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スマブラ上達法から考える、効果的な英語学習法 ~スマブラ Advent Calendar 2023~


本記事は寝椅子さん主催の #スマブラAdventCalendar2023 の13日目の記事です。

前回の12日目の記事はこちら。
筆者はノルウェーに留学中何回かフィンランド遠征に行ったこともあり、フィンランドのスマブラシーンには思い入れが強いです。また、フィンランド滞在中はニーシャさんにはとてもお世話になりました。とても読みやすく面白い記事になっているので、ぜひ読んでみてくださいね。



はじめに

自己紹介

初めましての方は初めまして!エイゴスマッシュと申します。
エイゴスマッシュは、「自分で使ってみる」ことをテーマに、スマブラに関する英語表現をX(Twitter)、Noteにて紹介、解説しているアカウントです。

この活動の目的としては、他の発信者さまよりも英語学習にフォーカスした、教育的要素の強いコンテンツを発信することで、みなさんが

  • 自分でスマブラのコンテンツを英語で楽しめるようになる

  • 自分で海外のスマ勢と英語で交流できるようになる

  • 自分で英語で発信活動ができるようになる

ようになることを目指しています。
詳しくはエイゴスマッシュの第一本目の記事『エイゴスマッシュのトリセツ』を読んでいただけたらと思います。


本記事の概要と目的

さて、本記事では「スマブラの上達法」と「英語学習法」に共通点があるのではないかという仮説をもとに、2つの共通点、相違点の分析を行い、効果的な英語学習法を考察することを目的とします。
※この記事における「英語学習」とは、特に英会話の勉強を指すものとします。

筆者はこの一年スマブラプレイヤーとして活動する傍ら、エイゴスマッシュの活動を通じて英語学習について考えてきました。そこで「スマブラの上達法と英語学習法は似ているかもしれない」と感じ、本記事の執筆に至っています。

この記事を通して、英語を喋れるようになりたいと思っている方の役に立つだけでなく、そうでない方にも、英語とスマブラの共通点を考えることで英語学習に少しでも興味を持っていただけたらと思っています。また、2つの技術の上達法を抽象化、一般化することによって、英語やスマブラ以外のスキルの上達にも役立つのではないか、とも考えています。

参考にさせていただいた資料

今回はスマメイトレート2300超えの実力者にして、スマブラの理論を論理的に解説してくださっているアンダーウルフさまの動画を参考にさせていただいております。まずは動画を見ていただいた上でこの記事を読んでいただくと、より理解度が深まるかと思います!

今回参考にさせていただいた動画はこちら↓

【スマブラSP】初心者から上級者まで、最速で上手くなる上達法を、レート2200ウルフが解説します



スマブラ上達と英語学習の共通点


脳と指(口)の連動性を鍛える

この動画では、スマブラ初心者の一番の課題は「思ったことが思うようにできない」ことではないか、と推察されています。頭の中で思い描いた行動と
実際のプレイが乖離していたり、試合中になるといつもは考えられることが考えられなくなってしまう、という問題です。

実は、この問題は英会話において多くの人がぶつかりがちな最初の壁でもあると思っています。頭の中で文章は出来上がっているのにそれをうまく喋れなかったり、落ち着いて考えれば思いつく簡単なことでも実際の会話になると頭が真っ白になって何も言えなくなってしまう。そんな経験、みなさんもありませんか?

動画内でこの課題の解決方法として紹介されているのは「とにかく楽しんで思うままにスマブラをプレイすること」です。出したい行動を楽しみながら繰り返し、脳と指の動きを連動させることが必要であり、深く考え過ぎてしまうのはむしろ逆効果らしいです。

そして英会話においても同様に、「とにかく楽しんで思うままに英語を喋ってみる」ことが有効だと思っています。言いたいこと、思ったことをとりあえず言ってみる。最初は恥ずかしくて勇気が必要かもしれません。ただ、その恥ずかしさの分、必要な勇気の分、言いたいことがちゃんと伝わった時の喜びも大きくなりますよ。だんだんと英語を喋ることに慣れてくると、言いたいことがスッと言えるようになると思います。

この脳と口の連動性を鍛えることができたら、英会話は相当楽になると思います。なぜなら、みなさんが思っている以上にみなさんの文法の知識や語彙力はレベルが高いからです。日本の英語教育はバカになりません。小学校、中学校レベルの英語で一通りのことは言えてしまいます。ぜひまずは座学より実践、「とにかく喋ってみる」を意識してみてください!


基本コンボとバースト技を覚える

スマブラにある程度慣れて、メインキャラも決めた。その次のステップとして紹介されているのが「自キャラの基本コンボとバースト技を把握する」ことです。ダメージを稼ぎ、バースト技を当てて勝つこのゲームにおいて、自キャラの基本コンボとバースト技を整理する大切さは言うまでもないでしょう。

実はこの考え方も英語学習に役立つのです。「なぜスマブラにおいてコンボとバースト技を把握するのか?」を考えてみましょう。あえて抽象的に表現すると、「目的を達成するために必要な、場面ごとの必要度が高い行動を学ぶため」です。英語学習だと、必要度が高い表現を優先的に覚える、ということですね。こう言い換えると、英会話にも役立ちそうというのもピンとくるのではないでしょうか。

競技スマブラの試合における「目的」とは、相手のストックを全て奪うことであり、それを達成するために必要な行動がコンボやバースト技になります。

それでは、英会話における「目的」とはなんでしょうか?もちろん相手との意思疎通を図ることではあるのですが、それぞれのコミュニケーションの目的はまちまちでしょう。ここは英会話がスマブラと違う点だと思っていて、自分の(コミュニケーションの)「目的」は自分次第なのです。つまり、英語を勉強したい人はただ闇雲に勉強するより、「接客」「営業」「恋愛」など、「自分がどういうシチュエーションで英語を必要としているのか?」をまず整理してみてください。

逆に、それさえ整理できてしまえば自分が必要としている表現やフレーズは自ずと見えてくると思います。それぞれのシチュエーションごとに役に立つ表現やフレーズは調べれば豊富に見つかると思いますし、実践を通じて学んでいくことも可能だと思います。自分の「目的」に合った、使用頻度の高い表現やフレーズをマスターしていきましょう!


引き出しを増やす

この動画によると、中級者になると伸び悩みが起こりやすくなり、そしてその原因の大半は「引き出しが足りない」ことであるとされています。この「引き出し」とは、「再現性のあるプレイのパターンのようなもの」で、スマブラ上級者の行動のほとんどは引き出しから取り出されたパターンとのこと。

これも抽象化して考えてみると、基本的にはコンボやバースト技の話と同じです。基礎的なコンボやメインのバースト技ほど使用頻度は高くないかもしれませんが、引き出しも「目的を達成するために必要な、場面ごとの必要度が高い行動」です(考え方なども引き出しに含まれるかもしれません)。さまざまな状況に対応できるように引き出しを増やすべき、というのはスマブラにも英会話にも必要であることは理解しやすいかと思います。

では、どうやったら引き出しが増えるのでしょうか?動画では「観察学習」が最も手っ取り早いとされています。上手い人のプレイを見ることで技術を盗む、ということですね。その上で、「技の前後関係」を意識して上手い人の思考パターンを分析することが大事である、と解説されています。

英語学習においても、「ネイティブスピーカーが使った表現を真似する」というのは最も効果的な学習方法の一つです。これは、生の会話でももちろん良いですし、映画などのフィクションでも構いません。大事なのは、「文脈とともに学ぶこと」です。そして、文脈とは「事象と会話の前後関係」に他なりません。言語とは繊細なもので、単純な和訳、英訳では細かいニュアンスが失われてしまうことが多々あります。そこで表現を文脈とともに覚えることで、複雑なニュアンスまでも捉えることができるのです。これを繰り返していくと英語特有の表現方法や物事の捉え方が身について、だんだんと「英語脳」が出来上がってきます。「英語話者の思考パターン」と言い換えることもできそうですね。


結果が出なくても焦らない

そして、「引き出しを増やしたからといってすぐに結果が出るとは限らない」というのもスマブラと英語学習に共通しています。スマブラに関しては動画でも言及されていますが、英語学習でも同じです。

ある程度英語が喋れるようになってから学ぶような表現の引き出しは使用頻度が低かったり使える状況が限定的だったりするので、それを一つ覚えたところで生きる瞬間は多くないです。ただ、地道に引き出しを増やしていけばいつかは確実に上達を実感できると思うので、折れずにじっくりやっていきましょう!


スマブラ上達と英語学習の相違点

ここまでアンダーさまの動画に沿ってスマブラ上達法と英語学習法の共通点を見てきましたが、もちろん共通点ばかりではありません。ここからはスマブラと英語学習の相違点を考えてみましょう。

英会話は勝負ではない

当たり前ですが、英会話はスマブラと違い、勝負ではありません。よほど特殊な状況でない限り、「意思疎通」というお互いの目的が一致しているので、会話の相手はあなたを出し抜くどころか、助けてくれるはずです。これは「自分を倒されずに相手を倒す」という、お互いが相反する目的を持っているスマブラとは明確に違います。つまり、英会話においては間違っても全く問題なく、完璧を求めなくてもよいのです。

スマブラの試合のゴールは勝利であり、上には上がいるので高みを目指す理由が生まれやすいと思っています。しかし、英会話に関しては一定のレベルまで達してしまうと、完璧でなくてもコミュニケーションで困ることが少なくなっていきます。そういう意味で、「勝負ではない」という性質上、英会話では実践でそこまで気を張らなくてもいいし、ある程度できれば十分、くらいの心持ちでいいのかもしれません。

それでも、どうしても自分と他の人の英語力を比べてしまう、という人もいるかもしれません。ただ、英語に限らず言語はあくまで「手段」であり「目的」ではありません。その人の目的によってそれぞれ必要とする英語のレベルは違いますし、勉強に割ける時間も違います。求められる英語力の方向性も会話の種類によってまちまちで、例えば雑談と商談とでは必要な語彙や知識が全く違います(どちらのほうが難しいということではないです)。このように、そもそも人の英語力をフラットに比べるということは難しく、比べる意義もあまりないのでは、と思います。あくまで自分のペースで、自分に必要なことだけをやっていきましょう。

英会話はゲームではない

これも当たり前なのですが、英会話はスマブラと違い、ゲームではありません。ゲームというものは楽しんでもらうことを目的に作られているので、プレイすること自体に「楽しい」という強い動機が生まれると思っています。一方で、英会話は恥ずかしさや難しさなど、一歩踏みだすための精神的なハードルが高く、明確なモチベーションを見つけるのが少し難しいです。

もちろん英会話を楽しめることに越したことはないですが、スマブラをはじめとするゲームのように熱中できる人は少ないと思っています(逆に英語学習をゲームのように楽しめる人は大きなアドバンテージを持っていると思います)。故に、英語上達法を考える上で、「なぜ自分はこれをしたいのか」という問いかけモチベーション維持の工夫は、スマブラの上達法を考える時以上に必要になってくるのかなと思います。そのモチベーションは友達や恋人でもいいと思いますし、収入が上がる、といった金銭的動機でもいいと思います。旅行や留学なんかでもいいですね。その上でいかに楽しむかを考えて、継続できるようにしていきましょう!

ちなみにスマブラプレイヤーのみなさんには、英語学習の動機として「スマブラ」を考えてみるのはアリだと思っています。詳しくはこちらの記事をご覧ください!

まとめ

考察は以上となります。結論としては、少し抽象化すればスマブラの上達法と英語学習法には多くの共通点がある、と言えるのではないかと思います。結局、私たちの脳に物を覚えさせるという点においてはスマブラも英語も同じであり、それは他の技術にも同様のことがいえるのかもしれません。

それでは、最後に今回考察した英語学習法を今一度見ていきましょう。

  • 脳と口の連動性を鍛える
    →とにかく思うままに喋りたいことを喋ってみる!

  • 目的達成のために必要な、必要度の高い表現を覚える
    →自分の英語学習の目的を整理してみよう!

  • 引き出しを増やす
    →文脈を意識しながら、ネイティブの真似をしてみよう!

  • 結果が出なくても焦らない
    →地道にコツコツ続けていけばいつか実る!

  • 英会話は勝負ではない
    →間違っても大丈夫、自分のペースを忘れずに!

  • 英会話はゲームではない
    →英語学習のモチベーションを見つけて、楽しむ工夫をしてみよう!


おわりに

いかがでしたか?少し長くなってしまいましたが、今回はスマブラの上達方法から、効果的な英語学習法を考えました。今までにない面白い視点から英語学習法を考えられたと思います。今回の考察がみなさんの英語学習やほかの技術の上達に役立てたら嬉しいです!

ここからは宣伝となりますが、エイゴスマッシュではX(Twitter)でも活動しております。オフ大会などで使える表現などを動画でわかりやすく紹介しているので、よろしければフォローいただけると幸いです。


また、エイゴスマッシュは2024年1月開催のウメブラSP10にてブース出展をさせていただくことになりました。大会中に使える英語フレーズ集の配布やマンツーマンでのスマブラ英語レッスンなどを企画しておりますのでぜひお立ち寄りください!



さて、明日の#スマブラAdventCalendar2023 、14日目の記事はかめらてさんによるスコアボード制作についての記事です。全く知らない世界なのでとても楽しみです!こちらも合わせてご覧ください!


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