NON CI RESTA CHE IL CRIMINE / わしら中年犯罪団(2020年10月17日劇場公開)
『イタリア娯楽映画の進行形◎エドアルド・レオ特集上映』で上映される4本の内の最新作。
イタリア人の顔は大体濃いのですが、その中でもエドアルド・レオは特濃。
その特濃顔が堪能できるイタリア娯楽映画。ローマに実在したマリアーナ団というギャングのボス役で大活躍。
この3人の中年が、1982年のローマにタイムトラベル。1982年といえばW杯スペイン大会で、イタリアが優勝した年。当然2018年からやって来た中年犯罪団は試合結果を知っているわけで、闇サッカー賭博で一儲けを企てようとする、ヨーロッパ企画が考えそうなプロット。
イタリアの枯れ男達のドタバタ劇です。2018年と1982年のシチュエーションギャップでちょいちょい笑わせてくれます。
中年トリオの内、1人がギャングのボスの彼女といい仲になりそうだったりと、予想できる範囲の展開とちょっとしたひねりの効いたクライムストーリーが小気味良い映画。
イタリアっぽいなと思ったのが、マリアーナ団の隠し金庫がサン・アポッリナーレ教会(実在します)という設定。こういうのはイタリア映画にしか出来ない妙味。
イタリア語タイトル”NON CI RESTA CHE IL CRIMINE"は「クライム(犯罪)しかない」という意味。英語タイトルは”ALL YOU NEED IS CRIME" 。今回の特集上映を企画した京都ドーナッツクラブ代表の野村雅夫さんの説明によるとこのタイトルはロベルト・ベニーニがマッシモ・トロイージと共演した「泣くしかない」へのオマージュ。
そして、特報としては本作の続編が2020年10月29日イタリアで公開されるそうでそのタイトルは”RITORNO AL CRIMINE"(バック・トゥ・ザ・クライム)。
その予告編で、今度はギャング団が色々やらかしてるのがわかります。
こういうスカッとする娯楽映画という切り口で、現在進行形のイタリア映画を捉え直す絶好の機会です。
『黄金の一味』『ブォンジョルノ・パパ』『俺たちとジュリア』
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