が「今の仕事は天職だ」と答えるのでしょうか。

そんなことを考えさせられた小説が、「この世にたやすい仕事はない」。

ストレスの多い仕事に嫌気がさしてやめた主人公が、職安であれこれと注文を付けて、ストレスの少なさそうな仕事を紹介してもらいます。一見、ストレスはなさそうな仕事でも、やってみると気を遣うことはたくさんあるものです。次から次へとニッチな仕事を経験し、その都度主人公は自分を見つめ直すのです。最後にようやく見つけた自分の道は意外にも…という、青い鳥的な結末(あっ、読む前の人にそういうこといったらダメか)。

この小説に出てくる「ニッチな仕事」というのは本当にニッチなので、つまりこの世の中にはおびただしい数の職業があるということですよね。そう考えると自分にピタッと合う仕事というのはあるような気がするし、それこそが「天職」なのでしょう。

厚生労働省の発表によると、新卒3年目までの離職率は3割を超えているそうです。

「石の上にも三年という言葉があるじゃないか、3年もたたずに辞めるなんてガマンが足りない」という方もいらっしゃるでしょうけど、合わない仕事をいやいややるよりは、やってみて合わなかったとわかった時点で転職するのはいいと思うんですよ。転職して、ピタッと合う仕事に就ける方がずっと楽しい人生になります。が…。

コワいのは、「山のあなた症候群」になっちゃうことですね。ちょっとうまくいかないことがあったときに、自省の前に「この仕事は自分には向いてないんだ。もっと合う仕事があるはずだ」と思ってしまう。

天職というのは決して「毎日楽しくて超ハッピー☆」ということではない、というところまで含まれているのが、上記の小説を推したい理由。