someとanyの違い&使い分けをわかりやすく【コミュニケーションから考えよう】
「someは肯定文で、anyは否定文と疑問文で」はウソだった!?
この記事は、someとanyの違い&使い分け、教え方をわかりやすく解説。
なお今回は「いくつかの・いくらかの」という意味で用いられる形容詞の”some / any”に限定。
「someは肯定文、anyは否定文・疑問文」のウソ
この説明、英語学習者なら誰もが一度は聞いたことがあると思います。
つまり、
で、結論から言うと、これはウソです。
なぜかというと、特に疑問文において、これでは説明できないケースがたくさん出てくるからです。
ちなみに、正しい”some/any”の使い分けを理解すると、上の3つの文ですら絶対正解とは言えないことがわかるでしょう。
さて、ここでのポイントは疑問文です。
“some”を疑問文で使う文は、中学生レベルの教科書にもたくさん出てきます。
これらの表現は、疑問文なのに”some”を使う表現です。
この時点で「”some”は肯定文で使い、”any”は否定文・疑問文で使う」という説明が破綻します。
「これらが例外なだけなのでは?」
「重箱の隅をつついているだけでは?」
という疑問も浮かぶかもしれませんが、そうではありません。
先の例で言うと、”Do you have some pens?”という疑問文だって、場面によってはあり得るということを、後ほど説明します。
しかし、anyを疑問文で使う場合も確かに存在します。
例えば話の終わりなどで「質問はありますか」とたずねる、
という表現。
この場合はanyを使うことが多いでしょう。(場面によっては Do you have some questions?もあり得ます)
つまり、疑問文の中で”some”と”any”を使い分ける必要があるということです。
では、”some”と”any”の使い分けは一体なんなのでしょうか?
some=ある前提 any=ない前提 or ないかも
私が授業でいつも説明するのは、これです。
つまり、
✔︎ あることを知っている場合はsomeを
✔︎ ないと知っている、ないかもしれない、あるかわからない場合はanyを
それぞれ使います。
someを使う文をもう一度見ていくと…
これらは、本・コーヒー・水が「ある」ということを知っている、つまり「ある」ということを前提とした文だとわかります。
一方で、anyの文をもう一度見ていくと
これらは、ペンが「ない」前提、質問が「ないかもしれない」「あるかわからない」場合の文であるとわかるわけです。
ちなみに『現代英文法講義』という英文法の名著には以下のように説明されています。
この記述からもわかるように、someは「ある前提」anyは「ない前提」もしくは「ないかも」という説明は妥当だといえそうです。
なぜ「疑問文はanyを使う」というルールが出てきたのか?
それは「たずねる」という場面において、「あるかわからないからたずねるんでしょ」と勝手に思われているからです。
けれども「ある前提」で相手に質問することって、そんなに少ないのでしょうか?
Do you have “some” pens? はあり得るか
最後に“Do you have some pens?”はあり得るか?
という問いから「ある前提」の疑問文について考えてみたいと思います。
私は常日頃から「場面設定」が大事だと言い続けているのですが…
今回も大事なのは「場面設定」です。
つまり「あなたはペンを持っていますか?」と、どんな場面でたずねるの?ということを、考えて欲しいのです。
で、この質問をする時って、例えば以下の場面が考えられませんか?
この場面では、友達の筆箱にたくさんペンが入っていることを知っているわけなので、
Do you have some pens?
という、疑問文だって十分あり得るわけです。
逆に言うと、
この場合は、相手が書くものを持っているか確証はないので、
Do you have anything to write with?
というanyを使った表現の方が自然だと考えられます。
余談になりますが、こんなドリルの問題がよくあります。
こういう問題を見ると、声を大にして言いたい。
こんなもん場面がわからないと答えようがない!と。
・someは「ある前提」
・anyは「ない前提」「ないかも」
この原則を理解した上で、ではどんな場面で使われるんだろう?という問いを持つことが大切です。
文法指導・ドリル・テストの問題作成についても、コミュニケーションや場面を意識しましょう。
そうすることで、より実践的で使える英語力を育むことができるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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