20170212_0667のコピー

不確定な未来を目指して

1096日。

これは僕が、"なんとなく"目指していた箱根駅伝という舞台を、本気で目指し始めてから到達するまでの日数だ。今も忘れない。初めて生で箱根駅伝を見たのは、法政大学に入学して最初の冬。2005年1月2日だった。

3年後の不確定な未来

僕はスポーツ推薦ではない。高校でとても中途半端な成績を残し、陸上競技を辞めるタイミングを失って大学陸上部の門を叩いた。正直言って、"超速い人たち"に囲まれることで辞め時を探していたような気がする。口では「箱根駅伝に出たい」と言っていてもなんとなくでしかない。そんな感じで1年が過ぎようとしていた。

その日、自分の大学のジャージすら着ることもできずに、黄色いジャンパーを着て品川あたりで走路員をしていた。選手が走る道路に背を向けて、歩道側を見張る役目だった。

すると遠くから「ものすごいエネルギーのかたまりのような何か」が、歓声とともに近づいて来た。1区の選手たちだった。とんでもないスピードのそのかたまりは、どんどん大きくなる大歓声と一緒に僕の背中を通り過ぎていった。その中に、いつも同じグラウンドにいる先輩の姿もあった。声が届かないくらい大きな声援に包まれていた。もちろん、誰も僕のことは見ていなかった。

みんなが一瞬で通り過ぎたあと、胸の中に残ったのはなんとも言えない感情だった。悔しいとか情けないとか、そういうことではない。

「とにかく向こう側に立たないといけない」

そんな感情だったことを覚えている。

そこから出場までの話を書くと長くなりすぎるので割愛するが、スポーツ推薦組の選手たちに負けずにレギュラーになるためには、とにかく「継続する」ことを戦略の軸にした。今から1000日間継続する。来年とか再来年じゃなくて、3年目をゴールに設定する。そこまでを1サイクルとして努力を継続できれば、もしかしたら1%くらいは可能性があるかもしれない、そんな考えだった。

「1%の可能性があるかどうかもわからない、3年後の不確定な未来。」
それが、僕が学生時代に(本当に)全てをかけて追いかけたものだった。

ランニングは人生の幸福度を高める

話は変わって、938日。

これは、僕が2015年に起業してから今日までの日数だ。これも忘れもしない、京浜急行の電車の中。Runtripという概念と、それを実現するための手段が自分の中で繋がった瞬間に、カラダがとても熱くなって座っていられないくらいワクワクした。

「これは行動しなくちゃいけない」

そんな感情が生まれて、もう戻れなくなった。経営学も、プログラミングも、デザインも、会計も法律も全然わからないけれど、Runtripというカルチャーをビジネスという形で普及したいと思った。

数字だけに依存しないランニングのカルチャーと、局所的でなく道を地域資源と捉えた地域活性手段。観光の仕事をしていた自分のバックボーンともぴったりあった。

僕は、ランニングは人生の幸福度を高めてくれるものだと心の底から思っている。箱根駅伝を経て、もう二度と走りたくないと思っていたあの頃から、自分でも驚く変化だ。速いとか遅いとか、長いとか短いとか、そんなことは関係なくて、もっと気軽に誰もが余暇の過ごし方の1つのアクティビティとして、ランニングを選択できるような未来がきたら、きっとなんだか楽しい世界になると思う。それはもちろんランだけじゃなくてもいいけれど。

みんなの1000日を力に

「カルチャーをつくる」なんて大それたことを、恥ずかしげもなく(実際は結構恥ずかしいけど)いろんなところで宣言しているが、もちろんそんな簡単なことではない。たった1000日では何も変わらない。それくらいはわかっている。

それでも、チームメンバーはもちろん、他にもいろんな人からたくさんの応援と心配と罵声?を浴びながら、なんとかもう少しで1000日というところまで継続することだけはできた。この1000日間は、24時間Runtripのことを考えていたと真面目に言えると思う。(夢でもプレゼンしてたし、笑)

でもやっぱり、まだ何も結果を残せていない。カルチャーをつくるということは、当たり前だけど僕のような平凡な人間が簡単に実現できることではない。

それでも、実現できる保証なんて1%もない「不確定な未来を」、馬鹿みたいに長い期間、目指し続けることができるということだけは、誰にも負けない僕の少ない長所の1つだ。

僕は最後までやめないから、少しでも理想の未来に共感してくれる人がいるならば、その人たちの"1000日"も加われば、いつか何かが間違って理想の未来に届いてしまうかもしれない。今はそんな風に思っている。

実際にこの1年で応援してくれる立場になっていただいた方々のおかげで、まだ小さいけれどびっくりするくらいいろんな可能性が見え始めてきた。

これがもっともっと増えたらどうなるだろう。純粋にもっと楽しく走りたい!という人たちが集まれたら、きっと大きな力になるんじゃないか。そんなことを思って「Runtrip Founders」という仕組みを作った。
それにあたり、投資型クラウドファンディングを使ってRuntripの新株予約権を発行する。(クラフトビール「PUNK IPA」で有名な、スコットランド発祥のBrewDog社の「パンク株」の事例を参考にした

最後に

そろそろこのあたりで息切れ気味なので(多分読んでくれている人も)、Runtrip Foundersの細かい説明はこちらをご覧いただくとして、一言でいうとこれは「事業の運営に、もっと近くで積極的に関われる権利」です。応援してくれたら割引とかではなくて、「近寄れる権利」だなんて偉そうと思われるかもしれないけれど、少なくとも僕が作る未来ではなく、みんなで一緒に作った未来の方が絶対に楽しいから、次の1000日に向けて挑戦してみることにしました。

全部をさらけ出すことは少しだけ勇気が必要だったけれど、よく考えたらもともと何もなかったんだから、もし失敗したって元に戻るだけかって思えば、「1%でも可能性がありそうな不確定な未来」に向かって走る方が楽しいなと思っています。

少しでもRuntripが目指す世界に興味が湧いた方は、こちらから覗いてみてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

Runtrip Foundersについて
http://corp.runtrip.jp/founders

株式投資型クラウドファンディング「エメラダ・エクイティ」
12月8日20:00よりスタートしています!
https://emeradaco.com/projects/2

2017.12.8 大森英一郎

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