デス・ブリッジを渡るついでに静岡リニア問題の渦中にある静岡空港に行ってきた
こんにちは。地図屋栄吉です。
7月に静岡に旅行した際、大井川の上流にある畑薙大吊橋(通称デス・ブリッジ)を渡ってきました。漫画のゆるキャン△の11巻に出てきて有名になりましたね。
このデス・ブリッジがかかってる大井川は静岡のリニア問題でも有名になりましたね。工事で減った水を一滴残らず戻せというあの件です。
下流には世界一長い木造歩道橋の蓬莱橋(ほうらいばし)が1879年(明治12年)にかけられましたが、それ以前には橋を作ってもすぐ壊れるため、通行人が川を越えるための川越制度や川留め文化がありました。
明治・大正・昭和を経て戦後になると上流に発電ダムが続々と建設された結果、大井川の水量が減少し河川が枯渇してしまいました。80年代には大井川中流域の住民らによって「水返せ運動」が起き、電力会社から一定量の水を大井川に取り戻しました。
ちなみにデス・ブリッジがかかってる場所は上場企業の特殊東海製紙の社有地になるのですが、南アルプスへの登山道として一般人にも開放されています。
大井川を下った後、静岡空港にも行ってきました。
静岡空港は2009年に石川前知事の代に開港しました。南海トラフ地震など災害時の拠点としての重要度が高いのですが、開港以来赤字が続き公営から民営へ経営が譲渡されています。
航空会社はANAやJALやチャイナエアラインなどがありますが、FDA(フジドリームエアラインズ)が印象的でした。この航空会社は静岡の有力企業である鈴与のグループ企業で、鈴与は清水エスパルスの運営会社の主要株主でもあります。
ここがなぜ静岡でのリニア問題の渦中にあるのでしょうか。まず立地が面白いのですが、この空港は東海道新幹線の真上にあります。
川勝知事は、JR東海に静岡空港の新幹線駅を請願駅として地元が負担するから設置してくれるよう交渉しています。JR東海は隣の掛川駅と距離が近すぎて新幹線の高速運行を妨害するので新駅設置は不可能と答えており、平行線を辿っています。
川勝知事は公的にはリニアの工事と静岡空港新駅は別問題と言っていますが、JR東海から静岡空港新駅の設置を引き出す為に大井川の水問題の要求水準を過度に設定してるのではという見方があります。
川勝知事は経済学者で国策にも関わっていましたが、彼の著作にも出てくる造語で「東京時代」という言葉があります。日本の時代区分は室町時代や江戸時代という風にその時の首都で区分けされており、その区分方法は世界的に見ても珍しいそうで、現在はその東京時代が150年ほど続いているのだと川勝知事は主張しています。
そして、栃木の那須野ヶ原に首都機能移転の話が出たこともあり現在はポスト東京時代(ポスト=~のあと)だとしており、知事選の際には「東京時代から静岡時代へ!」というスローガンも掲げていました。どこまで本気か測りかねるんですが、川勝知事の著作やインタビュー記事を読むと話が面白い人だなぁという印象を受けます。
リニア問題について色々調べてみましたが、この本が一番興味深かったです。
終わり
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