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【目指せ・世界農業遺産】愛媛伊方町の最(西)先端な情報を届けます。

こんにちは、「えひめ農業遺産でなんかしようや!の会」の見習い助手をやってます、やのっちです!🌱
(4月に参加したばかりの新人さんで、まだまだ未熟者です)

本名:矢野諭稔(さとし)
■出身地は、愛知県日進市(名古屋の隣)、人が多い準都会で生活。
■学生時代は、高知や島根などの地方で生活、農業、土壌科学を勉強。
■今年の4月より、愛媛県松山市のWebマーケティング会社に就職。
■将来は、「農業×Web広告」を切り口に、価値を提供する予定。

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いきなりですが、

「農業遺産って?

「『えひめ農業遺産でなんかしようや!の会』って何ぞや?

そんな疑問を持った方へ。
過去のnote記事を、ぜひご一読!👇

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今回は、5月4日に実施した「佐田岬半島のフィールドワーク」についてご紹介。

世界農業遺産の認定を目指すべく、愛媛の過去と現状を知っておこう!!

そんな思いに至り、柑橘栽培が盛んな伊方町へ出向きました。

佐田岬半島で「古きをたずねて新しきを知る」

愛媛のみかんと言えば、段々畑の柑橘栽培。しかし、歴史をさかのぼると実はみかんの歴史はほんの数十年。

阿部健一先生は曰く、

「「愛媛の柑橘は、氷山の一角である」
「愛媛の農業システムを世界遺産に認定するには、その下の部分を見せないといけない!世界に訴えかける必要がある!」

現状、愛媛の柑橘栽培が産業として成り立っているが、これは過去の偉人たちの功績だと感じました。

私達は今、歴史の延長線上に立たされています。

世界農業遺産の認定はあくまでプロセスであり、私たちが目指すのは持続的な社会を目指すこと。

このフィールドワークでは、佐田岬半島で活躍している人々と出会い、話を聞くこと。

そして「未来に残すべきもの、未来のために変えるべきものは何か?」について考えていきます。
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濱松為俊さんと語る伊方町の農業史



今では見慣れたみかんの段々畑。石垣には、想像以上の長い歴史があることを知りました。


先人たちは、芋や麦を育てるために山を切り崩し、石を積んで段々畑を作りました。「段々畑」と言葉にするのは簡単だが、それを当時の人はどのような思いで作ったのか。



その思いを私たちは理解する必要があり、語り継ぐべき物語だと感じます。

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そして、時代の流れと共に、麦やイモから、タバコ栽培や柑橘栽培に移り変わっていったそうです。
昭和40年頃からは、「除草剤」「農薬」が柑橘栽培に導入され、効率的なみかん栽培が、主流になっていきました。

あの急峻な段々畑で草を抜く作業が、どれだけの重労働だったか。当時の農家にとって「除草剤」がどれだけ救世主だったかが想像できます。

今、愛媛の柑橘栽培が栄えているのは、科学技術の発展のおかげであるといえます。

私は「農薬」や「除草剤」を肯定したいわけではありません。ただ、柑橘の産業を築く上で、重要な資源であったことは、忘れてはいけないことだと思います。

「除草剤」を使用していた歴史

しかし、近年では除草剤を使用しない農業にも注目が集まっており、
この伊方町でも、柑橘栽培に変化が見られています。

次に紹介するのは、佐田岬半島の名取地区の柑橘農家の宮部さんです。

除草剤なし、減農薬の柑橘栽培「ユウギボウシ愛媛」

伊方町名取地区にて、みかん農家の宮部元治さん(ユウギボウシ愛媛)の園地を見学させてもらいました。


宮部さんは、安心安全な柑橘を消費者に届けたいという思いを持っており、
除草剤を一切使用せず、減農薬での栽培を行っています。

この地域では除草剤を使用した栽培が一般的ですが、宮部さんはどうしてこれまでとは違った農法に取り組んでいるのでしょうか?

宮部さん曰く、これまでの柑橘栽培に対して、「除草剤、農薬を使用したことで、自然環境が悪くなっている」と指摘。

「自然環境の悪化!?」

除草剤を使用することで、雑草を枯らすことができるが、同時にみかんの木も弱ってしまうとのこと。
雑草は、みかんの木にとって必要な栄養分だが、除草剤はその機能を消してしまうと言っています。

その話を聞いて、私は化学肥料を投入すれば解決するのでは?という疑問を持ちました。しかしそれに対して、

化学肥料の投入にも注意する必要があると述べていました。肥料のうち、作物に吸収されるのは3分の1、残りの3分の2は土の中を取って海へ流れてしまう

宮部さんの言葉から、ただ柑橘を栽培するだけではなく、名取地区、伊方町の自然環境を守っていくんだ、という強い思いを感じました。

最後に宮部さんの印象的だった言葉を綴ります。

「私が目指すのは、佐田岬半島全体で問題意識を持ってもらう事。今のやり方が本当にいいのかどうか?と考える必要がある。自然環境が悪くなっている原因は、自分らにあるんだから。」

現在、宮部さんは新規就農者への支援に取り組んでいます。担い手を増やし、安心・安全な柑橘栽培を拡大していきたいそうです。

伊方町の柑橘栽培がいい方向に向かっている、そんな印象を受けました。
私は、大学で農業を学んできたこともあり、何か貢献したい!そんな思いを持たせてくれました。宮部さんと話せたことは非常に貴重な経験です。
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佐田岬半島にはこんな最先端な人々がいる!

『自然の庭』で豊かなくらしを体験

『自然の庭』を管理されている大利さんにお話を伺いました。佐田岬半島中程、標高300mに位置する『自然の庭』には、季節の花や野山草・木々の緑が楽しめます。

大利さんは、「自然はみんなのもの」「豊かな暮らしを体験してほしい」というメッセージを私たちに伝えて頂きました。

「心が疲れたときに、自然の庭に遊びに来てね」

この言葉が私にとってすごく印象的でした。

ふと私は最近読んだ『Nature Fix』という本を思い出しました。自然に関する研究を紹介した本で、森林セラピー、森林浴など「自然の力」が、人の心と体にいい影響を与えることが分かっています。

佐田岬にある「自然の庭」は、人生の休息場所であり、生きる気力を与えてくれる、そんな機能もあるのかなと感じました。

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最先端な柏木夫妻「和文化サロン アトリエ風和」

四国最西端、
海と空の青に包まれた 佐田岬半島。
私たちはここで、藍染の原料となる蓼藍(たであい)の栽培をしています。
岬藍ファームHP(引用)

「恋人とデートするならココ!🌟

夫は書道、妻はいけばな、そして夫婦で「藍染」に挑戦し、
和文化を次世代へ繋ぐ!!という意思をもって佐田岬に移住した、
柏木夫妻にお話を聞きました。

いきなりですが、藍染の様子がこちら!!!

柏木さんの話を聞き、藍染の奥深さを感じることができました。藍染の原料である「たであい」という植物は、その土地ならではの「青色」を作り出すそうです。佐田岬半島で育った「たであい」は、「宇和海の青!」と柏木さんは語っています。

ここでは、藍染体験することもできます。柏木さんの思いを直接聞きたい方は、ぜひ「和文化サロン アトリエ風和」に訪問してみてください!

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佐田岬半島にはこんな最先端な飯がある!

【木嶋水産】ちりめん丼食べ放題!1000円!

佐田岬半島にくる際は、ぜひこちらのちりめんをご賞味あれ!ちりめん(生しらす、蒸ししらす)が食べ放題でなんと1000円!もちろんご飯も食べ放題です。

木嶋水産が気になる方はこちらをチェック👇
「有限会社 木嶋水産」

【大岩旅館】海鮮三昧!魚!貝!

メンバーが宿泊した旅館では、海鮮尽くしの晩餐でした。写真だけで十分伝わるかと思います(笑)



最後に

今回、私は初めて佐田岬半島に訪問しました。日本農業遺産に認定された地域とは、いったいどんな場所なのか。そんな疑問を持ちながらこのフィールドワークに参加しました。

阿部先生がおっしゃるように、柑橘栽培というのは氷山の一角であり、その下に埋もれている「えひめの物語」を語り継ぐことが大切だと感じました。

愛媛県は、今年、世界農業遺産認定の申請を行います。「遺産」と聞くと、過去の歴史のような印象を受けます。しかし「農業」の遺産は、昔・現在・未来の3つの時代を考える必要があるのではないでしょうか。

一昔前までは、最善だと思われた柑橘の栽培方法も、今の時代には環境に負荷がかかっていることが指摘されています。時代の変化と共に、変わるもの、守るべきものは何か。

「今を生きる生産者」の声に耳を傾け、愛媛の未来を描いていきたいと感じます。


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