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『パリ テキサス』

ロードムービー③

『パリ テキサス』(1984)をみた。
きっかけは、藤原伊織の小説『遊戯』だった。ここに『パリ テキサス』が出てくる。それで、見てみたくなっていた。
ネット内でのビリヤードゲームをやっている本間は、そこで「パリテキサス」というアカウントネームの女性と出会った。それで、本間が「IDはヴェンダース?」と聞くと相手の女性がびっくりする。あの映画を知っている人に会ったのは初めて。しかも監督の名前まで、と。本間は「切ない映画だった」と答える。
「去っていった妻とのマジックミラー越しの会話が強い印象を残した」とある。
本間は、その女性と会うことになって。物語は始まっていくのだけど、藤原伊織の『遊戯』については別の話。
因みに。この『遊戯』が藤原伊織の遺作になってしまった。未完のまま。

さて。映画『パリ テキサス』(’84)
テキサスを一人彷徨っていて、弟が迎えに出向いて、弟の家で実の息子に出会い、息子との距離を近づけようとする辺りまでと、それから、息子と一緒に去っていった妻に会いに行ってから、までの、二つの流れがあるのだが、マジックミラー越しの会話のシーンは、もちろん後半に出てくる。その妻の役がナスターシャキンスキー。
テキサスを彷徨う男は、ハリーディーンスタントン。

正直なところ、長い。いささか、かったるい。DVDでは。
込み入ったストーリー展開があるわけじゃない。サスペンスでもない。もちろん、アクションシーンもない。
これは、やっぱり映画館のスクリーンで観るべき映画だと思った。
ただ、『パリテキサス』のパリは、テキサス州のパリスという小さな町のこと。『パリス テキサス』でも良かったと思う。が。

ハリーディーンスタントン。
この方、2017年9月に91歳で亡くなっている。
1956年に小さな役で映画デビューしてから、ずっと端役ばかりだったのだが、この映画で堂々の主役。1926年生まれだから、この時54歳。・・には見えなかった。
というか。この方は、私には歳とってからの印象が強い。『マイフレンドメモリー』(’98)、それから『ストレートストーリー』(’99)と『グリーンマイル』(’99)。あと、
『エイリアン』(’79)にも出ていた。
『ストレートストーリー』で、ハリーディーンは、ラストの方にチョコッと出てくるだけだったのだけど。私の好きな映画(ロードムービー)の一つなのだ。ラストシーンが、良かった!

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