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GLI UOMINI D'ORO / 黄金の一味(2020年10月16日劇場公開)

『イタリア娯楽映画の進行形◎エドアルド・レオ特集上映』日本未公開の本作が なら国際映画祭2020 で先行上映されました。

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元々、イタリアの犯罪小説はGIALLO(ジャッロ)と呼ばれています。本作は1996年に実際にあった現金強奪事件をモデルにしています。関連書物のブルーノ・ガンバロッタ著・「黄金の一味の衝撃」。この本の装丁もジャッロ(黄色)。

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本作は2000年に公開された映画、"Qui non è il paradiso" (原題:ここはパラダイスなんかじゃない)を原案としているようです。

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映画が3章に分けられているのは一般的ですが、人物の行動に焦点が当てられています。同じ事柄が別人物視点で語られるいわゆる「羅生門」アプローチ。

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第1章プレイボーイ:ジャンパオロ・モレッリ演じるルイージ・メローニ。ナポリ出身のプレイボーイが「コスタリカに行く」為に犯罪を企てます。

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第2章ハンター:ファビオ・デ・ルイージが癖のある同僚のアルヴィーゼ・ザーゴ役。狩猟が趣味の良き夫、良き父であろうとする典型的な小市民キャラかと思いきや裏社会との関わりのある狂言回し。ストーリーが大きくうねります。

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第3章ウルフ:我らがエドアルド・レオはウルフというニックネームのチンピラ役。大きく展開した第2章の解決編です。エドアルドがスクリーンに登場すると何かが起こるという予感が的中します。そういう俳優です。

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他にもジャン・マルコ・トニャッツィの通称ブティックの登場シーンが映画的見せ場。濃い男たちの映画です。

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当然、女達も出てきます。男達の愚行の裏には必ず彼女達の存在があります。

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セリエA、警察、郵便事情など1996年当時のイタリア・トリノの世情を交えながら未解決事件の真相究明というより、人間行動の愚かさをシニカルに見つめるイタリア娯楽映画です。

わしら中年犯罪団』『ブォンジョルノ・パパ』『俺たちとジュリア



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