息子が自動起床システムを内蔵してしまった

つい3ヶ月ほど前に、朝、息子を起こすのが大変だと嘆いていたのに、なんと早寝早起きする男になってしまった。
私に「早く寝なよ」と促すまでになってしまい、何か悔しい。
なぜ突然、目覚ましが鳴る前に起きられるようになってしまったのか。
小さな宇宙人が、自動起床機を内蔵していったのか。
まさか。そんな。

いや単に好きなテレビやゲームの時間をもっと増やすために、朝の時間を使うことを思い立っただけにすぎない。
とはいえ、睡眠バランスをいきなりうまく取れるようになったわけでもなく、4時に起きてテレビをつけ始めたときには、いいかげんにしてくれと親に怒られた。
早起きしすぎて、授業中に眠くなってしまう。
テストのときに寝た話をして、やっぱり親に呆れられる。
今までは、いつまでも夜更かしをしていられた彼であったが、さすがに夜10時に電池が切れたように寝てしまうようになった。

そもそも「子どもは9時には寝るもんだ」「学校に遅刻するから早く起きなさい」と子どもに言うのが、親のしつけなのだとも思うのだが
私たちはあまり強くは怒らない。
12時になっても漫画を読んでいたら「何やってんの!早く寝なさい!」と言いたい気持ちは満々。でも「今日は金曜だから、夜更かしをしてみたいんだ!」と言われたら、とりあえずやらせてはみる。
味をしめられてしまっては良くないものの、たいていは電気をつけっぱなしで寝たり、次の日の昼間に意識が飛んだりするので、それはダメなんだと諭す。「えーっ」とは言うが、まあ彼も納得せざるを得ない。

いろいろと体験した上で、結局5時半に起きて10時に寝るところに落ち着いたらしい。
5時半も早いわと思うが、自分で決めて、自分で7時には着替えてご飯を食べるところまではやるようになった。夜も電池が切れる前に、自分からお風呂に入るようになった。そしてもうすぐ小6というところでようやく、夜寝る前に本を読んでくれと言わなくなった。
子どもが自分で決める、というのは、こういうことなんだろう。

もちろん、いつもこう、親が思ったようにおさまってくれるとは限らない。
でももどかしいながら、失敗体験をして自分で考えて、さらにバランスを調整するまで待つことで、親子喧嘩したり、反抗して口きかなくなったりすることが、少しは減るのかもしれないね。

朝起きて来なかったり、着る物を脱ぎ散らかしたり、忘れ物をしたり、そういうことをずっと叱っていたのは、いつまでだったろうか。
「我が子は言わなきゃわからないんだから、叱ってでも導かなければ」と思っていた頃。
でもぼんやりと思い出した。私はそうやって叱られたとき、どう思っていたか。ただ嫌だなと思っていたんだ。お母さんだって、日曜寝てるのに。子どもは~なものだ、と言われても、お母さんがそうしたいだけじゃない、と。忘れ物はいくら叱っても直らなかった。でも本当に欲しかったものを失ってしまったときから、忘れないように確認をするということを覚えた。

もちろん、導かない、叱らないということは、厳しいことでもある。
子ども扱いしない、子どもが自己責任を取るということだ。
遅刻しても知らないよ、怪我しても知らないよ、受験失敗しても知らないよ。
でも子どもが本気を出すというのは、そういうときなのかもしれない。
自分の人生、自分で切り開かないといけないんだ!と気づいたときはじめて、強くなれるような気がする。


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