「有田屋千三郎」第4話(全23話)

シーン4A 制作会社

制作会社の扉が開き、岩田が笑顔で入ってくる。

熊谷
「お、うまくいきましたね!」

岩田
「いやー参ったよ。完全なる人違いだったみたいで」

熊谷
「え?」

岩田
「いやびっくりした、本当に。そんな話あるのかって。」

熊谷
「それは大惨事でしたね、、、プレゼン費がっぽりとりましょうね」

岩田
「熊谷くん、話は最後まで聞くもんだよ。僕はね、その間違いからチャンスをつかんだんだ!」

熊谷
「どうゆうことですか?繋がらない気が」

シーン4B 重厚な会議室

大きな会議室にたくさんの人が座っている。
クライアント側に沢山の社員がいるが、中心人物である上田(40)が中央に座り会議を仕切っている。対する提案側は電白堂の社員松岡(33)を中心に、スーツ姿の一員が並んで座っている。提案をしているのは松岡。提案側の末席に岩田も座っている。

上田(クライアント)
「最高ですね!この企画!めちゃくちゃ笑えます!!」

松岡(電白堂) 
「ありがとうございます。ではこの企画で行きましょう!成果出ますよ、きっと」

岩田、突然話始める。驚く一同。慌てる松岡。

岩田
「あの、すいません。いいタイミングですので、僕の自己紹介させていただいてもよろしいでしょうか」

上田、怪訝な顔をして端に座る岩田を見る

松岡
「そろそろ時間ですので割愛ということで、へへへ」

上田
「電白堂の社員さんではないんですか?」

岩田
「どうゆうことです?この度は大役、本当にありがとうございます!!時間がないようですので、プロフィールシートだけお配りさせていただきますね!」

クライアント側にプロフィールシートを配る岩田

しばらくの沈黙


*****


上田
「すいません、監督はどちらに?」

岩田
「こちらに」

上田
「どこに?」

岩田
「ここに」

上田
「あなた助監督さんかなんかですかね?」

岩田
「いや監督ですけど?」

上田
「すいません、お名前は?」

岩田
「いや、岩田あきらですけど?」


シーン4C 制作会社


熊谷
「えええっ!修羅場じゃないですか!?」

岩田
「確かに一瞬大修羅場の雰囲気になったよ。正直言えばめちゃくちゃたじろいだし、泣きそうになった。」

熊谷
「僕なら逆ギレしますね。それでどうなったんですか?」

岩田
「企画がウケたって事実が、僕に勇気をくれたんだ」

熊谷
「はあ、つまり?」


シーン4D 重厚な会議室

岩田
 「皆さん、落ち着いてください!!人違いなのはわかりました。わかりましたけど、でもそれって関係ありますか?この企画が最高なら、何も問題ないじゃないですか!僕が三流なのは認めます。ただ誰よりも考えてこの企画を作ったんだ!皆さん、この企画最高っておっしゃいましたよね!だったらお願いします、信じてついて来てください!!」

シーン4E 制作会社

熊谷
「すごい、かっこいい!」

岩田
 「そしたら相手のお偉いさんが、話が早い人でね。確かにそうだなって。これで行こうってなったんだよ。先にプレゼンしておいてよかったよ」

熊谷
「うわー、初めて見ました、シタウケンドリーム」

岩田
「何それ」

熊谷
 「今勝手に作りました」

第5話に続く

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