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今こそ、東洋史観的『軍略』に集う社会に(個人が輝いてこその会社、国家)

以前、ミッションメンタリング協会のプレ講座を受講頂いた書評家の方が、マーケティング戦略立案時に利用する、いわゆる『フレームワーク』に触れられた書籍について、論じていました。

MECE、ロジックツリー、SWOT、3C、5フォース等、MBA講座などで学ぶフレームワークは、汎用性が高く、その時に選択すべき戦略を立案することに対し、大きな力となります。

しかし、それらは、アメリカを中心にした欧米で考えられたもの。久しぶりに、それらフレームワークに触れた次の瞬間、私は、「今、学んでいる算命学、東洋史観的には、どうなんだろう?」と単純に疑問が湧いて来ました。

そこで、その疑問を解消すべく、前述協会の代表理事が師と仰ぐ、鴇田正春先生の以下著書に答えを求めました。

同著書の第二部『東洋史観の軍略「国家や企業の再生は軍略にある」』で、国や企業が進むべき方向性を考える上での上位概念として、『軍略』があることを述べています。

『軍略』について、上記第二部の第一章『軍略の構造を知る』の冒頭で、次のように記されています。

一般に、軍略といえば戦争の手段と考えられがちであるが、東洋史観の軍略は人間集団の大計を誤りなく次の時代へ誘導するために考え出された知恵のことである。軍略の根底には常に経済思考(損得勘定)があり、単に戦争に勝つことを論じているのではない。この点が、孫子の兵法とは大きく異なるところである。東洋史観では《軍略とは国家の進退、兵法とは軍隊の進退に関与するもの》としている。つまり、戦争に勝つ方法は兵法であって軍略ではない。十年後のために現在を敗者の中で過ごすのも軍略であり、表だけに限らず諸々の裏取引も軍略である。ある意味では軍略とは、「政治力」であるともいえる。歴史上、東洋史観が帝王学と呼ばれた由来は、武器を持たない軍略だからである。そして、どのような軍略が勝利を得るかといえば、時代と社会が味方した軍略である。

つまり、前述のフレームワークは、ビジネス上の兵法の一つであり、東洋史観では、企業においても、損得勘定といった経済思考だけではなく、その上に存在する『軍略』が存在して然るべきであるとされているのです。

したがって、世界各国のリーダーたちが、軍略を考え、軍略にしたがって行動するならば、現在起きているような戦争は発生し得ないと言えるかもしれません。

また、同著書では、軍略の目的を「高い次元で集団の安泰を維持すること」と述べています。

そして、その安泰を維持する上で大切なこととして、以下のように記しています。

ここで大事なことは、国民一人ひとりのエネルギーが完全に燃焼され活かされることである。それによって、全エネルギーが国家の中心に集まり、他国へ侵略しなくとも国が繁栄し、そこに経済が生み出されることである。この意味において、軍略とは、集団を形成しているすべての個(企業であれば社員)の全能力を引き出す方法である。ここに、兵法以前に軍略が必要であると論じているのである。

すなわち、軍略の目的である集団の安泰をもたらすのは、社員、国民といった、私たち個々人が、自分の持って生まれた才能や想念を最大限活かして、燃焼させ、自分らしく輝く状況が生み出されることにあり、国や企業のリーダーは、その状況が生まれやすくする為の環境づくりに邁進すべきであると言えます。

ここ数年、感染症のまん延や戦争による世界的な渾沌が発生している状況であると言えますが、そんな今だからこそ、私たち一人一人が、自分らしく輝くために前に進み、リーダーたちは、『軍略』という旗を掲げて、個人がその旗に集える場所を作っていくべきであると強く思います。

そのヒントになる記述が、私が所属するミッションメンタリング協会代表理事の著書に述べられていますので、是非、手にとって頂ければ幸いです。

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