新人の頃にブラック企業で働いた呪いは、仕事人生にのちのち響いてくるよ、という話。
私は医療専門職、リハビリというジャンルの仕事をしてもう20年近い。私が新人の頃のリハビリ職は、今思えばかなりブラックだった。
今もその頃にブラックな教育を受けた、ブラックの残党がトップになっている組織も多く、そういうところは見た目ホワイトでも、いざというときにブラックが顔を出してくるので、油断できない。(皆、気をつけて)
そもそも、リハビリ職は資格職ゆえに転職が多く、私も今の勤務地で3か所目だけれど、リハビリの人数がそれなりに多い病院というのはどこも大体同じ構図である。
“ベテラン役職者と新人~3年目しかいない”。中間層はいったいどこに消えているのか?
おそらくは①独立している②女性は出産・育児で一時仕事から離れている③若手の多い現場(病院に限らず)で役職者になっている、が多いのかな、と思っている。男性ならば、役職者になることが給料UPと雇用安定のためにも重要だしね。
教育の厳しい病院で長く働いていたので、ものすごい頭のいい人、仕事のできる人、人間関係の構築がうまい人、やりたいスタイルを貫く人、大変な仕事を避けることに長けている人…いろんな人を見てきた。
そのうえで、40代目前にして子供を持ち、今この仕事でのライフワークバランスをどう考えるべきか?と考えた時に直面した問題。それは、『ずっとブラックな土壌でやってきたから、うまく手を抜けない』こと。
そう、新人の頃は薄給でも「丁稚奉公扱い」で、半人前を勉強させてやってるんだから我慢して働けと言われて育ち、ものすごく仕事のできる人たちに、半人前も仕事できないのにもう帰るの?有給取るつもりなの?と責めらてきた10年間があると、勉強し続ける事や考え抜きベストを尽くすことが当たり前になっているのである。
元々残業月40時間ベースの仕事が、子供が生まれたからと言って、同じ場所でフルタイムで働く限り仕事量が急激に減る訳もないし、なんなら、中間層がどんどんやめて新人が入ってくるので、指導するのは自分たち経験者しかいないけど、一緒に指導する側の人ですらほとんどが経験年数10年以上離れているとなると(経験年数だけで実力は計れないものの)基本的にはキツイ状況になるのは目に見えている。
『残業→ママストレスたまる→子供もママと一緒に遊びたくてストレスたまる→お互いストレス増+イヤイヤ期+PMS(月経前症候群)=地獄絵図』
親友にこのことを話したら、『大体の場合、日本人は要求以上に働きすぎ』と言ってくれて心が軽くなったのだけれど、お給料に見合う働き方迷子な部分があるんだろうな、と。仕事ができる人とずっと仕事してきた分、ハードルがかなり高い状態でスタートしているし。でも、今働いている職場の方針を見る限り、若手を安く使って人件費を抑えたい、という思考が見て取れる雇用指針なので、人さえいれば別にその人のスキルはそんなに高く求められていないんだと思う。そんな方針のところで一生働くわけでもないのに、3年後には辞めていく新人を一生懸命育てることに毎年時間をかけるのはいかがなものか。
そして、リハビリ職に共通するのが、一般病院で勤務している限り給料のベースアップに関与するのは主に経験年数と管理職経験の有無くらいで、学会発表経験だとか、専門性の高い分野で働いてきたことが給与に直結することは少ないところが多いという事。(大学病院での研究実績や大学院で博士をとって教職に、という場合は別だけど。講演や勉強会をやって収入を得るとか。)
それらを加味して今ライフワークバランスを考えた時に、『今は細く長く、子供と家庭の為にも仕事は抑える』しか選択肢はない。子供は急に大きくならないし、我が家の場合、パートナーの働き方は大きく変えようがない。
ならば、変えられるのは自分の働き方だけ。なんなら気の持ちようだけだ!と、開き直って、今日も削れる仕事を考えて休日は終わりゆくのであった。
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