正しく休息する
休息するとは?
マインドフルネス瞑想を体験して頂くと、多くの方が「短い時間でもリラックスできる」「心が落ち着く」という感想を持たれます。
この感覚はとても大切な体験です。
私たちは、朝起きてから仕事をして寝るまで、車で例えると「アクセル」を踏みっぱなしの状態です。
「もっと早く、もっと多く、もっと効率的に」という価値観の中、生産性を高める為にアクセルをベタ踏みしています。
しかし、車には必ず「ブレーキ」がついています。
運転が上手な人はアクセルとブレーキを適宜使い分け、スムーズな運転をする人ですよね。
しかし私たちは、生まれてから今まで学校で勉強し、社会や会社で様々な経験を積んできましたが、その多くが「アクセル」の踏み方ではないでしょうか。
スピードの緩め方「ブレーキ」に関しては、あまり習ってこなかった気がします。
当然「アクセル」と同等か、それ以上に「ブレーキ」は大切な機能です。
「ブレーキ」の効かない車なんて怖くて乗れないですよね。
でも、こういう話をすると「結構、家ではボーッとしてるよ」「夕食後はドラマ見ながらダラダラしているから大丈夫!」と考える方も多いと思います。
しかし残念な事に、ただボーッとする、ダラダラするは「ブレーキ」では無いのです。それは心身にとって休息ではなくて、まだエネルギーを消費している状態です。
私たちの脳機能に「デフォルトモードネットワーク」というものがあります。
この機能は脳消費エネルギーの60~80%を消費すると言います。
つまりダラダラ、ボーッとでは脳の休息にならず、逆に疲れさせているとも言えます。
車でもアクセルをベタ踏みしていたのに、いきなり足を離しても惰性で動いてしましますよね。
大切な事は、しっかり「ブレーキ」を踏んで緩めてあげる事です。
瞑想とは「ブレーキを踏む」事だと思います。
一つの事に意識を向けてあげて、しっかりスピードを緩めDMNを低下させていく。こうする事で心身はリラックスし、休息になるのです。
ですから、短時間でも瞑想を体験して頂くと、しっかりブレーキを踏む事で、心がリラックスし落ち着く感覚が生まれるのだと思います。
アクセル全開で日々を過ごしてきた時には見えなかった景色があると思います。
スピードを緩めると、窓の外の景色を楽しむゆとりも生まれます。
今まで気づかなかった花や、そこに集まる生き物の営みにも目を向ける事が出来ます。ぜひアクセルとブレーキを巧みに使い分け、忙しい日々をドライブしてください。
そして、この運転を習慣化する事をオススメします。
脳は習慣を好む
人はすぐには変われませんが、変わる事が出来ます。
良い習慣が、良い行動を生み、良い思考を育みます。
ブッダの教えにこういう言葉があります。
『何であれ、しばしば考え、思いを巡らせるものが、その人の心の傾向となる。』
双考経(MN1.P115.21-22)
私たちの心は良くも悪くも常に変化します。
日頃考えている事が、その人の心の傾向になっていき、自分を作っていきます。
自分というものは日頃の習慣によって成り立つという事です。
この考えを脳科学では「ニューロプラスティシティ(神経可塑性)」と言います。
数十年前までは、私たちの脳は幼少期に形成されたら一生涯変化しないものだと思われていました。しかし、近年の研究ではむしろ真逆で、脳は何歳になっても変化をする、というのが定説になりました。
日頃の行動、思考、環境などで脳の構造自体が変化をする。おおげさに言えば私たちは自分で脳を作り上げる事が出来るのです。
アクセル全開の習慣の人はアクセル全開の脳構造になり、アクセルとブレーキ を巧みに使う人はそのような構造になるという事です。
アクセル全開で生ききる!のも良いと思います。
でも長い人生です。
私は心にゆとりを持って楽しくドライブする事を選びます。
続きは随時更新していきます。
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