あの有名な言葉を紐解く
オンラインでの瞑想会も約2ヶ月程続けてきました。ご参加頂いている方の中には瞑想が習慣になってきた方も多いと思います。
呼吸に意識を向ける瞑想や、ボディスキャンを少しずつ日常に取り入れていくと、今まで気づかなかった自分の心の揺れ動きや騒がしさに驚く方も多いと思います。
さっきはこう考えていたのに、次の瞬間は別の事考えていたり、その次は、、、
と思考や感情は常にユラユラと動いていますよね。
私達はこのような心の揺れ動きを「モンキーマインド」と呼んだりします。
まさにお猿さんがジャングルの中で、木から木に移り渡っていくように、思考や感情が連鎖していくからです。
心理学では「マインドワンダリング」と表されますが、何れにしても心は常に変化しており、コロコロ移り変わっていくものです。
おそらく瞑想を体験する前までは、心の変化の多さ、騒がしさに気づく事がなかったと思います。しかし、瞑想を習慣にする事で自分の心がいかに騒がしいか、揺れ動いているのかが漠然とでも気づく事が出来るようになってきます。
この「心の動きに気づく」という事がめちゃくちゃ大切です!
この事が瞑想の核であると同時に、仏教の土台でもあるからです。
ブッダの言葉にこのような教えがあります。
sabbe saṃkhārā aniccā ti yadā paññāya passati/ atha nibbindatī dukkhe ,esa maggo visuddhiyā(Dhp.277)
(全ての心の反応は一定ではない と、智慧をもって観察する時、人は苦しみを離れる事ができる。これが幸せへの道である)
私達の心は常に変化をしている、と観察出来た時に私達は様々な苦しみから離れる事が出来るという言葉です。
これを文字面としてではなく、瞑想を経験していると実感として腑に落ちる瞬間がないでしょうか?
例えば、自分が怒っている時。
イライラしている自分に気づく事が出来れば、少し怒りは収まりやすくなりますし、収まらなければ、気分を変えようとコーヒーを飲む、散歩をするなど、ブレイクタイムを選択する事も出来ます。
それは、自分の感情に“気づいている”から可能なわけです。
怒りに気付けずにいれば、その怒りはあなたの頭を占拠して、ますます火は燃え上がり、取り返しのつかない言動に出てしまうかもしれません。
私たちが様々な苦しみから離れる土台には、自分の心の変化に“気づく”という事が重要なわけです。
そして仏教の土台、根幹とも言えるこの言葉は、ある四字熟語になって日本にも伝わっています。なんだか分かりますか??
sabbe saṃkhārā anicca
全ての心の反応は一定ではない。
全ての→諸
心の反応→行
一定ではない→無常
『諸行無常』
そうです。あの有名な言葉ですね。
国語の授業で習う諸行無常観とは少し違うと思います。
仏教の文脈では、世の移ろいというより、自分の心の話なんですね。
なにやら小難しい仏教用語や考えも、体験を通して見ていると、見え方が変わってきます。面白いですね。
仏教は「行」と「学」どちらも大切にします。行とは実践です。学とは学ぶ事です。
本を読んだり、勉強をして学ぶ事は大切ですが、学んでも実践しなければ目的地に辿り着けません。逆に闇雲に実践ばかりしていても、危険が伴います。
運転で言えば、ペーパードライバーと無免許運転のようなものですね。
鎌倉時代に活躍した日蓮の言葉に
「行学の二道に励み候べし、行学絶えなば仏法はあるべからず。」という表現があります。まさに仏教において、行と学は両輪です。
ぜひ、皆様にはどちらも大切にして頂きたいと思います。
続きは随時更新していきます。
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