呼吸って大切
呼吸を観察するメリット
先日、お寺のLINEにこのようなコメントを頂きました。
「呼吸に意識を向ける瞑想より、言葉を唱える方が、私にとっては雑念がわかないように思います。」
このコメントは「慈悲の瞑想」を行った翌日に頂きました。
実は、この方がおっしゃる通り、呼吸を意識するより「言葉」や「イメージ(仏像とかロウソクの炎など)」を意識する方が雑念が湧きづらく集中しやすい、という方は多くいらっしゃいます。むしろ多数派だと思います。
しかし、それでも私が呼吸の瞑想を必ず行うのは、呼吸を観察するメリットがとても大きいからなのです!
例えば、私たちがある人の言葉や行動でイライラしたとします。
頭の中はイライラでいっぱいになってきます。
その時に「あっ、自分怒っているな」と気づく事が出来れば、そのイライラは少しずつ収まってきますよね。もしくは気分を変える為にコーヒーを飲みに行く事も出来ます。
「自分が怒っている事に気づく」というメタ認知力を鍛えるのが瞑想のトレーニングです。しかし、ここで壁にぶつかります。
トレーニングが進んでいけば、「怒っている自分」を客観的に認識する事が出来るようになりますが、多くの方が実際に怒っている時には「怒り」で頭がいっぱいになり、怒りを意識する事が難しい状態になります。
では、怒りにどのように気づけば良いのでしょうか?
実は私たちの頭に「怒り」が湧いた時、心の変化と同時に反応している部分があります。
それが呼吸です。
怒りや不安が込み上げて来た時、呼吸は浅くなり、速くなります。ドキドキと動悸を感じるかもしれません。
その体の生理的な変化に気づく事ができれば、自分の心を客観視しやすくなります。
心の変化を意識で捉える事は難しいですが、生理的なレベルで変化すれば捉えやすくなります。
その為にも、普段から自分の呼吸を観察する事が大切なのです。
普段の自分の呼吸を知らなければ、変化した事に気づけません。
日常から定点観測をしているからこそ、呼吸に揺らぎを感じた時、それを察知し、いち早く心の変化を捉える事が出来るわけです。
呼吸は心のシグナル
呼吸を別の言い方で「息」と言います。
息とは「自分の心」と書きます。
息を知る事は自分の心を知る事です。
自分の心を知る為には、自分の息・呼吸を知る必要があるわけです。
ブッダはこのように教えます。
「長く息を吸えば『わたしは長く息を吸っている』と知り、また長く息をはけば『わたしは長く息をはいている』と知る。
また短く息を吸えば『わたしは短く息を吸っている』と知り、また短く息をはけば『わたしは短く息をはいている』と知るのである。」 大念処経より
呼吸を観察するとは、呼吸をコントロールする事とは違います。
ゆったりと深い呼吸の時もあれば、速く浅い呼吸の時もあります。
深い呼吸が良くて、浅い呼吸が悪いわけではありません。
ただ、今日の呼吸はゆっくりしているな〜、とか少し速いな〜、とありのままに観察するだけです。
その呼吸をコントロールしてしまっては、心のシグナルを受け取る事が出来なくなってしまいます。ただ、観察する事で、心の変化に敏感になっていくトレーニングです。
これが呼吸の瞑想を基礎に据えている理由です。
続きは随時更新していきます。
ご興味のある方は、ぜひ「マインドフルネス瞑想@オンライン」にもご参加下さい。
最新情報はLINE公式アカウントからお知らせします。
https://lin.ee/MGeJto3C
Q&A 『呼吸をコントロールしてはダメなのか?』
Q, 呼吸は観察するだけでコントロールしないとのことですが、
例えば、怒っている時に、呼吸が速くなっていることに気がついたら、
その時もコントロール、ゆっくりにしたりしない方が良いのでしょうか?
私は、イライラしてきたら、深呼吸して落ち着かせてます。
A, 大切なご質問です。
イライラに気づく事が出来た後は、呼吸を使ってリラックスしても良いですし、身体をストレッチして気分を調えるのも大切です。
イライラを察知する為に、普段から呼吸を観察する事に慣れておく必要があるわけです。
上手く、呼吸の変化に気づいてイライラしている自分を客観視する事が出来れば、色々な選択肢が生まれますよね。
深呼吸して心を鎮める。
外出する。
身体を動かす。
コーヒーを飲む。。。
などなど。
呼吸の観察によって、心の変化を知り、呼吸のコントロールによって心を鎮めるイメージです。
ですので、ご質問者さんのように深呼吸も大切な手段だと思います!!
Q&A 『呼吸を意識すると苦しくなる』
Q, 呼吸を観察しようと思うのですが、途端に上手く呼吸が出来なくなり、少し苦しいなと感じました。
どうしたら良いのでしょうか?
A, ご質問ありがとうございます。
実は、このように感じる方は多くいらっしゃいます。普段意識する事のない自分の呼吸を意識してみると、上手く吸えない、なんだか呼吸が浅くなり苦しくなってしまう、という方です。
原因は一つでは無い可能性がありますが、多くの方が共通する事があります。
それは「呼吸を無意識にコントロールしている」という事です。
呼吸を観察しようと思っていても、深い呼吸をしよう、良い呼吸をしたい、と考えてしまい、呼吸をコントロールしている可能性があります。
そうすると、身体の自然な呼吸と自分の理想の呼吸の間にギャップが生まれてしまい、上手く呼吸が出来なくなり苦しくなってしまう、という現象が起きます。
最初は難しいかもしれませんが、呼吸を観察する、つまり自然な呼吸に身を任せるつもりでリラックスしましょう。
ありのままの呼吸を観察する事に慣れてくれば楽になると思います。
この「呼吸が苦しくなる」という経験はとても大切な事だと思います。
呼吸は自分の身体の機能です。
自分の身体ですら、その声を無視してコントロールしようと思うと苦しくなる訳です。
これが例えば、他人だったらどうでしょう。
相手の声や状況を無視して、自分の思う形にコントロールしようとしたら、それは確実に摩擦を生み、コミュニケーション取れないですよね。
まずは、呼吸の観察と同じように、相手の声や状況を観察して、ありのまま受け入れる事が大切です。そうすれば的確な対応や行動を取ることに繋がります。
呼吸からは対人関係の秘訣も学ぶ事が出来るのです。大切にしましょう!
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