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🎹奮闘記

ピアノ再開の2ヶ月後にコンサートホールでの発表会を控えていた。当時、私が自分勝手に練習していたのは、ショパン「ピアノ協奏曲1番」の2楽章とか、モーツァルトの「2台ピアノのためのソナタ」、ベートーベンのソナタ「悲愴」等、のだめ絡みの曲ばかり。「悲愴」は他の生徒さんの発表と被るので、急遽、中学3年の最後の発表会で弾いたバッハ「フランス組曲5番」を弾くことになった。初任給で買った電子ピアノでたまに指ならし程度に弾いたことはあっても、もう楽譜を離れていたので練習し直す必要があった。でも、若い頃に身につけたものは意外と覚えているもので、無事デビューを果たすことができた。

「案外、私イケるかも!?」 な〜んて幻想は、あっさり1年後に打ち砕かれた。同じホールでドビュッシーの「月の光」を含む「ベルガマスク組曲」を全曲通して弾いたのだが、いつもと異なるピアノの音色と舞台の雰囲気にのまれて、頭が真っ白になってしまった。幸い指は止まらずに動いてくれたが、自分がどんな演奏をしたのか全く覚えていない。

そもそもフランスものは初めてだった。曲風をイメージするレッスンは新鮮で楽しかったが、ミスタッチなく弾くことを目標としていた頃とは異なる異次元の指導に戸惑った。

「そこから水の中に潜って……そしてここで水中から飛び出す!」
「片足で立つイメージで!」

こちらは楽譜どおりに弾くのに精一杯で、イメージや音質にまで意識が向かない。先生曰く、水面下では足をバタバタさせて忙しくしていても、表面上は白鳥のように優雅に見せなければならないと。うーむ、ワタクシめにそれを要求なさるとは!

その点、この練習録音はダメ記録みたいなものなのだが、これも自分なのだから仕方がない。リストの「森のささやき」はこの数年後なので、少しは進歩したと思いたいけれど、はたしてそれもどうだか。

でもね、やってみたってことに十分満足しておりますデス☺️


🍂追記🍂
皆さま、たくさんのスキをありがとうございました🙇‍♀️

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