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この夏子どもと読みたい本6選【幼児〜高学年】

こんにちは、絵本案内人の いとう です。

待ちに待った夏休みですね!

この夏は、ちょっと視野を広くしてくれる本を読んでみませんか。

幼児向け〜小学生以上向けの順に紹介します。読書感想文にもぴったりの1冊をあなたに。

(本のタイトルをクリックすると、公式サイトにジャンプします)

幼児〜小学校低学年向け

にんじんばたけのパピプペポ

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『にんじんばたけのパピプペポ』
作者:かこ さとし
出版社:偕成社
1973年11月初版1刷  2013年10月初版111刷 
2014年2月2版1刷 2020年4月2版5刷

『からすのパンやさん』など数多くの名作を生み出してきた かこさとしさんの絵本です。

もともとは、にんじん嫌いの子のための絵本だそうです。(あとがきより)

でも。

それだけじゃない、読み手によってたくさんの良さを読み取ることのできる深い絵本です。

なまけないで誰かのために働くこと、協力する良さ、子が親を思う気持ち、親が子を思う気持ち、本当の意味の平等とは、食育、いろんな価値が1つの物語の中にぎゅっと収められています。

そして、かこさんの優しい絵。ユーモア。読めば読むほど好きになる「スルメ本」です。

はじめてのキャンプ

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『はじめてのキャンプ』
作者:林 明子
出版社:福音館書店
1984年6月20日発行 2021年5月15日 第70刷

小さな女の子がちょっと大きな子に混じってキャンプに行くお話です。親と離れて友達と過ごす初めての夜。小さな心は大きく揺れ動き、そして成長します。

読者の小さなお友達は、主人公のなほちゃんと一緒にワクワクしたり不安になったりちょっとお姉さんになった気分になったりできるでしょう。

中を開けるとほとんど絵なので、見た目よりずっと読みやすいです。

余談ですが、私は林明子さんの描く子どもの絵が大好きです。子どもの愛らしさを表現することがとても上手だからです。

林明子さんでいくと、『おふろだいすき(松岡亨子 作 福音館書店)』もかなり推せます。余談でした。

ぼく どこからきたの?

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『ぼくどこからきたの?  あるがままの いのちのはなし。ごまかしない、さしえつき。』
作者:ピーター・メイル
訳:谷川俊太郎
出版社:河出書房新社
1974年10月30日 初版発行 

お子さんに「赤ちゃんってどこからきたの?」と聞かれてたじろいだ経験のある方も多いかもしれません。

そんな質問がきた時のための本です。男女の身体の違いや、子どもができるまでの過程を知識として易しく教えてくれます。

私の考えですが、性教育は早く始めた方がすんなりと子どもの中に入っていくと思っています。インターネットや上の兄弟・先輩などから間違った知識が入る前に、正しい知識を入れておきたいものです。

もう1冊、性教育分野でこの本もおすすめです。

おうち性教育はじめます

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『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』
著者:フクチマミ 村瀬幸浩
出版社:KADOKAWA
2020年3月3日 初版発行 2020年4月5日 再版発行

幼児から始める性教育の本です。段階を追ってどんな伝え方をするといいのか、参考になると思います。

また、字が読める子なら何気なく本棚に入れておけば、関心の高い分野ですから勝手に読むと思います。性教育のこの2冊は、幼児〜中学生まで幅広くおすすめします。

小学校中学年〜高学年向け

字のないはがき

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『字のないはがき』
原作:向田邦子
文:角田光代
絵:西加奈子
出版社:小学館
2019年5月27日 初版第1刷発行 2020年4月25日 第6刷発行

戦争という大波に流されざるを得ない家族の物語です。

原作は、向田邦子さんのエッセイ『眠る盃』に所収されていて、絵本に登場する「ちいさないもうと」は向田さんの一番下の妹・和子さんのこと。つまり、このお話は向田さんの体験談です。

疎開して親と離れた幼い子の気持ちを思うと胸が張り裂けそうです。さぞかしお父さんお母さんの腕の中にいたかったことでしょう。
疎開先で元気がない様子の我が子を思う親の気持ちを考えると、涙が出そうになります。戦争とは、むごいものです。

戦争という、体験したことのない悲しみを想像するのは、そう簡単ではありません。絵本ですが、高学年が読むとまた違った感想をもつだろうと思い推薦しました。

7年目のランドセル

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『7年目のランドセル ランドセルは海を越えて、アフガニスタンで始まる新学期』
写真・文:内堀タケシ
出版社:国土社
2020年6月10日 初版第1刷発行

日本に暮らしていると、戦争は歴史上の出来事のようですが、ご存知の通り世界各地ではいまだ戦争・紛争が絶えない地域もあります。

そんな遠い外国で、日本の子どもたちが使い終えたランドセルが活躍しています。私自身、その事実をこの本で初めて知り、とても驚きました。

激しい戦火をくぐり抜けながら、日本のランドセルを背負って通学する同世代に、お子さんは何を思うでしょうか。写真が多くすぐ読めます。高学年におすすめです。

「どうせ無理」と思っている君へ

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『「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた』
作者:植松 努
出版社:PHP研究所
2017年3月31日 第1版第1刷発行 2021年6月10日 第1版第13刷発行

以前からフェイスブックで気になっていた、植松さん。植松電機という小さな町工場の社長さんです。なんとこの会社、宇宙ロケットを開発されているんです。人工衛星だって作れます。社員たった20名の会社です。

宇宙ロケットという、壮大で夢のある事業に取り組んでいらっしゃるわけですが、特別な能力や学力は必要ない!とおっしゃいます。実際、植松電機さんは、学歴不問。高卒の人もいれば、小学校しか行っていない人もいるそうです。

子ども達が「どうせ自分なんて」とやる前から諦めた態度だと、支える大人としては悲しくなります。誰があなたをそんな風にしたの?と。

この本は、投げやりで自信の削がれた子どもたちへの応援本です。子どもが読む前提で書かれていますので、平易な言葉で分かりやすいです。小学校高学年〜中学生・高校生・大学生・夢を追いたいけど諦めている全部の人におすすめです。きっと植松さんに勇気をもらって、小さく一歩踏み出せるようになると思います。

この夏、皆さんはどんな本を手に取り、何を考えるのでしょうか。子ども達はどうでしょうか。

この夏の1冊に出会えますように。(おしまい)



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