見出し画像

永寿荘で働く従業員の顔Vol2. ご福あげお 森居深雪さん<後編>

こんにちは、副理事長の永嶋です。
先月の社内報noteに引き続き、今月も「永寿荘で働く従業員の顔」をお届けします。

今回は、ご福あげおで生活相談員、ケアマネージャーとして活躍してくれている森居深雪さんの後編です。

生活相談員へ

具体的なキャリアを思い描いていたわけではなく、目の前の仕事をこなしていく日々。リーダーの次のキャリアは、生活相談員でした。大学でソーシャルワークを学んできたこともあり、いつかはやってみたいと思っていました。しかし、思っていたよりも挑戦機会が早くやってきたため、このときも「私が!?」と驚きましたね。

最初は電話ひとつまともに取れない状態。先輩に支えられて仕事に取り組むうち、だんだんと外とのつながりが増えていき、あらたな視点が得られることに喜びを感じるようになりました。

相談員の仕事には、看護師にお願いごとをする場面が多くあります。これが最初は難しかったですね。相談員と看護師の仕事に立場の上下はありませんが、看護師にはベテランが多く、気軽にお願いするのはハードルが高かったんです。

それでも、一緒に働く仲間に恵まれ、一つひとつステップアップしていくことができました。前回の「職員の顔」に登場した高橋さんと一緒に働いていた期間が長く、彼女の仕事ぶりに大いに影響を受けました。彼女はとにかく学ぶ姿勢がすごく、読書家。専門的な知識をいち早く仕入れ、私たちに伝えてくれるんです。各部署への気配りもすごく、彼女の頭の中ってどうなってるんだろうと思ってきました。

ライフステージが変わっても、働き続けたい

結婚し、今から8年前に出産。2人の子どもの母になりました。仕事をやめるつもりはなかったため、それぞれ産後1年弱で復帰。しかし、これが本当に大変でした。

今思えば、「全部、産前と同じだけの全力でやらないといけない」と思っていたことが、自分を追い詰めてしまったのだと思います。当然そんなことはできなくて、だから落ち込んでの繰り返しでした。自分が何人いても手が足りない、こんなに子育てって大変なんだと思う日々でしたね。勝手に暗闇の中に潜っていってしまい、しんどさを抱えていました。

そんな私を支えてくれたのは、同じように働くママ友たち。彼女たちを見ていて、肩の力の抜きどころを覚えていきました。また、SNSでもだんだんとワーキングマザーが可視化されるようになっていき、同じような苦しみを抱えている人、いい意味で上手に諦めている人、キャリアを調整している人、助けを求めている人、さまざまな働く母親たちの存在を知ることができました。そうして、徐々に暗闇から抜け出し、楽に仕事に向き合えるようになっていったんです。

会社には、制度の面でたくさん支えていただきました。私のような働く母親に寄り添いながら制度を模索し、仕事を続けられるよう環境を整えていってくれたんです。今は時短で働いていますが、定時に帰れるようサポートもしてもらっています。

そして、時短勤務であってもキャリアを諦めなくていい、いわゆるマミートラックに乗らなくていいのも、永寿荘の魅力だと思いますね。責任のあるポジションを任せてもらえるので、やりがいを持って働き続けることができています。

子どもは日々成長していきます。産後、なかなか戻ってこなかった思考力や判断力も、時間と共に元の自分に戻っていきます。夫も父親として成長し、任せられることが多くなりました。時間薬が効き、今ではクリアな頭で仕事に向き合えるようになったと感じています。

培ってきた経験を、次世代に伝えたい

仕事やプライベートでさまざまな山や谷を乗り越えてきて、自己肯定感が上がってきたように感じています。ポジティブに先のことを考えられるようになり、自分の得意なことややりたいことをうまく発揮して、永寿荘に貢献したいと思える心の余裕も生まれました。今は貢献できる手立てを考える日々です。

いろいろと学んできたなかで、積み上げてきたものは確実にある。できないことばかりに目を向けるときりがないため、できることに着目しようと思っています。

今、思っているのは、法人として取り組んでいる環境整備への貢献です。私生活で取得した整理収納アドバイザーの資格が、職場にも活かせるんじゃないかと思っています。また、学生時代に教員免許を取っていて、教えることにも興味があったことを思い出しました。長く高齢者施設で働くなかで経験してきたこと、学んできたことを次世代に伝えたいですね。実習生の指導や新卒者向けの勉強会など、何かしらの機会が持てたらなと思っています。

働くお母さんとしても、次の世代に背中を見せていきたいですね。「福祉の世界は、ライフステージが変わっても長く働ける場所なんだよ」と伝えられたらと思っています。介護はおもしろく奥深い世界です。いろいろな人に飛び込んできてほしいですね。また、仕事や家庭のほかに、自分だけの場所や興味など、第3の場所、サードプレイスを持つことも大切。これもいい仕事を続けられる秘訣なんじゃないかなと思います。

相談員としての私の理想は、いろいろな部署や施設内外をつなぐ要、ハブとして、全方位に気配りができる人です。学生時代から、クライアントや家族、関係スタッフや外部機関の方、それぞれの立場や専門性を活かせる人がかっこいい相談員だと思ってきました。まだまだ理想に辿り着けてはいませんが、積み上げてきたものが力になってくれていると感じています。

最近、特に心がけているのは「聴く」に徹することです。聞いているつもりでも、頭の中では返し方を考えていたり、どう援助すれば良くなるのか考え始めてしまったりして、「聴ききる」ことができていないことがあるんです。まだまだ修行が足りないなと思い、まずは相手を受け入れること、相手の話を聴ききることを意識しています。

前編はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?