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まっちゃん、あっちゃん笑ってよ。

こんにちは、えほんスズキです。
オリエンタルラジオ中田さんのyoutube動画が炎上している。タイトルは「【松本人志氏への提言】審査員という権利」、ダウンタウン松本さんが審査員している番組、賞レースによってお笑いの幅・価値観が狭められている、審査員をいくつか辞めるべきだ、といった内容。

今回このnoteでその是非について書こうとはあまり思っていません。色んな考え方があるし、その提示の仕方も様々。ただ、このまま炎上がフェードアウトし、結果として「中田敦彦は生意気で力及ばず。一方、松本人志は当然権威であるべきで、その上優しかった。」と、なんとなく落ち着いてしまうのは嫌です。
僕は、この一連の騒動の理想的な終わり方を考えたい。中田さんも松本さんもどちらも好きだから。どちらかが損するのは見たくない。
ダウンタウンが作り上げたお笑いの価値観の上で生まれ育ち、その中でオリエンタルラジオの栄光と挫折、そして挑戦を見てきた。どちらにも影響を受けている。

このnoteは、自身における中田敦彦さん及び、松本人志さんの位置付けを再確認した後に、この一連の騒動の終わり方を自身に対して「提言」するものです。どうせ、ああだこうだ言うのであれば素敵な妄想を。

さて、下記より本編です。

まっちゃん

リアルタイムでキャリア初期を見ることが出来なかったものの、僕自身のお笑いの価値観は確かに松本さんの影響を多分に受けている。物心ついてから今日まで、常にダウタウンはお笑い界のど真ん中、トップを走っていた。
小学生の頃、図書館の司書をしている母に頼み、調べた限りの芸人さんの本を借りてもらった。その中の一冊が言わずと知れた芸人界の教典「遺書」であった。一文、忘れられない言葉がある。

おもしろいやつの三大条件 ネクラ・貧乏・女好き

両親ともに教師であり、貧乏ではない。その時点で条件を満たせていなかった。ただ、そんなことはどうでもよくて、当時のボクはとてもとても「ネクラ」だったから。それが自分の人生に影を落とす予感もあったから、嬉しかった。恥じていた自分の個性が初めて肯定された。それも、あの松本人志に。
遺書を読んでからというものの、松本さん追う毎日。中学生の頃、初めて「放送室」を布団の中でリアルタイムに聞いた。当時、同級生の中で、放送室はおろか深夜ラジオの話をしていた人なんていなかった。この星で1人、本当に面白いものをボクだけが知っている。そんな、誰もがした勘違い。
以降、より一層ダウンタウン、松本さんのコンテンツを見漁ることとなるのだが、松本さんのキャリア自体はルーラーとしての役割へと次第に移行していく。審査員、チェアマン、アンバサダー。松本さんの発言、スタンスは変わらずとも、世間の見る目、世間が松本さんに求めるものが変わっていく。ボクは自分の感覚ではなく、松本さんの感覚を優先するようになる。

僕はいわゆる松本信者になり、松本さんを権威と"した"のだ。


あっちゃん

多感な10代、自分がお笑い好きであると自覚し始めた頃。オリエンタルラジオに関しては、キャリアの最初から見ることができた。今どきの若者然とした風貌、キレのある動き、ハリのある声。何より、今まで見たことのない全身を投げ出すような勢いまかせのリズムネタ。とにかく華があった。好き嫌い関係なく目で追ってしまう。オリエンタルラジオの登場は劇的だった。
劇的だったと思うのには、理由がある。
ボクはオリラジが好きでは無かった。前述した通りの松本信者である。真っ直ぐリズムネタをされても笑えない、というか笑いたく無かった。それでも武勇伝のリズム、メロディ、いくつかのフレーズは今でも覚えている。それだけ印象的だった。今思い出すと、オリラジはその登場からして既にアンチダウタウン的な笑いで、暗くなく、暴力的でなく、ネタの中身・発想で勝負せず、明るく、楽しく、見せ方で勝負していた。西川やすしはダウンタウンの漫才を「チンピラの立ち話」と評した。まるで真逆だ。「インテリの大騒ぎ」が武勇伝、オリラジなのだから。
こうして華々しくデビューしたオリラジだが、その後の挫折はよく知られた話。デビューして間もなく始まったいくつもの冠番組は一年を待たずして全て終わる。そこから長い暗黒期を経ることとなる。しかし、そこからの逆転劇もまたよく知られた話で、高学歴を活かしたクイズ番組での活躍、チャラ男、しくじり先生、パーフェクトヒューマン。そして、中田さんの「youtube大学」である。
正直、youtube大学までは特に注目して見てはいなかった。最近また見るようになったなぐらい。ただ、youtube大学にくらった。勉強になるから、とかではない。勉強なんて嫌いなんだから。くらうにはくらうだけの理由がある。
たった1人、あるのはホワイトボード。スマホはあらゆるコンテンツと繋がっていて、少しでも退屈な時間があると見続けることは難しい。それでも、ボクは釘付けになった。ボクだけじゃない、500万人の登録者がその「インテリの大騒ぎ」、熱狂に魅了された。「勉強になるから」なんて理由で500万人も登録しない。中田敦彦の熱狂にくらったんだと思う。
「インテリの大騒ぎ」、矛盾だ。知性には静かなイメージがある。恵まれた知性を投げ捨てるような、そんなものに微塵も価値を感じていないような。中田さんの芸は自分を自分で否定し、塗り替えるものなんだろう。一方、松本さんは「チンピラの立ち話」。これまた矛盾である。チンピラにはうるさく稚拙なイメージがある。チンピラが暗く、発想的なもので自身を否定し塗り替える。
そう言った点において、中田さんと松本さんは似ていたのだと思う。自分を認めたくて、自分を否定する。そのフリ、オチ。
youtube大学で成功した中田さんは、以降、暗に松本さんを否定するようなコメントを自身のチャンネル、テレビで頻繁に語るようになる。当初、違和感があったものの、点と点が繋がる。
思えば、武勇伝からアンチダウタウンであった。「ダウンタウンと共演する」といった、それはそれで高い目標だが、中田さんはもっと野心的で「ダウンタウンを越える」ことを戦略的にキャリア初期から目指したのだろう。それは当然、ダウンタウンが嫌いといった浅はかな理由ではなくて、あまりにもダウタウン、松本人志が好きだから松本人志になろうとした結果だ。松本人志を刺さなければ、松本人志にはなれない。
冒頭で紹介した例の動画、見ていると心が苦しくなる。松本さんがかわいそうとか、中田さんに恥ずかしさを覚えるとかではない。好きなものをあえて否定しなければならない心の抵抗を感じた。息遣い、話すスピード、選んだ言葉。

きっと、最後の最後、刺し切る前に自覚した。
中田さんはきっと松本さんに認められたかった。


まっちゃん、あっちゃん笑ってよ。

理想的な終わり方、それは「中田さんが松本さんに認められる」ことだ。更に解像度を上げる。「中田さんが自身の芸を持って、笑いで認められる」、これだ。
上述した通り、中田さんの芸は「インテリとしての自分の知性を投げ捨て、大騒ぎする」ことだ。この芸を松本さんに見せるに当たって理想的な場とはどこか。ガキ使の「七変化」だ。「七変化」のルールはシンプル。"松本人志を含むガキ使メンバーの前でとにかく面白いことをする。"

さて、下記より中田敦彦の七変化。
純度100%の妄想である。

●オープニング

会議室。擬似会議をするガキ使メンバー、スタッフ、藤森慎吾。藤森をじっと見つめる浜田。

松本「あれ、藤森元気ないやん。」

藤森「、、、いやあ。」

浜田「どないしてん。」

藤森「、、、おれ、いていいんすかね。」

松本「なんでやねん。あっちゃんの相方やんか。」

藤森「だから嫌なんですよねえ。」

(一同笑う)

浜田「しゃあないやろ。七変化やりたい言うやんから。」

松本「あれやで、おれの方が嫌やからね。」

(一同笑う)

(会議室のドアが開き、スーツ姿の中田とスタッフらしき数人が入ってくる。スタッフらに指示を出す中田。声は小さめ。カメラ、マイク、中田の前にはオンラインサロンメンバーのモニター。)

中田「じゃあ、そろそろ始めようか。」

(会議室のホワイトボードをひっくり返す中田。)

方正「これあれやん。」

●第一変化「youtube大学」

中田「エクストリーム現代社会!ダウンタウンへーん!」

(一同笑う)

中田「結局、一番面白い!」

遠藤「あっちゃん、無理があるって。」

中田「近代お笑い史において最高のお笑いコンビ。誰かと聞かれたらあなたはなんと答える?オリラジ?ノンノンノン。オリラジもいいけどね、お笑いコンビじゃないから。デュオだから。」

藤森「デュオ?」

松本「キンキや。」

中田「そのキャリアの長さ、厚さ。革新性、後進への影響。人気。どれをとってもNo.1、そうダウンタウンだ!」

遠藤「あっちゃん、この前すごいこと言ってたんやで。」

方正「誰が信じんねん。」

中田「今回は、ダウンタウンがいかに最高のお笑いコンビであるか、説明していこうと思います。みなさん、信じてないでしょう。中田に語れるのかって。ダウタウンの凄さ語る資格があるのかって。炎上してたよねって、そうお思いでしょう。しかし!私は言いたい!ダウンタウン登場以降、後輩でここまで楯突いた奴いましたか?私が一番知ってるんですよ。ダウンタウンに刃向かうとどうなるのか、どれだけのファンと慕う後輩がいるのか。」

(一同笑う)

中田「だーれも中田に着いてこない。直属のチョコプラでさえ共演NG!しかし、私は言いたい!中田がダメなんじゃなくて、ダウンタウンが凄すぎるの!500万人もいるんだよ、youtubeの登録者。それが、着いて来ない来ない!それだけダウンタウンは圧倒的なんですよ。」

松本「悲しないんか。」

中田「更にですね、これ初めて言いますけども。カモン!(指を鳴らす)」

スタッフがガキ使メンバーの机にダウンタウン関連のDVD、書籍等を並べる。

中田「これ、全て私の私物です。」

浜田「気持ち悪っ。」

中田「そう、中田。ゴリゴリのダウンタウン信者でごさいます。見てください、「読め!」※まである。」※ダウンタウン浜田の最初で最後のエッセイ

浜田「(目を背けた後、藤森をビンタ)」

藤森「なんでっ⁈」

中田「遺書なんて3冊もある。」

松本「(照れて顔しわくちゃ)」

中田「読む用、貸す用、保存用とかでも無いです。全部、よーく読む用。」

方正「アホや。」

中田「みなさん、お分かり頂けましたでしょうか。私は極端なダウンタウン信者でありながら、越えようとした。これは神をも恐れぬ行為。神の本質を語るのであれば、当然神の信者でなければならない。ただし!それだけでは不十分だ。信者であるということは神のある一面を見ているに過ぎない。反対側にもう一面がある。何か。恐ろしさ、ですよ。これは歯向かわなければ、楯突かなければ体感できない。信者でありながら楯突いた人間のみがその神を語る権利を持つ。ダウンタウンにとってそれは誰か。この世界でただ1人、そう中田敦彦だ!」

浜田「何を言うてんねん。」

中田「さて、前置きが長くなりました。解説に入ります。ホワイトボードをご覧ください。ダウンタウンさんお二人のキャリアを誕生から今日に至るまで時系列に書いてあります。」
※ホワイトボードの一面にダウンタウンのキャリアのトピックスが2人の幼少期から時系列に並ぶ。

中田「ファンの方々は当然ご存知だと思いますが、お二人は兵庫県尼崎で生まれています。"え、大阪じゃないんだ。意外。"と思う人もいますよね。さらに"兵庫って神戸のある県でしょ。なんだか都会的〜。"と思ったあなた!勘違いです。」

松本「あっちゃん、もうええで。」

中田「尼崎は多くのエンタメがあるような垢抜けた都会ではなく、いわゆる工業都市。しかも、お二人が生まれたのは1960年代。今のように、環境問題への意識は薄く、多くの労働者は貧しかった。「尼崎」、ダウンタウンのお二人が生まれ、青春時代を過ごし、コンビ結成を決意した街。ダウンタウンのキャリアを紐解くには、この街が背負ったイメージがキーワードになる。そう、"汚く、貧しい"。」

(一同笑う)

浜田「おい!これいつまでやんねん。」

遠藤「あっちゃん、これ七変化やで。」

中田「落ち着いてください。悪口ではないんです。そんな出自からの漫画のような逆転劇、シンデレラストーリー。それがダウンタウンなんです。尼崎から説明しないとダウンタウンは語れないんですよ。だって、お二人も自覚あるでしょ。"汚く、貧しい"。」

松本「確かに当時の尼崎はそうやったかもしれんけど、あれやで。浜田はちゃうで。」

浜田「何がやねん。」

松本「群抜いて、"汚く、貧しい"やから。」

(一同笑う)

浜田「それ言うならあんたんとこもやろ!」

松本「うちは犬飼ってたんやから。汚くて、貧しくて、完全に死んだけどもやな。」

(一同笑う)

中田「いや、まあそれはいいんですけども、やっぱりその自覚はあっての反骨心なわけですから。そんな尼崎で生まれて出会ったのが小学生時代です。これが関西だなあと思うわけですけども、お二人とも同級生とお笑いコンビをくんでいるんですね。ただ別々のコンビであったと、、、。」

浜田「いや、もうだからええって!」

松本「あっちゃん、さすがに次行って。キリあらへん。」 

中田「えっ、ここから後4時間は話す予定ですよ。」

方正「尚更やわ。」

浜田「はい、退場〜!藤森連れてって。」

(藤森に連れて行かれる中田)

藤森「さあ、あっちゃん行こう。」

(立ち止まり、カメラを見る中田)

中田「続きはyoutubeでご覧下さい。ではまた!」

(退場していくオリラジ)


●第二変化「Perfect Human」

(会議室の外から「Perfect Human」の前奏が聞こえる。中田を除くRadio fishが会議室に入って来る。会議室の真ん中、松本人志の目の前、机に囲まれた空いたスペースで陣形をとる。 )

浜田「(目を逸らし、ニヤニヤ。)」

松本「(浜田の方を指差す。)」

藤森「♪彼は言った世界は必ずしもみんな平等とは限らない 彼は言った世の中には絶対勝者と敗者が存在する…

(中田が会議室にトボトボと入ってくる。)

藤森「♪時は来た彼こそ真の支配者 彼の前にひざまずくのは敗者 感謝の言葉彼に乱射 賢者 識者 かけろ拍車 民共崇める準備はいいか? 自分を高める運気欲しいか…」

(中田が陣形の最後方を位置取り、カメラに背を向ける。)

藤森「♪恐れるな おののくな吠えろ (hey)  声あげろ (ho) その血と魂を今ささげろ…」

(中田以外のRadio fishがしゃがむ。カメラは中田のアップ。振り返り首を傾ける。「I'm a perfect human」を言おうとして言えない。中田もしゃがむ。カメラが捕らえたのは、松本人志。)

松本「(真顔。アゴがしゃくれている。)」

藤森「♪na,ka,ta,nakata na,ka,ta,nakata na,ka,ta,nakata…

(中田、髪をかきあげる。苦悶の表情。首を傾けるが再び、「I'm a perfect human」を言えない。しゃがむ。カメラが捕えるのは、やはり松本人志。)

松本「(真顔。仁丹を取り出し舐める。)」

藤森「♪We live in Tokyo. na,ka,ta,nakata…

(中田、天を仰ぐ。サングラスを外し、会議室の外へと逃げる。中田を追う、Radio fishの面々。カメラは三たび、松本人志を捕らえた。サングラスを掛けている。カメラが更に松本の顔に寄る。)

松本「ウィ〜、リビ、ト〜キョ。


●第三変化「武勇伝」

(会議室の外から聞こえる"デンデンデンデデンデデンデンデン"。)

方正「あれや!武勇伝や!」

浜田「何を山ちゃんテンション上がっとんねん。」

松本「山ちゃん気にせんでええで。浜田も机こうしてたから(指で机をたたき、リズムを取る仕草)。」

方正「えっ、浜田さん!」

浜田「(目をそらし、苦笑い)」

("デンデン"言いながら会議室に入ってくるオリエンタルラジオ。ブレーク当時の恰好をトレース。二人ともボーダーの服。藤森は無軌道に髪を立て、眼鏡をかけている。そして、なんといっても中田。モヒカン頭に、アゴには付け髭。)

遠藤「剃ってる。。。」

方正「あの頃のあっちゃんや。。。!」

オリエンタルラジオ「デンデンデン!」

(ポーズを取り、静止するオリエンタルラジオ。中田は、両手を広げ、天を仰いでいる。)

中田「関西を敵に回してUSJに行ったのは、僕です!」

藤森「あっちゃん、カッコいい!」

オリエンタルラジオ「デン!(藤森前方へ、中田後方へ移動)」

藤森「オリエンタルラジオです!」

中田「お願いします!」

藤森「♪あっちゃん、いつもの言ったげて。

中田「♪OH!聞きたいか、おれの武勇伝。

藤森「♪そのすごい武勇伝を言ったげて。

中田「♪俺の伝説ベスト10!

藤森「レッツゴー!

中田「♪デビュー直後に冠持つ。

藤森「♪すごい、たった1年全て終わる。

オリエンタルラジオ「♪武勇伝、武勇伝、武勇デンデンデデンデン。レッツゴ―!

中田「♪ブレイクしても、M1挑戦。

藤森「♪すごい、10年やっても決勝出れず。

オリエンタルラジオ「♪武勇伝、武勇伝、武勇デンデンデデンデン。カッキーン!

藤森「すごいよぉ~。すごすぎるよ、あっちゃん!よし、ヒルナンデスに出よう。」

中田「よし。いいだろう。」

藤森「うわぁ、ここのパフェおいしそうだなぁ。あはは。(ワイプでのリアクションを形態模写)」

中田「(激しく頭を動かす。さながらボクシングのパンチを避けるような仕草。)」

藤森「あっちゃん、何してんだよ。ちゃんとワイプでも表情がわかるようにリアクション取らないとダメだろ?」

中田「しゃらくせー!!(藤森を殴る)」

藤森「(倒れる)」

中田「俺はワイプの画面に収まるような小さな男じゃないんだよ!」

藤森「、、、カッコいい~!!」

中田「カッキーン!」

中田「♪吉本いながら、大物批判。

藤森「♪すごい、藤森の立場は考えない。

オリエンタルラジオ「♪武勇伝、武勇伝、武勇デンデンデデンデン。レッツゴ―!

中田「♪吉本退社し、大物批判。

藤森「♪やばい、なんでおれの立場考えない!

オリエンタルラジオ「♪武勇伝、武勇伝、武勇デンデンデデンデン。カッキーン!

藤森「やばいよぉ~。やばすぎるよ、あっちゃん!よし、大物に謝って吉本に戻ろう。」

中田「よし。いいだろう。」

藤森「(松本の方を向く)ほんと、うちの相方がすいませんでした。若気の至りというには年いってますけれども、何とか許してもらえないでしょうか。」

松本「いやっ。なんやねん、いきなり。」

中田「(付け髭を取り、前髪を垂らす。"提言"した際の上着を羽織る。)」

藤森「あっちゃん、何してんだよ。もうこんなチャンスないんだぞ。」

中田「しゃらくせー!!(藤森を殴ろうとする)」

藤森「(避ける)」

中田「いや、ケンカできない芸人なんて惹かれないし、天下とれないんだよ!」

藤森「しゃらくせー!!!(中田を殴る)」

中田「(倒れる)」

藤森「ケンカが目的のケンカなんて誰が支持すんだ。そのケンカに勝ったとして、何をあっちゃんは提示できるんだよ。誰が喜ぶんだよ。さらけ出せよ、本当の中田敦彦見せてくれよ。あっちゃんだって、本当はケンカしたいわけじゃないだろ?引っ込みつかなくなっただけだろ⁉」

中田「(ゆっくり起き上がる)」

藤森「なんか言えよ、あっちゃん!中田敦彦!!」

中田「(天を仰ぎ見る)なぁ、慎吾。おれたち、、いや。おれだけか。どこで間違えちまったんだろうな。」

藤森「、、、あっちゃん。大丈夫、いけるよ。まだまだこれからだろ、俺たち。」

中田「慎吾、、、。すまねぇ。やり直させてくれ。」

(会議室を出ていく中田。その後を追う藤森。)

藤森「あっちゃん、、、。かっこいい。」

(きょとんとしたガキ使メンバ一同。浜田が苦笑いしながら松本の方を指さす。松本は腕を組み、眉間にしわを寄せ、目を閉じる。)

松本「、、、ペケポン。」


●第四変化「まっちゃん、はまちゃん笑ってよ。」

(先に一人で会議室に入ってくる藤森。神妙な面持ち。浜田があえて睨みつけるも、目を合わせない。席に着く。遅れて中田は、ギターだけ持ち登場。)

中田「(椅子に座り、ギターを弾き始める。)」

浜田「ギター弾けんの?(藤森の方を見る)」

藤森「練習したみたいです。」

中田「♪高校で初めて人を好きになったボクは~ とにかく彼女を笑顔にしたい一心で~ あらゆるお笑い番組を録画しては~ 慣れないトーク考えて彼女に話すんだ~ あれから25年~ 大人になった少年は~ 今こうしてガキ使に出ているねぇ~

浜田「これ、あれやん。あかんて。」

松本「劇団の七変化のやつやんか!」

(一同笑う)

中田「♪まっちゃん、はまちゃ~ん 笑ってくれますか~ 授業したり~ 武勇伝するしか~ できないけれど~ まっちゃん、はまちゃ~ん 笑ってくれますか~ ボクが笑わせてもらった~ 100分の1でいい~ まっちゃん、はまちゃ~ん 笑ってくれますか~ (間奏) ウォウオ~ まっちゃん、はまちゃん ボクの大好きな まっちゃん、はまちゃ~ん!(中田感涙、叫び)

(一同笑う)

中田「♪フー、うぉお~、行くぜーーー!

(松ちゃん、浜ちゃん苦笑い)

中田「♪まっちゃん、はまちゃ~ん 笑ってくれますか~ 授業したり~ 武勇伝するしか~ できないけれど~ まっちゃん、はまちゃ~ん 笑ってくれますか~ ボクが笑わせてもらった~ 100分の1でいいから~

まっちゃん、はまちゃん。大好きだよぉ~ 大好きだよぉ~

笑ってよぉ~、、、。」

(演奏の手を止める中田。しばらく会議室に沈黙が流れる。中田、感情が抑えられない。下を向きながら、涙を拭く。)

中田「(顔を上げる)ありがとうございました。」

(一同笑う)

松本「あっちゃん、何してんねん!!」

遠藤「まんま、劇団ひとりが昔七変化でやったやつやんか。」

中田「はい。、、、そうです。」

浜田「そうです、あらへんがな!(中田の頭をたたく)」

中田「(笑いながら)いや、僕も色々考えたんですよ。最後どうしようかなって。で、昔出演された芸人さんのも一応参考として見るわけじゃないですか。そしたら、あったんですもん。ひとりさんが全部言いたいこと、感情を歌ってたんですよ。」

浜田「だからって、まんまはあかんやろ。」

中田「もう変に変えない方がいいと思って。ちゃんと本人にも許可取りましたから。やっぱ、すごいですね。ひとりさん。才能あるんだな、あの人。」

浜田「何を偉そうにいっとんの、こいつ(藤森の方を向く)。」

藤森「(泣いてる)」

ガキ使一同「えええええええ!!!」

藤森「いや、おかしいな。でも、これは仕方ないっす。あっちゃんの全部が出てたんで。さらけ出してました。」

方正「だから、劇団ひとりの歌なんやって。」

松本「なんで、人の歌でさらけ出せんねん。」

浜田「(スタッフからのカンペに気づく)何?せいや?」

ガキ使メンバ&オリエンタルラジオ「(カメラの向こう、スタジオの端を見る)」

(暗がりから、「WOW WAR TONIGHT」PVの浜田の恰好をしたせいやが出てくる。号泣しており、顔面は涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。)

松本「せいや、なにしてんねん!」

せいや「いや、、、別室でモニタリングしてて。」

浜田「その恰好はどないしてん?」

せいや「あのう、、、。中田さんの七変化終わったら、ボクもドッキリで登場して「WOW WAR TONIGHT」歌って閉めましょうってなってたんすけど。。。」

浜田「で?」

せいや「、、、無理でしたぁ。。」

(一同笑う)

せいや「いやぁ、こんなはずや無かったんですけど。中田さんの歌が良すぎて。食らってまいました。」

方正「だから、なんで食らうねん。」

浜田「まあ、十分盛り上がったしええんちゃう?もう歌もええやろ。松本、中田、せいや。これでしまいやな。」

中田「松本さん、せいや。本当にすいませんでした。生き急ぎました。これからは仲良く、とまでは言えませんけど。謝罪を受け入れていただけるとありがたいです。」

松本「そもそも、おれはどっちゃでもええねん。噛みついても噛みつかんでも。まあ、今日のオリラジはおもろかったわ。」

(中田、藤森感極まる。)

松本「あ、せいや。中田は最後の最後で劇団ひとりの歌パクったわけやけども、そこはどう思う?」

せいや「えっ、はい。、、ウンコですねぇ。」

(一同笑う)

松本「というか、せや。四変化までしかしてないやん!」

方正「ほんまですね。」

浜田「もう、ええやろ。」

中田「はい、考えてはいたんですけど、打ち合わせの時点で時間超過することがわかってたんで、やらないことにしました。」

松本「なんや、それ。七変化ちゃうやん。もったいないわぁ。」

中田「はい。なんであと3変化分は、俺と藤森のYouTubeで投稿します。(カメラの方を見る)チャンネル登録お願いします。」

藤森「(中田に合わせお辞儀する)」


松本「タフやでぇ。

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