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100円くらいの板チョコの選び方

世の中には数多の板チョコが存在していますよね。

よくあるサイズ感でも100円前後のものから1000円、2000円を超えるようなものまであって、求められるシーンや特徴ごとにいくつかの価格帯に分かれます。
どのチョコレートも個性がありますが、たまに思う事があったんです。

「コンビニや小さいスーパーなどに置いている100円前後の板チョコはその場では違いがわかりにくい気がするけれど、皆何を基準に選んでいるんだろう。。。」

そのようなチョコというと明治やロッテ(ガーナ作ってるとこ)や森永などが思い浮かびますが、少なくとも私はそういうチョコを食べたい・使いたいシーンのほとんどでは、その風味やくちどけ等の違いがあまり気になりません。。。

しかし購買活動も選挙みたいなものなので(それは言い過ぎた)、よくわからないまま適当にではなく違いを知って選びたいところです。
ということで、風味やくちどけの違いが気にならないシーンでこのようなチョコを選ぶ時のために、各商品・各社の取り組みについて紹介しようと思います。
ほんの少しでもこれらの板チョコを買うときの参考になれば嬉しいです。

 

原料

各社の取り組みを見る前にまず、各板チョコレートの原料表示だけ確認しておきます。
森永はどちらかというとダースがメインな感じがするので、参考にダースについても書いておきます。

明治ミルク:砂糖、カカオマス、全粉乳、ココアバター/レシチン、香料、(一部に乳成分・大豆を含む)
明治ブラック:砂糖、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター/レシチン、香料、(一部に乳成分・大豆を含む)

ガーナミルク:砂糖、全粉乳、カカオマス、ココアバター、植物油脂/乳化剤(大豆由来)、香料
ガーナブラック:カカオマス、砂糖、植物油脂、ココアバター、全粉乳/乳化剤(大豆由来)、香料

森永ミルク:砂糖、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター、ホエイパウダー、バターオイル/乳化剤(大豆由来)、香料
ダースミルク:砂糖、ココアバター、全粉乳、カカオマス、植物油脂、脱脂粉乳、生クリーム、ヘーゼルナッツペースト、ホエイパウダー、バターオイル/乳化剤(大豆由来)、香料
ダースブラック:砂糖、カカオマス、植物油脂、ココアバター、バターオイル/乳化剤(大豆由来)、香料

明治ミルクのみ純チョコレートであること、ガーナブラックのカカオマス含有量が比較的多いこと、ダースミルクのヘーゼルナッツペーストの利用くらいが気になるポイントかなあと思います。

カカオ豆の調達に関する活動

【明治】
メイジカカオサポートとして、デモンストレーション用の農園経営や勉強会の開催や苗木の配布などを行っています。
これを通してトレーサブルカカオの拡大を目標に掲げていますが2018年度の使用量は、チョコレート使用計画量未達を理由に、前年度比で10%下がっています。
また2026年度までに全てのカカオ豆を農家支援した地域の豆にする目標も立てているようです。
他団体との協働については、世界カカオ財団(WCF)という持続可能なカカオ経済の発展を目指す組織に加入しているほか、西アフリカ諸国の農家の所得向上に取り組むCocoa Livelihoods Program(CLP)へ資金協力もしています。
ミルクチョコレートの売り上げの一部は国連UNHCR協会への寄付されるようです。

【ロッテ】
調達するカカオ豆のうちフェアカカオを2023年度までに20%以上、2028年度までに50%以上にすることを目標としていて、2017,18年度の割合はそれぞれ8.6%と7.9%でした。

【森永】
バレンタイン前の約1か月間、1チョコfor1スマイルと称してチョコレートの売り上げ個数×1円を、プラン・インターナショナル・ジャパンやACEに寄付しています。
また、明治と同じく世界カカオ財団(WCF)に加入しています。

これらの取り組みの違いは、カカオ豆調達の考え方だけでなくチョコレート事業の規模や会社内での立ち位置の違いも影響しているとも思います。

環境

【明治】
森林の保護と回復を促進することを目的としたCocoa&Forest Initiative(CFI)に参加していて、ブラジルでは森林回復の側面も持つアグロフォレストリーという方法でカカオ生産を行い、その豆を使ったチョコレートを販売しています。
CO2削減と脱フロン、廃棄物の削減などや、水リスクへの対応についても取り組んでいるようです。

【ロッテ】
売上高あたりのCO2排出量を2013年度比で2023年度までに13%以上、2028年度までに26%以上削減することを目標に掲げ、2017,18年度では2.1%と3.0%削減しました。
原料受け入れから納品までの食品ロスは、2017年度比で2023年度までに25%、2028年度までに50%以上削減する目標に掲げています。(ただ2018年度は前年より食品ロスが増えていました。)
他にはフードバンクに自社製品の寄贈を行い、廃棄物のリサイクルも推進しています。

【森永】
低炭素社会や循環型社会の実現に向けた目標を発表していて、工場からのCO2発生量を2005年度比で2020年度までに15%削減を目指して2018年度には17.9%削減し、工場部門の廃棄物削減や廃棄物リサイクルに取り組んでいます。

食育

【明治】
HP内には食と文化、食品科学、健康などに関するコラムが充実した食育のページがあり、出前授業なども行っているようです。

【ロッテ】
食との関わりにまつわる内容の掲示、工場見学や出前授業を行っています。

【森永】
年齢層に合わせて様々な食育の取り組みをしています。
乳幼児の栄養相談、小中学生には色々な体験プログラムの実施とキッザニアへの協力、出前授業や栄養講座、大人に対しても料理講習会や栄養教室を開催しています。

食育は多くの体験を提供している森永の特徴的な要素な気がしたので紹介しました。明治のHPでは子供向けに学びや実験の種になるようなものが沢山あり、カカオ生産についても紹介されています。

 

選択材料のひとつに

ここまでで、100円前後のぱっと見では違いのわかりにくい(気がした)板チョコを作る主な3社の取り組みの一部を紹介しました。
チョコレート自体の特徴だけで選びにくいよという時がもしあれば、このような作り手の取り組みなどが選択材料のひとつとして役立つとうれしいです。

ちょっと迷った時、売り場の棚に並ぶチョコレートの向こう側を覗いてみてはいかがでしょう?

沢山勉強して面白いお話をお届けします! 気になることがあれば何でも言ってくださいね!