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#6 第二文型

今回は、「第二文型」です。
第二文型は、あまり英語学習者の疑問がたくさん出るところではないように思います。

しかし、そんな一見"簡単そう"なところほど見落としが多いものです。

というわけで、
理解できてるよという人が多いことが承知で、
初心者の知識から確認していきます。


第二文型SVC

まずは、第二文型を作る動詞から確認しましょう。

復習になりますが、
第二文型を作る動詞は「自動詞」と「他動詞」のどちらでしょう?

「自動詞」でしたね。

目的語がいらない動詞が「自動詞」
目的語がいる動詞が「他動詞」です。

ここで「え?」となった方は、#3(文型の外観)をご覧くださいね。

話を続けます。
自動詞をさらに「完全自動詞」と「不完全自動詞」に分けられます。

「完全自動詞」は第一文型を取れる動詞のことで、
"完全"という字の通り、最低限主語と動詞だけあれば文を作ることができます。

さて、一方で「不完全自動詞」が第二文型を構成する動詞となるわけです。

なぜ「不完全自動詞」と呼ぶのかというと、
「完全自動詞」のように主語と動詞だけでは文が作れないからです。

第二文型では、ご存知の通り、
主語・動詞・補語が必要になります。

つまり、別な言い方をすれば、
第二文型を取る動詞は「自動詞として機能が不完全な動詞であり、その不完全さを補語で補っている」となります。

簡単な例で言えば、
This is a pen.
He became a doctor.
I am happy.
のような文が第二文型になります。

さて、さらに「補語」についても復習しておきましょう。
「補語」を取ることができる品詞はなんでしたか?

「補語」は、「名詞」「代名詞」「形容詞」がなれます。

ここがイマイチという方は次の章に入る前に、
#3(文型の概観)の記事で復習してください!

上記の例でも、
penやdoctorの「名詞」と、happyという「形容詞」が、
「補語」になってますね。

まとめると、
第二文型を取る動詞のあとには、
「補語」つまり「名詞」「代名詞」「形容詞」がくるということです。

第二文型の原則的な意味

「文型というのは、同じ形のパターンを取る動詞で分けてある型であり、それらの動詞は「同じような意味」になることが多い」#2の記事でお伝えしましたね。

第二文型においては、すべての動詞が「イコール(=)」になります。つまり、S=Cの関係がなりたつということです。

それもそのはず、
第二文型における「補語」というのは、
主語は「何か」「どういう状態か」などを説明するもので「主格補語」と呼ばれます。

He became a doctor. なら、
He=a doctor.
「彼=医者(になる)」
➡︎「彼は医者になった。」になります。

主語を補語が説明しており、
さらにイコールの関係が見えると思います。

今後解説していくことになるSVOと見比べると分かりやすいです。SVOでは、S≠Oです。
I play soccer. 
「私=サッカー」ではありませんね。
つまり「私≠サッカー」なので、SVCではないとわかるわけです。

さらに、いくつかのSVCの例を挙げてみましょう。

The letter lay unopened.
He was running scared.
Your idea holds good in many cases.
Tele working proved an advantage during coronavirus pandemic.

第二文型の中でも少しマイナー?な動詞で練習します。

先ほどのルールに則ってみれば、難しくはありません。
単純に=(イコール)で結んでみましょう。

・The letter lay unopened.
The letter = unopened.
「手紙=un-opened(開かれて-いない)」
➡︎「手紙は開かれていなかった。」

cf. layはlieの過去形です。
cf. 接頭辞"un"は、「否定」を表すことが多いです。
 例) unusual(un-usual→通常-でない=異常な) 等

・He was running scared.
He = scared
「彼=怖がっている」
➡︎「彼は怖がっている。」

・Your idea holds good in many cases.
Your idea = good in many cases.
「あなたの考え=良い + (多くの状況で)」
➡︎「あなたの考えは多くの状況において適用できる(良い)。」

・Teleworking proved an advantage during Coronavirus Pandemic.
Teleworking = an advantage during Coronavirus Pandemic.
「テレワーク=利点[便利] + (コロナのパンデミック中に)」
➡︎「テレワークはコロナのパンデミック中に便利だとわかった。」

さて、ここまでで理解のチェックをしてきました。
次は、英文読解や英会話での扱いについて紹介します。

読解や英会話 におけるSVCの扱い

読解や英会話において、SVCをみるときに、
S=Cだけでは、意味として漏れがでてきます。

それを補うコツをシェアしたいと思います。

=(イコール)部分をbe動詞に置き換えてしまいます。
その後に、lookなら「見える」と考えます。

S be C「SはCである。」+動詞の意味

He looks young.
彼 is young+ 「見える」

のような感じですね。
翻訳家でない限り、頭の働かせ方だけをマスターして、
「訳」自体はある程度無視でも構いません。

大学受験においても、「訳のクオリティ」よりも「意味を取れているのか」というところに重点を置かれていると言われていますので、ひとまずこのように処理しておきましょう。

では、この考え方をマスターするために、
SVCをとる動詞をある程度覚えてしまいましょう。

まず、be動詞が中心です。なので 「S is C」は頭に置きながら読んでいきます。そして、その後に意味を付け加えていきます。

覚えるのが一見難しいと思われるかもしれませんが、
案外覚え始めると簡単に覚えられます。
一度覚えてみてください!

加えて、例文等を調べるのも大切です。
今回はあえて例文をつけないでおきます。
調べる癖もつけましょうね!

慣れてきたら、このような頭の使い方をしなくても構いません。
スラスラと読んで、自分なりの解釈に落とし込んでください!


【発展知識】擬似補語SVC

ここまでは、「英語ができる人」なら知っているし、使えると言える知識だったことでしょう。
ここからは、少しハイレベルなことを勉強します。
(基礎だけを固めたい方はこれより先には進まなくて大丈夫です!)

まずは、今回学習する例文から見ていきましょう。

He died young.
(彼は若くして死にました。)

さて、これは通常、補語を取らない「(第一文型で使われる)完全自動詞」が、不完全自動詞として特別に使われている表現です。

このとき、補語はもちろん「名詞」か「形容詞」になります。

これは、ベースの「完全自動詞」の"意味"に付け加えて、
補語として働いています。つまり、「S=Cは成り立っているけれど、=の動詞にも意味がある」という格好です。

先ほどの例に当てはめれば、
dieは完全自動詞で、それだけで文を作ることができます。なので、He died. だけでも、文として意味は通りますね。さらに、この文に、特別な使い方をする補語youngをつけくわえることで、情報が加わり、より明確に表現できるのです。
というわけで、「彼は"若くして"死んだ。」という意味になります。

そろそろ今回の特別な使い方をする動詞の補語の名前をご紹介しましょう。

「"擬似"補語」です。

通常の使い方とは違う補語なので、「擬似」という言葉が前についています。

この「擬似補語」を使うことで、
SVCの表現の幅がぐっと広がります。

どんどん例を見て、使い方をマスターしましょう。

He came home sad.
「彼は悲しんで帰宅した。」

これは先ほどの復習ですね。
He came home.で完結しています。
これにsadを付け加えて、情報をより明確にしています。

She was born rich and died poor.
(彼女は生まれたときは金持ちだったが、死んだときは貧しかった。)

この文も擬似補語を使っています。
be bornが「生まれる」という一つの動詞のかたまりとして考えて、richがこのかたまりに対する補語になっていて、主語であるSheを説明しています。

以上、例を挙げながら解説してみました。
ある程度「構文的要素」があります。

自分で作る、使う、というよりは、
「使われているのを見破る」といったように学習する方が良いでしょう。

実際に使う際にも、
出会ったものを丸々使うことをお勧めします。

というわけで、お分かりいただけましたでしょうか?
ここからは、さらに個人的な考察に入ります。
(考察なので、文献等はありません。正しさや正確性はひとまず無視して、ひとりの英語学習者の擬似補語に対する考え方を面白がってみていただけると幸いです。)

この"擬似"補語は、(すでに多くの学者が研究しているとは思いますが)
補語なんかではなく、単純に「副詞」に転用されているのでは?というものです。

まず例として、

We arrived safe.
We arrived safely.
「我々は安全に着いた。」

の違いはほとんどないのでは?と思うわけです。

They smiled happy.
They smiled happily.
「彼らは幸せそうに微笑んだ。」

なども同じです。

副詞のhappilyを単純化・転用し
happyを代わりに使っている。ということです。
 
今は、多かれ少なかれ、ニュアンスの違いはあることでしょう。ただ、それは後から得たニュアンスで、はじめにこの表現を使い始めたときは、副詞がめんどくさい(副詞は形容詞よりも単語が長いことが多い)から形容詞を使うといったように使っていたのではないでしょうか?

形容詞が副詞に転用されることはよくあります。

You'd better think different.
(考えを変えないといけないよ)
Can you speak slow?
(ゆっくり話してくれる?)

注:これらの形容詞は、主語と形容詞がイコールの関係になっていないため、「擬似補語」ではありません。

これらの形容詞は、
differentlyやslowlyと副詞にしないといけないはずです。

ただ、ネイティブたちはよくこのような文を平然と使います。

とはいうものの、このように使ってしまうのも当然でいえば当然です。

なぜなら、前提として「形容詞と副詞の意味を両方持つ単語」が存在するからです。

rightなどが典型です。

a. The doors on the right side will open.
(右側の扉が開きます。)
b. Turn right at the supermarket.
(スーパーで右に曲がってね。)

aは、形容詞で、
b.は、副詞です。

さらにもう一つ、fastも同様です。

a. You have a fast car.
b. You drive too fast.

こちらも、
aは、形容詞で、
b.は、副詞です。

この「形容詞と副詞の意味を両方持つ単語」があるために、ネイティブは、
その使い方と混同しているのか、はたまた形容詞と副詞という品詞を全く気にしていないのか、或いはその両方でしょう。

さて、話を戻します。

つまるところ、
今回の「擬似補語」も所詮は、「副詞」として使っている「形容詞」の転用ではないか?ということです。

ネイティブは、文型から外れているものは、
一括りで「副詞」として考えているのではないでしょうか?

答えは、分かりません。
きっとネイティブたちによっても様々でしょう。

今度、調査し、またnoteで共有します。

ところで、そもそも、この問題は第五文型を学習する日本人英語学習者における「穴」でもあるわけです。このような、型から外れた形容詞や名詞がきた場合、納得できる説明がしづらいのです。

他の国で英語を学習する場合は、五文型だけでなく、
七文型や九文型等様々で、この使い方を一つの文型として教える教科書も世界を見渡せばたくさんあります。

ただ、考えてみれば、「文型」はあくまでも文を理解する上での便利ツールなわけですよね。
ならば、それが便利ではなくなった瞬間、その考え方(五文型)を一旦脇に置いてもよいのではないでしょうか?

そうすると、これも一つの文の型として考えることができるし、変な疑問を持たずに前へ進めます。

SVCを元のルールとして納得できているように、「そういうもの」で片付ければ良いわけです。


最後に

さて、今回は「第二文型」について解説しました。
それに加えて、大切な考え方として、『「ツール」は便利な時に使い、使えなくなったら、別の手札を出す』というのもご紹介しました。

まだ文型の解説は終わっていませんが、
あまり形に固執せず"上手く"文型を使いこなしてくださいね!

次回は、「第二文型」の動詞の使い方についてもう少し例などを交えながら見てみたいと思います。

乞うご期待ください。

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