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転職エージェントと不動産屋の共通点を発見した話~活用には注意が必要!~

私は一般に医療専門職と呼ばれる仕事をしている。

過去に2度転職を経験し、今の職場は3つ目の職場。勤めて8年目。産休・育休を経て1年前に職場復帰し、子育てとフルタイム勤務を何とか両立し、毎日慌ただしく過ごしていた。

医療専門職は転職が多い。大体の人が最初に勤めた病院を3~5年で去ることが多い。石の上にも3年だからなのか、まあ仕事にも慣れて、中途半端でやめてきたと思われない経験年数となるとそのくらいの時期なんだろう。

しかし、年齢が30代中盤になってくると転職はなかなか厳しくなってくる、と言われている。

なぜか?それは、各施設・病院の配属部署において、すでにそこに勤務している管理職(主任・科長・部長)クラスの人達と年齢が近くなってしまい、給与の設定や人間関係の難しさなどから、雇用側が避ける傾向がある、と言われている。

とはいえ、私の周りでも30代で転職してきた人はたくさん見てきたので、結局は雇用側の考え方と、その時欲しい人材のタイミングによるのでは?と思っているのも事実。

転職については、子供がもう少し大きくなってフルタイムが難しくなったら考えよう~くらいに思っていた私に、つい最近、急な勤務体系及び給与体系の見直しが発表された。まさに青天の霹靂。

「今の給与を維持するためには、通常業務のほかに指導教育業務・役員や係の仕事を行い、時間外勤務・土曜・祝日勤務も応じれるようにして下さい」

ざっくりいうとこんな感じ。これ、認可保育園に子供を預けて働くママにはかなり厳しい。大体祝日は保育園がやっていないので、私の住んでいる地域では休日保育をしている限られた数の保育園に利用申し込みしたうえで、利用できるかどうかは毎月抽選になってしまう。

「親・兄弟を頼れば?」と職場の担当者は言うけれど、このコロナ禍で離れて住む高齢の両親や仕事を持っている親族に、マスクもつけられない、いつ感染源になってもおかしくない年齢の子供を預かって!とお願いできる家庭がどれくらいあるんだよ~。と、(実際は丁寧な口調で)言ってみたら、「でも、これはママに優しい働き方改革だから!時短で働いて、子供との時間を作ることもできるんだよ。」との返事。

おいおいおいおい、これからお金のかかる2歳児抱えて、主人は今コロナでダメージを受けている業界で勤務してて、給料大幅カットで時短勤務という選択肢ができるわけないだろうが!!!!!

と、心の中で悪態をつき、私は転職エージェント・転職アドバイザーと言われる人たちのいるサイトにお世話になることを決めたのでした。

ちょうど1年前に同年代・同職種で転職した友人がいたので、アドバイスをもらうと「転職サイトの会社と担当者によって相性・話の進め方が全然違うから2~3か所に申し込んで同時進行で進めるべき」とのこと。

そこで私もA社・B社にとりあえずエントリー(面談申し込み)をしてみた。

結果。

A社の担当者は経験年数・勤務希望地・現在の年収と「子供がいて残業や通勤時間に制限がある」ことを伝えると、即座に「うん、それなら今はそこにいた方がいいですね!その条件の求人はなかなか出ないので、もしもいい求人が出たらお知らせします!」とあっさり終了。えー?!そんなもん?

続いてB社。こちらは仕事ができそうな丁寧な話し方の男性が担当。まず、希望条件や今までの実務経験などを聞くための面接時間が長い。丁寧でいいのだけど、勤務後に自宅で面接を受けていたので、子供がそのうちに一人遊びに飽きだし、1時間のところでこちらから強制終了。日を改めて2回目の面談になったんだけどなんだかテンションが前回と違う。今度はこちらからの質問がメインになっていき、ある程度話したところで、今求人が少ない時期であること、希望の地域で転職した際の給料の相場は今より低くなる可能性が高いことを聞かされ…「でも、今ひとついい条件のところがあるんですよ!」と切り出された勤務地は、うちから電車で30分+バスで10分(私が出した条件とまるで違うやんけ)、保育室がついていて子育て世帯に優しい(保育園は今のところから変えたくないって言ったよね?)、年齢・性別問わず今すぐ面接・勤務可能、なにより給料が相場より高いです(今よりは低いけど)!とのこと。

ん?あの丁寧なカウンセリングはどこ行った?

しかも、その勤務地は業界内では有名な「お局様」がいて働きづらく、辞めていくスタッフが多いというところ。知らないとでも思ったか。この業界は狭いんだぞ。

素直にそのことを伝え、ここはちょっと…と渋ると、(来ましたよ!ここからですよ!)担当者はあの言葉を出してきたのです。

「転職はご縁ですから、今ある求人がいつでもあるとは限りません。この求人は給料が相場より高く、今すぐでも来てほしいと希望があり、こんな求人はめったにありません。」

「エイさんのご年齢なら、他の場所ですと管理職との年齢差の問題や、子育て中で勤務時間に制限があるなどの点から、先方に断られるケースも出てくると思います。これを逃したら、次の良い求人が現れる保証はありません。」

んんん?これ、不動産屋の手口と一緒だよね?最初にがっかり物件を見せ、今物件が少ない時期で…、そして売りたい(契約を取りたい)物件を見せて、早くしないと他の人が決めてしまいますよ!他の人からも問い合わせが入っていますよ!などと煽って決めさせようとする。

一気に私の中の不信感スイッチがONになり「いえ、それでも今回は見送りたいと思います」と話すと「面接=就職ではありません、面接を受けてみるだけでも勉強になることはたくさんあると思いますよ」の一押し。

きたー!!!これはもう間違いない。これはアウトだ。「わかりました、でも当初の条件とはかなり異なる部分が多いので、夫と相談してからお返事します」と話を終わらせて、私は電話を切った。

「面接=就職ではありません、受けてみるだけでも…」の一言で、完全に馬脚を露わした。この業界は狭いのだ。受けてみるだけ…で受けに行ったら、あっという間に私が就活をしていること、転職活動をしていることが今の職場にも知れ渡るだろう。ないない!ありえなさすぎる。この業界を知っていて、私の立場になって転職を考えてくれている人の発言ではない。

そう、そういう事です。その後調べてみましたが「転職エージェントにはノルマや目標があり、転職が成立することで報酬が発生するビジネスモデルをとっているので、転職が成立してもらわない困る」。まぁそうですよね。

私が関わってもらったB社の場合は、1回目の面接後に詳細なアンケートがあったんですよね。私はそういうのこまめに答える方なんですが、なにせ途中でこちらから話を切ってしまったので、アンケートの最後の方の設問「いくつ転職先を紹介してもらいましたか?」「希望に合う求人はそのうちいくつでしたか?」などに答えることができず、未回答になってしまった。それが、二回目の電話で担当者がトーンダウンしてた理由じゃないかな、と。おそらくはあのアンケートが何らかの社内評価につながるんじゃないかな、と…これは想像ですけど。

そして、紹介してくれた求人はよっぽど人を急募していて、優先度が高い求人だったんでしょうね。ひょっとしたらその分、成功報酬も高めに設定されていたのかもしれません。

私の話にちょいちょい出てくる某ラジオの悩み相談コーナーでも、就活でエンタメ業界を希望していたが求人がなく、エンタメ業界に入るための下積みとして営業職を就活アドバイザーに勧められ就職したが、ブラック企業で心がすり減り、これが本当に自分の望む職業への架け橋になるのか疑問に感じてきた…といった内容の相談がありましたが、これも同じような事情に基づいているんじゃないかな、と。

ブラック企業で人が次々辞めて常に人員不足な会社、そこに一定数の人員を送り込まなきゃいけない就活支援会社が、うまいこと理由をこじつけて就職させた…そんな感じでしょうか。

就活・転職アドバイザーあるいはエージェントも仕事です。あなたの就活応援します!とコマーシャルでは言っていますが、本当に自分の希望する求人ばかりを紹介してくれるとは限りません。

結果的にマッチした就職・転職を達成させることが会社の利益になるのは確かなので、もちろんその方向で頑張ってくれる担当者もいると思いますが…友達や家族に相談するように、相手を信じきって委ねてしまうのではなく、うまく情報収集しながら、あくまでも自分の転職活動の主体は自分、という気持ちで利用できるといいですよね。

私は業界の給料の相場や今求人の多い業務内容、業界事情などもきけたので、とても為になりました。(給料相場はちょっと嘘が混じってました、実際より低めに言われていました)

で、その後の転職活動はどうなったかというと…

エージェントからはそれ以降連絡が来ることはありませんでした。笑

私は以前から気になっていた地域で評判のいい勤務地にダメもとで「求人ありませんか?」と自ら問い合わせました。結果、「公にはしていませんが、希望される方がいれば随時行っています!でも残念ながらお給料は低めなのでそれでよければ!」と率直なお返事をいただきました。

その続きは、またの機会に!


#就活体験記 #就活アドバイザー #エッセイ #ワーキングマザー

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