努力が報われないと感じている“あなた”へ
努力ってなかなか報われないですよね〜。
頑張っているのに結果が出ない、思うように成果がついてこない。
わかります。
私も努力に結果が伴わず、四六時中もがいている一人です。
住職という役目柄、人に話をする機会を多く頂きます。
せっかく話をするならば、自分の伝えたい事をしっかり伝えたい、理解してもらいたいと、内容や構成などを色々とネリネリします。
しかし、努力すれば必ず結果が伴うかといえば、全くそんな事はありませんよね。
もちろん、良い結果に満足する事もありますが、意に反して上手く伝わらなかったり、満足にいかない結果の方が多いです。
なんか頑張っているのに成果が出ないなぁとネガティブな思考が大きくなった時、私はこの話を思い出します。
画像:https://ja.wikipedia.org/wiki/小野道風
平安時代の能書家で小野道風(おのの とうふう/みちかぜ)という人物がいます。
道風は大変才能豊かな人でしたが、伸び悩みに苦しんでいました。
ある時、ふと気晴らしに散歩をしていると、一匹の蛙が柳の枝に飛び移ろうと、ピョンピョン飛んでいます。
蛙と枝までの距離がかなり離れており、蛙がどう頑張っても到底飛び移れないくらいの差があります。
それでも懸命に飛び跳ねる蛙を見ながら、道風は「どう頑張っても手が届かない、無駄な努力だ」と笑って馬鹿にしていました。
その時どこからかピューッと風が吹き、柳の枝が揺れて蛙の前に降りてきました。
その瞬間、蛙はピョンと飛び乗り、めでたく柳の枝へと移動する事が出来ました。
これを見ていた道風は「人生はこのようなものかもしれない。あの蛙は諦めずに努力し続けたから、突然のチャンスをモノにする事が出来たのだ、私は蛙を笑っていたけど、あの蛙のようにひたむきに努力を続けているのだろうか」と思い直し、〈書の道〉を今一度見つめ直すきっかけにした。
このような話です。
私はこの話を思い出すと『努力は自分の思うようなタイミングで報われないかもしれないが、努力しなければ報われることはない、蛙のように努力を続ける事が大切なのだ』と思い直させてくれます。
仏教には〈因果応報〉という言葉があります。
簡単にいうと『善い行いには善い結果がある、悪い行いには悪い結果がある』という言葉ですが、実はそうとは限らないのが私たちの生きている〈娑婆世界〉という場所です。
娑婆とは、インド語で〈サハー〉といい、〈忍土(にんど)〉とも訳されます。
耐え忍ぶ世界という意味ですね。
自分の思うようにならない、理不尽な事、不条理な事もあるからこそ、修行の世界になる、と説かれます。
善い行いをして、必ず善い結果に結びつくならば、誰でも善い行いをするでしょう。しかし、そうとも限らないのに、それでも善い行いを続けるところに功徳が積まれるのだと、お釈迦様は説きます。
この娑婆世界で生きる私たちは、必ずしも自分の思うタイミングで成果が伴いません。しかし、ふとしたタイミングで機が熟し努力が実るのだと、信じて気長に構える余裕も大切かもしれません。
いつ風が吹いても柳の枝をキャッチ出来るように、自分の気持ちを保ち続け、少し息詰まりを感じたら、詰まっている息を解放する為にゆっくり呼吸をしてみましょう。
そして、おおらかな気持ちで風の音に耳を澄ませる為にも、心のゆとりを大切になさって下さい。
続きは随時更新していきます。
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