母親が宗教にハマり、家庭がむちゃくちゃになった話。

私が自分の母親を毒親と呼ぶのにはわけがある。本来、母親はたぶん悪い人ではない。父親みたいに短気で自分勝手ではないし、暴言を吐いたりもしない。

しかし、ずっと母親を許せず、毒親だなと思ってしまう。
母は結婚して東京に来た。友達も知り合いもいない場所に。そしてしばらくして兄が生まれる。社宅で周りの人と助け合って育児を乗り切っていたらしいが、実家は遠く、隣に住んでる人がしょっちゅうお母さんに育児を手伝いにきてもらっているのも見てうらやましかったと言っていた。
母はきっときっと辛かったんだ。父は仕事ばかりしていて、休日も自分の部屋に籠もって自分の好きなことをして、遊んでもらった記憶なんてない。たった数回オムツを変えただけで、大人になってからも、「誰がオムツを替えてやっていたと思う!」と一生免罪符としてくるくらいだ。
そんな時に母は出会ってしまったんだろう。
宗教の集まりに行けば同じように子育てしている人がいて、子育て経験者もいる。
いつもふらっといけば必ずだれかしらいて、話しができる。
母はのめり込んでいった。自分の信仰が正しいと疑わなかった。
もちろん自分の子供たちにもそれを押し付けた。

小さい時から意味もわからない、呪文みたいな言葉の羅列を覚えさせられ、正座をさせられ、休日には友達が家族で買い物や公園などにいっている中、子供には退屈すぎてどうしようもない集会に参加させられ、何時間も話を聞く。
月曜日、学校のみんなが休みに家族で何した、どこにいったと聞くのが本当に嫌だった。
そして自分がなにをしていたかを言うのも嫌だったのでなんとなく話を合わせる日々が何年も続いた。
家族旅行も連れて行ってもらったのは一回くらいで、その他の休みは本山というところに一泊でいくというのが家族旅行の様になっていた。

平日は母が毎日宗教で帰りが遅く、小学校低学年の時から鍵を渡され、他の兄弟が帰ってくるまで家に一人で怖くて、寂しかった。
学童に通っている子が羨ましかった。
夕飯は毎日9時頃にやっと完成するので寝るのは11時過ぎだった。

そんななので学校での私の出来はほとほとわるく、母は「なんでこんなに勉強ができないの!」っといってヒステリーにテストの度になんども泣いた。小学生の時から定期的に、発作的に死にたくなり、母に相談するけど毎回、お祈りしてあげる!でなんでも解決しようとするので母には相談しなくなった。

うちはお金がないと言われ、高校も公立一本。
孫の誕生日にはお金がないからという理由で何も買わない、祝の会にも手ぶらでくるのに、宗教の講座に何十万もかけて通うのだ…。

これを書いている今、タイミングよくチャイムがなり、宗教の勧誘がきた。
「子育てのはなし聞きたくない?」
あぁ、こうやって育児中の悩める母親たちを餌食にしているのかな。

私は自分の子供たちには絶対同じ思いをさせないと思っているので、丁重にお断りしてお帰り頂いた。


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