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夢か現か幻か

最近、記事の更新が滞りがちだ。特に読書関連。言い訳だけど、絵本はそろそろ購買自粛モードに入り、本は老眼が進んで読むスピードが落ちた。おまけに以前に増して飽きっぽい。最初は面白がっていても、ひとたび単調に感じたらもうダメだ。チャンネルを切り替えるように、次の本に手が伸びる。その点、こちらの同人誌はとてもいい。ジャンルにしろ文体にしろ長さにしろ、意表を突く編纂により一向にねむくならない。どこかでお見かけした noterさん達が名を連ね、意外な発見があるのが楽しいし、「浪漫」が全編を貫いているのも心地よい。

この冒頭を飾る「春はバスに乗って」は螺鈿人形さん『女子大に散る』マガジンの第1話。

学バスに男性教員がポツンとひとり乗っておられると心から同情したものだが、かれこれ10年も女子校で過ごした私とて、あの車内に響き渡る甲高い声には一向に慣れなかった。式典の女声合唱然り。遊園地のようなキャンパス然り。小悪魔的で世渡り上手、苦労を知らないお嬢様方に至ってはどうにも鼻についてならず、愚かな高校選択を悔やみ続けた。

もちろん生涯の友に恵まれたりと良いこともあった。だが人生をやり直せるとしたら、迷わず高校からと断言できる。人生に選択のミスは付きものかもしれないが、この失敗だけはいまだ自分を許せない。もはやあの環境で過ごしたトラウマから解放されることはないと思っていたのだが…。

このシリーズを拝読していると、すべてが滑稽で現実と夢幻の境界線が曖昧に見えてくるから不思議だ。かのお嬢様方とこちとら庶民の違いがいったい何だというのだ。どちらも虫けらのような人生であることに変わりはないではないか。

生きるはかくも儚く可笑しきものなり。さすれば笑え。心ゆくまで。



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