0224noteサムネ

人生で一番影響を受けた本

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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人生で一番影響を受けた本は何ですか?

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藤子不二雄:ドラえもん
横山光輝:三国志
福沢諭吉:学問ノススメ

この3つからは絞るのが難しい。

日本人なら馴染みのあるドラえもんがお話を始めやすいだろうか。

ドラえもんはとにかく色々な事を学べる。
ということで今回はドラえもんについて話していこうと思う。


初めての漫画

店主が一番最初に手に入れた漫画はドラえもんだった。
大長編ドラえもんの、
「ドラえもん:のび太の海底鬼岩城」

画像1

これが最初。
この一冊からもとんでもない程に勉強になった。

日本海溝やマリアナ海溝、生物の進化論、
深海の水圧や生物についてなど、
小学生が科学を学ぶに十分なほどの一冊だった。

ファンタジーとして見ても、
ムーとアトランティスの話が出てくるし、
バミューダトライアングルの話も、
学ぶに十分なだけの情報量がある。

笑いあり涙ありの、
ドラえもん:のび太の海底鬼岩城、
店主はこれが最初に手に入れた漫画だった事を、
今でも幸せに思う。

なお、名作では「のび太と鉄人兵団」の名が出る事が多いのだが、
個人的には、
・のび太の海底鬼岩城
・のび太の魔界大冒険
・のび太の宇宙小戦争
・のび太のパラレル西遊記
・のび太と鉄人兵団

はどれも甲乙つけがたいと思っている。

魔界大冒険がランクインする理由など言うまでもない。
子供の頃も今も「魔法の世界」が大好きだからだ。
もしもボックスを持っていたら、
自分も間違いなくのび太くんと同じように魔法の世界を望む。
今も、子供の頃も。

そうじゃなかったらこの仕事をしていないだろう。
まさに三つ子の魂百まで。

あと、知らない人が多いのだが、
のび太のパラレル西遊記だけは単行本が無く、
フィルムコミックしか存在していない。
もちろん店主程のドラ好きともなれば当然持っている。

最初が海底鬼岩城でなくても好きになったと思うが、
一番最初がこれで良かったような気もする。
とにかくドラえもん大好きだ。


藤子不二雄の心

画像3

大長編ドラえもんには、
藤子不二雄先生の色々な知識、
そして地球への考え方など、
色々な事が豊富に学べる。
あの方の見識の深さと優しさが要所要所で感じられる。
(ここで言う藤子不二雄は当然、藤本弘の方のみ。)

それでいて、
ユーモアを忘れず、
人が想像しない視点でものが描ける。
読めば読む程に藤子不二雄先生の凄さを思い知る。
それがドラえもん。

しかし、今のドラえもんはあまり好きではない。
声優が気に入らないというのも無いわけではないが、
実はそこではない。

藤子不二雄先生は、1996年に亡くなられている。
その後、藤子不二雄先生の後を継ぐ形で、
藤子プロと呼ばれる株式会社がドラえもんを作成している。

藤子不二雄先生がご存命の時は、
「有限会社 藤子・F・不二雄プロ」
だったが、
没後、株式会社化したものが藤子プロだ。
(正式名称:株式会社 藤子・F・不二雄プロ)

この後継の会社の作ったドラえもんと、
藤子不二雄先生の作ったドラえもんには違いがある。
店主は藤子不二雄先生を天才だと思っている。
天才の後を継ぐというのは難しい。
継いだ後に違いが出てしまう事は仕方ないとは思っている。

けれども、
明らかに今のドラえもんと藤子不二雄先生のドラえもんは違う。
言葉にするのはとても難しい。

今のドラえもんには、
・藤子不二雄先生のいたずら心のようなユーモアがない。
・藤子不二雄先生の優しさを感じる何かがない。
・PTAなどに配慮しすぎて犯罪に使えそうな道具を出さない。
・藤子不二雄先生の深い知識から来る学ぶ点が足りない。
と言ってわかるだろうか。

また、
声優の話についても、
大山のぶ代著
「ぼくドラえもんでした。」
を読んだ事がある。

画像2

これはドラえもん好きには是非とも読んで欲しい。
いかに大山のぶ代さんがドラえもんを好きでいたか、
そしてどれほど優しい方だったか、
また、それに対して藤子不二雄先生がどう思っていらしたかがよくわかる。

こういう言葉にする事がとても難しい、
色々な「想い」が、
今のドラえもんにはどうしても感じられない。

藤子不二雄先生は生前にこんな言葉も。

「ドラえもんは、
 のび太だからいいんです。
 未来の道具を犯罪に使えるくらいでいいんです。
 それを見た子供たちが、
 『のび太はバカだなぁ。
 自分ならあの道具をこうやって使うのに!』
 と考える事が大切なんです。
 そうやって思考の幅が広がる事が大きいんです。」

この言葉には感動すら覚えた。
そして、自分は間違いなくそうだった。
ドラえもんを読んで、
「自分ならこう使う!」
と色々な道具で考えた。
こうすればこの道具は最高の使い方になる!
あの道具とこの道具を組み合わせれば・・・!
もう幾度となくこんな事を考えた。
間違いなくこれは思考力を育てたと思う。
なお、店主は小学生にして、
クリスマスプレゼントに、
「ドラえもんの四次元ポケットが欲しい。」
と確実に野心と野望に満ちた事を願った大馬鹿者である。
四次元ポケットを手に入れたらどうするか?
と真剣に考えていた小学生であった。
クラスメイトに同じ事を考えていた奴は多分いない。


思考力を育て、自然に学ぶ

画像4

とにかくドラえもんは色々な事を教えてくれる。

一例を出すと、
時間に関する学問と言えばいいのだろうか。
量子力学の初歩の初歩と言えばいいのだろうか。
ほとんどの人がこれでどの道具かわかるだろう。

そう、タイムマシン。

ドラえもんのお話の中で幾度となく使われるタイムマシン。
のび太達が過去、現在、未来を行き来する中で、
読者である店主は、
自然にタイムパラドックスというものを学んだ。

その後に、
「もしもボックス」により、
パラレルワールド(並行世界)というものを学んだ。

「宇宙救命ボート」
をはじめとする宇宙ロケットタイプの道具からは、
宇宙の色々な知識を学んだ。

道具の名前ではないが、
「栗まんじゅう」
からも宇宙の知識を学んだ。
(道具の名前はバイバイン。)
栗まんじゅうがわかる人はかなりドラえもん好きのはずだ。
(わからない人は『栗まんじゅう ドラえもん』でググろう。)

教わったのではなく、
自然に考えるようになって行き着いた。

これがとても素晴らしい。
子供が読んで、
そんな考えに自然に至る事が可能な本なのだ。

それを教えるではなく、
自然にさせてしまう事が何よりも凄い。

未来の道具というものから始まり、
そのストーリーを読んでいる間に、
色々な事を勝手に思考させて学ばせてしまう本、
それがドラえもん。


藤子不二雄先生の言葉の通り、
 『のび太はバカだなぁ。
 自分ならあの道具をこうやって使うのに!』
これを子供たちが考える事がどれほどに大切か、
それを大人になってからこんなにも実感するとは思わなかった。

こんな事で騒ぐようなPTAや一部の団体は頭がどうかしている。
つまらない配慮より、
子供を自由に思考させる事のほうが大切だ。
そうやって思考させる道具だからこそ、
ドラえもんの道具は子供の夢のアイテムなのだから。

そして大人になってもまだ楽しめる。
それがドラえもん。

大人になるとだいたい余計な知識を身につける。
その上で原点回帰のようにドラえもんを読むとこれまた面白い。
思った以上に色々な発見がある。

これも一例を出してみよう。
誰もがわかるアイテム、どこでもドア
この道具はちょっと不思議な事がある。
基本的には「行きたい場所」につながるようになっている。
が、
のび太くんが
「しずちゃんとこー。」
と言いながらドアを開けると、
しずかちゃんの部屋や家の前につかずに、
しずかちゃんのお風呂につながる事がある。
どうしてだろう?

これは、
しずかちゃんが現在いる場所をドアが把握しているのか?
しかし、どこでもドアは、
全く人のいない場所にも移動可能な道具だ。
そして目的の場所を詳しく知らなくても移動可能だ。

例えば、店主はメトロポリタン美術館に行った事がない。
どこでもドアで、
「メトロポリタン美術館!」
と言ってドアを開けたら、
それはメトロポリタン美術館の中につながるか、
それとも入り口につながるか。
ただ、間違いなくメトロポリタン美術館にはつながる。

店主が一度も行った事がなく、
想像もつかない場所であろうとも、
どこでもドアに地図がインプットされていれば必ず行ける。

が、
のび太くんの一例から考えると、
どこでもドアは人の思考を読み取る機能があると見ていい。
「しずちゃんとこー。」
の一言で高確率でお風呂につながるのは、
のび太の思考や願望を読み取っているからだろう。
そうでなければ高確率でお風呂につく理由が無いはずだ。

・・・などと余計な事を考え始めるのが大人だ。

他にもドラえもんの道具は、
・精神操作系
・空間移動系
・時間移動系
・願望成就系

などの系統に分かれる・・・などと言い出したら末期だ。

間違いなくそういう事を言い出した奴はドラえもんマニアだ。
略してドマ。

なお、系統はこれだけではなく、
なんとドラえもんの道具分類には「武器」もある。

一般人レベルで知っているのは、
ショックガン、空気ピストルなどの生易しいものだが、
中には
熱線銃:鉄筋のビルを消し飛ばす。
名刀電光丸:近接戦闘最強武器。秘剣と呼ばれる場合も。
ジャンボガン:戦車を一撃。
呪いのカメラ:写真に攻撃すると写っている人に伝わる。
といった物騒な武器もある。
呪いのカメラに至っては、
これデスノート?と言いたくなる効果だ。
いや、デスノートより大量殺戮が容易か?

その中でも最強と言われているのは、
「地球はかいばくだん」である。

間違えないように。
「地球破壊爆弾」ではない。
「地球はかいばくだん」である。

漢字ではなく、ひらがなで書くのが正式名称らしい。

威力は読んで字の如くだが、使用された描写は無い。
使いかけた事はある。

で、これらの武器、全部未来デパートで買えるの?
しかもドラえもんのお小遣いで。
ドラえもん、あんまりお小遣いもらってる感じしないんだけど、
ドラえもんのお小遣いで買えてしまうのだろうか。
しかも地球はかいばくだん。
未来デパート何でも売ってるなぁ。
まさかその未来デパートの名前、Amazonじゃないよね?

ちなみに、
ドラえもんマニアであれば、
この地球はかいばくだんは、
コミックス7巻とコミックス27巻に出てくるのは常識。
・・・と言い出した奴がいたら、
間違いなくそいつは危ない奴なので、
友達にならないほうがいい。

と、こんな事を大人になると考え出すわけだ。
何?ドラえもんからここまで考え出す人はお前だけだろうって?
え?
み、みんな考えるよね?

存在しないエンディング

最終回

よく話題になるドラえもんのエンディングという話について、
個人的な意見を述べようと思う。

藤子不二雄先生はドラえもんを完結させなかったので、
赤の他人が勝手にドラえもんのエンディングを作った。

その中でも比較的有名なものは、
「ドラえもんがある日動かなくなり、
 のび太くんはドラえもんを直すために勉強して、
 科学者になって最後にドラえもんを直す。」
というもの。

これは最悪だ。

最低最悪の人間が作った駄作中の駄作だ。
藤子不二雄先生のような優しい方が、
ドラえもんが動かなくなるなどという悲しいストーリーを描くわけがない。

それに時代も合わない。
ドラえもんは22世紀から来ている。
のび太くんの時代は20世紀末。
どう考えても科学技術レベルで100年の差を埋められるわけがない。
(科学技術レベルの差をのび太くんの勉強で埋められる理屈はなく、
 のび太くんがドラえもんを直せないという事。)

ついでに言ってしまうと、
ドラえもんが仮に故障したとしても、
四次元ポケット内の道具は使用可能だし、
22世紀の未来にはドラミちゃんとセワシくんがいるので、
どうとでもなってしまうはずだ。

ドラミちゃんは「虫の知らせアラーム」という道具を持っていて、
これによりピンチがあった場合に知る事が出来るようにもなっている。
(のび太の魔界大冒険の時にドラミちゃんが使用している。)

他にもストーリーの辻褄が合わない事はある。
のび太くんは大人になった時、
「環境保護局の自然調査員」(アニメ時)
という職業についている。
おそらく名前からして公務員。

単行本の中で出てくる未来ののび太くんでも、
会社員になっている事は描かれている。

この時点で立場が完全に違うものだし、
映画:ドラミちゃんミニドラSOS!の時では、
ジャイアン、スネ夫を含めた大人の彼らが出てくる。

その時に、のび太くんは、
「ドラえもんは僕が子供の頃に一緒にいて、
 色々な不思議な道具で沢山の冒険をした。」
と笑顔でいつものメンバーと一緒に語っている。

このシーンから察するに、
「ドラえもんとはどこかのタイミングでお別れをしたが、
 それは決して悲しい別れではなかった。」
と考えられる。

店主はこの腐ったエンディングを作った人が非常に気に入らない。
この身勝手なエンディングはドラえもんの良さと、
藤子不二雄の優しさの両方を踏みにじるものだと思っている。

最も、これはただの同人話なのでどうでもいいと言えばどうでもいい。
ただ、世の中にはこれが公式だと勘違いする人もいるので困ったものだ。
間違っても信じないように。

ドラえもんにはエンディングは無い。
それは藤子不二雄先生が天国で書いているものだ。
いつか自分が死んだら見せてもらおうと思っている。


藤子不二雄の優しさと天才さ

画像6

藤子不二雄の色々なる気遣いと優しさは、
色々なところにも出ている。

 "1293"

という数字がある事を知っているだろうか。
ドラえもん好きには常識と言ってもいい数字だ。

ドラえもんは
西暦2112年9月3日生まれ
身長:129.3センチ
体重:129.3キロ
胸囲:129.3センチ
馬力:129.3馬力
頭囲?:129.3センチ
ネズミを見た時に飛び上がる高さ:129.3センチ
ネズミを見た時に逃げる速度:時速129.3キロ


これを常識だと言う奴は間違いなくドラえもんマニアだ。
この129.3という数字は、
ドラえもんを最初に描かれた時の小学四年生の平均身長の数字だ。
(ドラえもんはのび太くんが小学四年生と小学五年生の2つの設定がある。)

どうしてそれを採用したか。
それは、藤子不二雄先生が、
「ドラえもんは子供達を見下ろしてはならない。」
という心遣いから。

また、
ドラえもんショーをやる際も、
この129.3が影響している事があった。

着ぐるみがどうしても130センチを超えてしまう事から、
藤子不二雄先生の一声で、
一度ドラえもんショーを中止した事まであるという。

そんな所にまで心遣いの出来る方が、
先程の勝手に作られたエンディングのように、
ドラえもんが動かなくなるという話は描かないだろう。
全国の子供達を泣かせてしまうような話を考えるわけがない。
(ストーリーの途中でちょっぴり故障する話は別。)

とにかくドラえもんという作品は、
子供の夢と藤子不二雄先生の優しさ、
そして藤子不二雄先生のイタズラ心に溢れている作品なのだ。

そんな藤子不二雄先生は、

「普通でない生き方(普通以上)を望むのなら、
 まずは普通でありなさい。」

という言葉も遺している。

世の中には
「普通じゃない俺かっこいい。」
「人と違う事やってる私かっこいい。」
と考えている馬鹿が掃いて捨てる程いる。

そういう人の99%以上は、
そういう事を考えているかっこ悪い自分に気づいていない。
たいていこういう事を考えている人は物事が長続きもしない。

よく「レールを敷かれた人生」なんて言葉でも形容されるように、
生き方とは言い換えれば「道」である。

「道というものは、礼に始まり、礼に終わる。」

という言葉もある。

基礎を固め、知識を深め、経験し、応用する。
そういった事はどんな道であろうとも同じだ。

それを基礎も出来ていない内から、
奇手奇策に走ろうとする輩はどこにでもいる。

MTGでもそうだ。
基礎が固まらない内から
「人と違う事をやりたい。」
と思うのは大きく間違っている。

そんな人が強くなる事はまず無い。
「礼を重んじる姿勢、基礎を大切にする心、
 知識を深める向学心、経験を応用に変える試行錯誤。」

これら全てが備わってから、やっと普通以上になれるのだ。

この
「礼を重んじる姿勢、基礎を大切にする心、
 知識を深める向学心、経験を応用に変える試行錯誤。」
というものはまさに、
物事全てにおける王道だ。

王道という単語もまた「道」という字が使われている。

こういう王道を嫌う馬鹿は、
道から外れる。
道から外れると書いたら何かは簡単だ。
「外道」
である。

礼を放棄し、基礎をないがしろにし、
知識を得ようとせず、経験を無駄にする。
そんな者はたしかに普通ではない。

普通未満だ。

また、道に非ずと書いて「非道」である。
漢字とは非常に良く出来ている。
王道を行かずして成功など無い。

藤子不二雄先生はそれを
「普通でない生き方(普通以上)を望むのなら、
 まずは普通でありなさい。」
という、こんなにもシンプルな言葉で表現出来る。

作家というものは、
「自分の知識と経験以上の事を描く事は出来ない。」
と言われている。

沢山の「普通」を積み重ねた
方だからこそ、
ドラえもんという名作が生まれたのだろう。
まさに天才と呼べる方だと思っている。

と、ここまで書いてきたが、
ドラえもんを語っているのか、
藤子不二雄先生を語っているのかわからなくなってしまうほど、
ごっちゃになって書いてしまった。

少なくとも店主が、
相当なドラえもん好きで、
藤子不二雄先生を尊敬している事は伝わっただろうか。
子供の頃から大切な事を沢山教えてもらった本、
そのうちの1つは絶対にドラえもんだ。
ドラえもんが無かったら今の自分は無かった。
確実にそう言える存在だと思う。

これだけ書いてもまだ書き足りない。
ドラえもんを語らせたら多分一晩でも語る。
ジャイアンだけでもnote記事1本余裕だ。
だが、今日はこのくらいにしておいてやろう!

ではまた。


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