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お焼香は何回が正解?

先日、『なぜお香はホッとするのか?』
という内容の記事を書いた際、ある方から下記のコメントを頂きました。

お焼香で思い出しましたが、
先日、知り合いのお寺へ閻魔様御開帳法要に伺った際、普段の焼香は、死者に思いを届ける意味で1回だけど、今回は、三毒を焼き払うため、3回のお焼香をする、とのことでした。
宗派によって違うのか?地域性なのか?は分からないけど、貪瞋痴、お勉強したこと、知識になってるなぁと感じた瞬間でした。

T 様のコメントより

このコメントで、とても大切な事に気づかせて頂いたので引用します。

焼香の回数は宗派によって違うのか?地域性なのか??
この疑問です。
確かに、焼香の回数は1回もあるし3回もあります。
(回数を日蓮宗では炷(ちゅう)といいます。一炷、三炷など)
さらに、よく思い出すと線香の本数も様々です。
1本、2本、3本が一般的でしょうか。
それは地域や宗派によってもバラバラでしょうし,シチュエーションによっても変化するかもしれません。
そう考えると何が正解で、本当はどのような意味があるのか?気になりますよね。

先に答えを申し上げると「全て正解」です。

焼香を3回するのも1回するのも、正解です。
3回の意味が三毒を払うでも、仏・法・僧への供養でも正解です。

釈然としない方もいるかもしれません。
しかし、この考え方は仏教の大切な特徴だと思いますし、私の大好きな仏教ポイントです。
少し紐解きます。

仏教の初期経典に『シンガーラへの教え』というお経があります。
漢訳では『六方礼経(ろっぽうらいきょう)』が有名です。

昔シンガーラという青年がいました。
青年は亡くなった父親の遺言を守り、毎日六つの方角に向かって礼拝をしていました。
六つとは東西南北上下です。
ただ、遺言なので礼拝はしていましたが、肝心の「なぜ六方なのか?」ということは知らずに闇雲に礼拝を続けていました。

ある日、この様子を見たブッダは、シンガーラに「青年よ。礼拝をするのであれば闇雲に行うのではなく、六方を人間関係だと思いなさい。東が親子関係、南が師弟関係、西が夫婦関係、北が友人関係、上が尊敬する人と自分の関係、下が主従関係です。これらの六つの関係を正しく守るなら、安全に幸福に暮らせるだろう、礼拝する時にその者達を想いなさい」と説かれました。

この話の肝要な部分は、青年の従来の行為を否定するのではなく、青年がより良い人間関係を築けるように、意味を付加している所です。
青年の父親の遺した習慣は、おそらくバラモンの教えです。
しかしその教えを否定して、新しい習慣を提示するのではなく、習慣は踏襲しつつ、さらに仏教的な意味を与えているところに親しみを感じます。
その意味も青年を良き方向に導く内容だという所も重要ですね。

話を焼香に戻しますと、焼香の回数は1回でも3回でも、そこに意味を持つのであれば、全て正解です。3回という回数の内容も、三毒を払うという意味でも、仏法僧への供養であっても、その人にとって意味を感じられるならば正解ですよね。
その行為によって「3回の焼香で三毒が払われた、清々しい気持ちで今日を過ごそう」と思えれば意味のある行為ですし、供養の意味を持ちながら3回焼香して、日々に感謝できるのであれば、それも意味のある行為です。
大切な事は、習慣として闇雲に焼香や線香を供えるのではなく、自分にとっての意味を持つ事です。
そして、唯一の解答が無いという柔軟な気持ちを持つ事も大切です。
普段は3回焼香していても、地域や宗派や時によって変わります。
その習慣に合わせる柔軟性が大切です。

「頭は柔らかく、心は素直に」
一緒に心の柔軟性を養っていきましょう!!

ポジティブ心理学の研究者
マーティンセリグマン(Martin E. P. Seligman、1942年8月12日 - )は、研究の中で、“人が持続的に幸福を感じる為の要素”が5つ存在するといいます。
それらの頭文字を取ってPERMAと呼んでいます。
その5つとは、
ポジティブ感情(Positive Emotions)」「エンゲージメント(Engagement)」「関係性(Relationships)」「意味・意義(Meaning)」
「達成(Achievement)」
4つ目の要素Meaningはまさに自分なりの意味を持つ、という事です。

例えば、お仕事で、上司から言われたからやっているけど意味は分からない、という雑務もあると思います。
しかし、その行動を大切な時間を使って行うなら闇雲に行うのではなく、自分なりに意味を持ってやりましょう。
自分にとっての意味なので、どんなものでも全て正解です。
その方が、日常をポジティブに過ごせるというのがセリグマン博士の研究からもお分かり頂けると思います。

続きは随時更新していきます。
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