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「無難な道で失敗しない」方がいいか、「失敗するかも知れないがチャレンジする」方がいいか

人生は毎日、どの瞬間も「決断の連続」で、なにかを「変える」のも決断ですし、「変えない」のも決断です。昨日と同じ会社に行き昨日と同じ仕事をするのも一つの「決断」というわけです。

個人的に

・安定=停滞=退屈=退化

というような考え方があるため、安定している状態が非常に居心地悪く感じてしまいます。一般的に言えば「安定」こそ求めるものなのだと思いますが、もっと「ワクワクしたい」という気持ちが強いと言うか、「繰り返し」が苦手というか、とにかく「変化を求め続けている」生き方をしています。

会社員でいると、

・どんどん新しいことにチャレンジしろ

・一つのミスも許さない

が同居する、不思議な世界に身を置くことになります。多くの人はより

・安全な道=変化しない状態

を選ぶと思いますが、これは結局会社として

・チャレンジして”成果を出せば”評価するが、チャレンジして”失敗すると”マイナス評価

ということになっていて、つまり

・チャレンジしなければマイナスがない

とも言えるわけです。こうなってしまっては敢えてチャレンジするような酔狂な人はそうそういないでしょう。

こういう状態を作り出しているのは、現代の企業活動の多く(新進気鋭のベンチャーなどは違ったりもしますが)は

・既存事業の延命ビジネス

をしているからで、同じことをしていれば収益も読みやすいですし、世の中がダイナミックにスピーディーに変化しなければ対応できる範囲なのでしょう。一方で「需要が増え続ける」マーケットはそうそうないので、どちらかと言えば消費者が賢くなって売上は減少していくはずです(様々なからくりにより収益は減らないかも知れませんが)。

最近の20代にはすでに「古代の遺跡」に近いであろうガラケーも、いつの間にか姿を消し、ごく一部の愛好家であったり年寄りであったり、非常に小さなマーケットで細々ビジネスを展開しています。もちろんニーズは一定数ありますし、「手堅い」予測もできるのでビジネスとしては堅調でしょうけど、いつか回線がガラケーに対応しなくなれば消滅するビジネスでもあります。

かつてスマートフォン登場以前に栄華を誇っていたNOKIAは、高機能携帯電話でシェアトップを独走していました。しかし、「なぜか」失速したのです。当時のCEOは

「我々はなにも間違えていないのに、なぜか、負けた」

と言っています。

未来から振り返ってみれば

・高機能携帯電話のさらなる高機能化を目指していた
・iPhoneに代表されるスマートフォンが登場する未来を想定していなかった
・故にスマートフォン開発をしていなかった
・代わりに、一途に高機能携帯電話を開発し続けていた

ということだろうと思います。

一言で言うなら

・現状の延長線上を目指し、チャレンジしなかった

とも言えるでしょう。

最近ではNOKIAもスマートフォン開発をしており、業績もいくらか戻ってきたようですが、2023年の業績は悪く、レイオフも計画しているようです。これもまた、「スマートフォンという既存事業の延命」に注力してしまい、過去のNOKIAらしい”チャレンジ”をしてこなかった結果かもしれません。

https://jp.reuters.com/markets/world-indices/ZUXZTQWN3ZKKTIBDIISY4TIUEQ-2023-10-19/

人生は単一ベクトルの1回きりのものなので、できれば「失敗」は少ないほうが良いのだと思いますが、「失敗が少ない」ことが「チャレンジが少ない」だとすると、どこかでNOKIAのようになってしまうかもしれません。闇雲なチャレンジは回復期を確保できないので控えたほうが良いとは思いますが、安定を求めすぎて「変化できない」となると、いつの間にか時代に取り残されてしまうでしょう。

特に日本は、高度成長期以降

・いい大学を出て、いい会社に入って、定年まで勤め上げて、穏やかな老後を過ごす

のが幸せのテンプレートでした。この「信仰」は今でも根強く残っていますし、20代でいくつも会社を興しては潰すような人は「ダメな人」という見方のほうが強いでしょう。最近では大学生でも起業したり、20代でも起業したりと、そういった「チャレンジ」に寛容になってきているとは思いますが、まだまだMajorityとは言い難い状況だと思います。

・人生で失敗した人は、人生でチャレンジした人

という見方がもっと広まると、より「生きやすい」世の中になるような気がしています。なにしろ「チャレンジしなければ失敗できない」わけですから。

安定を求めるのも一つの生き方なので間違いではないですが、安定を求めすぎていつの間にか負けるよりも、安定の先を見越してチャレンジし、時には失敗しても、チャレンジし続けることのほうが、大事だと個人的には思います。

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