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コーヒーのお供に聴きたいジャズ名演5選

今やカフェ、居酒屋、はたまたラーメン屋まで、ジャズは日常の様々なシーンでBGMとして使用されています。懐の広いこの音楽は、流れている空間にそっと彩りを添えて、なんだか素敵な気分にさせてくれる、不思議な力がありますよね。

そんな中で、私が特にジャズと合うと思うのが、「お酒」「コーヒー」。先ほど「BGM」と言ったとおり、お店で流れている時は、文字通りバックグラウンドミュージックとして後方支援に回りがちですが、今回は「コーヒー」のお供に、「ジャズ」を主役の一人として聴いてみることをご提案します。たぶん、コーヒーもジャズも今までとは違った味わいを楽しめると思いますよ。

さて、コーヒーの準備はできましたか?それではお好きな曲からお楽しみください!


1.Desafinado / Stan Getz & Joao Gilberto

まず、何といってもこのスタン・ゲッツは外せません。独特の奏法によって吹かれるクールで柔らかい音色は、だれにも真似することができません。本演奏はボサノヴァ音楽に興味を示したゲッツが、ブラジルの歌手ジョアン・ジルベルトと共演したもの。レコーディングでは、ボサノヴァ独特のニュアンスをなかなか掴めないゲッツに対して、ジョアンが苛立ちを見せる等、あまり良いムードではなかったそうですが、出来上がった音楽はとにかく素晴らしい。ゲッツのソロは1分55秒頃からスタートします。


2.Just friends / Grant Green

グラント・グリーンは黒人のギター奏者。彼自身のプレイはどちらかというとブルージーで真夜中の香りがしますが、この演奏ではウィントン・ケリーのリズミカルなピアノによって、渋さと明るさが共存した何とも言えない雰囲気となっています。雨の日の午後や夕方に無性に聴きたくなる一曲です。


3.L-O-V-E / Nat King Cole

ナット・キング・コールの歌声には、優しさ、大らかさ、安心感のすべてが詰まっています。彼の声は、聴く人を温かい気持ちにさせる力があって、寒い日に温かいコーヒーを飲んだ時の安心感に似ているのかもしれません。


4.Joy Spring / Clifford Brown & Max Roach

25歳の時に不慮の自動車事故で亡くなった、天才トランペッター、クリフォード・ブラウン。完璧な楽器コントロールで、流れるように歌われるアドリブソロは、見事としか言いようがありません。もちろん曲や演奏者によって、ジャズは様々なテンポで演奏されますが、この曲はメンバー、アドリブ、テンポのバランスが最高!聴きながら、いつも自然と足踏みしちゃってます。深煎り、浅煎り、どんなコーヒーにも合う一曲。


5.Imagination / Art Pepper

白人アルトサックス奏者、アート・ペッパー。ドラッグに溺れ、カムバックを繰り返すという壮絶な人生とは裏腹に、彼のサックスの音色はどこまでも美しく、それでいてどこか悲しさを含んでいます。
この時代のジャズは、東海岸の黒人ミュージシャンを中心とした「イーストコースト・ジャズ」、西海岸の白人ミュージシャン中心をした「ウエストコーストジャズ」に区分されますが、ここでは、白人のアートペッパーが黒人ミュージシャンのオールスターと共演します。共演して分かったのは、アートペッパーは洗練された白人的な音色を持ちながら、イーストコーストの黒人的な演奏感覚も持ち合わせているということ。アルバムのタイトル通り、まさに「Meets Rhythm Section」した結果、素晴らしい演奏が生まれました。


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