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身に着ける方に寄り添うジュエリーデザイン 加藤サトエ

こんにちは!note更新担当のたぬ子です。

今回は、今治市でデザイン、原型制作、溶接、研磨、パーツなど、鋳造以外のほとんどの工程をお一人で行っている、ジュエリー作家の加藤かとうサトエさんに、作品制作で大事にしていることやデザインのアイディアについて、お伺いしました。

[プロフィール]
■氏名
 加藤 サトエ 
■ジャンル
 芸術(ジュエリー作家)
■連絡先
 Mail:info@eotas.net
■経歴
 山形県出身。
 大学在学中に都内にある「工房花唐草」に通い始め、彫金を学ぶ。
 結婚を機に今治に引っ越す。
 2015年よりイオタスをスタート。2017年より、モチーフを瀬戸内海にあるものに限定した「setouchiシリーズ」を展開。
 2022年今治市にアトリエショップをオープン。
 瀬戸内の風景とジュエリーを合わせたブランドとして活動中。
■SNS
 Instagram(@eotas34
 Twitter(@eotas2015

作品の魅力となるバックグラウンド

写真提供:加藤サトエ

ー 「せとうちを身に着ける」をコンセプトに制作されている〈setouchiシリーズ〉は、瀬戸内海にあるものをどのようにデザインへ反映されているんですか。

 実際にあるものを細かくデザインしている場合は、図鑑を見たり、散歩をしていて「いいな」と思ったものから、デザイン性などを考えて選んでいます。
 船をモチーフにする場合は、船がたくさん浮かんでいる景色を見て「船のモチーフを作りたい」と思っても、見えているままの船ではジュエリーとして成り立たないので、瀬戸内の航海の歴史や船の構造の本を読んで調べてから作っています。
 どちらの場合でも、作品の魅力をお客様へ明確にお伝えするために、モチーフのバックグラウンドをしっかり調べてから、作り始めるようにしていますね。

ー どのぐらいかかるんですか。

 船の時はすごく時間がかかったんですが、他のモチーフはだいたい3週間ぐらいですね。
 ぼんやりとしていたイメージが固まって、デザインの理由や由来が明確になってきたら制作スタートです。

ー 調べている間は、デザインのスケッチなどされるんですか。

 そうですね。絵は苦手なんですけど、ジュエリーの重さはサイズで変わるので、サイズ感を検討するためにも描いて検討しています。

違いが分かるから、魅力に気づける

ー 愛媛県外のご出身ということが、〈setouchiシリーズ〉のアイディアに繋がることはありますか。

 山形と瀬戸内は、あらゆるものが違いますね。
 海を見た時は、穏やかで本当にびっくりしました。
 日本海と太平洋しか知らなかったので「全然知ってる海じゃない!湖⁉」って(笑) 潮風もないし、ベタベタしないし、波もないし、色も綺麗だし「あれ?」と。
 あと、雪があまり降らないから、動植物の種類が全然違うんです。
 こっちは、冬でも動植物が結構元気じゃないですか。虫も動いているし。
 夏の虫の種類もすごく豊富ですよね。

 他所との違いが分かっている自分だからこそ「他人ひとより瀬戸内の魅力を感じることが多いんじゃないかな」と、思っていますし。
 瀬戸内の魅力に”気付けること”や”感じること”が、〈setouchiシリーズ〉のアイディアに繋がっているんだと思います。

ファンだった師匠の工房へ

ー ジュエリーを作り始めたきっかけを教えてください。

 二十歳ハタチぐらいの時に、和モチーフで素敵なアクセサリーを作っている方が、デザインフェスタに出展していたので、作品を観るために会場へ行ったんですよね。
 当時、アクセサリーの学校に行こうか迷っていたんですけど、彼らがそこの卒業生で「そこ行くんだったら、僕らの新しい教室に来なよ」と誘っていただいて。
 ファンだったし、アクセサリーも元々好きだったので「自分でアクセサリーを作れる上に、憧れの人たちに教えてもらえるなんて!」と、生徒第一号として師匠の教室へ入りました(笑)

ー 教室に入られた時から、ジュエリー作家を目指されていたんですか。

 そうですね、師匠を目標にしていたので。
 でも、師匠がすごすぎて全然追いつかないですね。
 教室に入った当初は「師匠のようになれるのか!」と胸を高鳴らせていたんですけど、持っている資質が全然違うので全然なれない…。
 今は「師匠と同じようにはなれないけど、なれないなりに頑張ろう」と、気持ちを新たに活動しています。

身に着けた方に寄り添えるアクセサリー

写真提供:加藤サトエ

ー アクセサリーを制作される時に、気をつけていることや大切にされていることはありますか。

 デザインは、着けた時に主張しすぎないもの、馴染むもの。
 大きすぎず、着けやすく、派手過ぎず、身に着けた方にすーっと馴染んでいくようなものを心掛けています。
 作品を説明する時には、よく“寄り添う”という言葉を使っていますね。

 制作する際は、重さ、サイズ感、あと痛くないとか。着け心地を意識しています。だから、少し小さめのデザインにしたり、大きくても軽くなるように作っています。

 身に着けた時に、”気分が上がる、高揚する”のがアクセサリーだと思っているので、着け心地などの実用性とコンセプトを掛け合わせて「作品のストーリーやイメージを楽しんでいただけるものを、お届けしたい」と思っています。

ー 着け心地って、大事ですよね。

 シルバーなど長く使ってていただける素材を使用しているので、お客様には長く身に着けていただきたいと思っているんですけど、着け心地が悪いと難しいじゃないですか。
 お客様に数あるジュエリーの中から、eotasの作品を選んでいただいてるので、長く使って楽しんでいただければと思っています。

eotasと宇和島パールを知ってもらいたい

写真提供:加藤サトエ

―  今後、愛媛でやっていきたいことを教えてください。

 愛媛の方に、eotasを知っていただきたいですね(笑)

 あと、宇和島パールの作品を、もっと展開させたいです。
 オリジナルのパーツを使って、“宇和島パールと愛媛”というコンセプトでジュエリーを作られている方が、たぶんいらっしゃらないと思うので、そういうジュエリーを作っていきたいですね。
 愛媛県の人でも、宇和島パールを持っていない方もいらっしゃって、eotasで初めて見られる方もいらっしゃいます。
 まだまだ”デパートの催事でないと見られないもの”という認識があるので、もっと宇和島パールを身近に感じてもらって、多くの方に知ってもらいたいです。

 元々、パール好きなんですよ。
 パールがあるだけで、雰囲気が柔らかくなるし、肌も明るくなるし、品もあるし、カジュアルにも使えるし。いいですよね。

絵しりとり にじ ⇒ じ○○○○○○○

 「出身の山形では、いなごを佃煮にして食べるんです」という話をしながら描かれた加藤さん。
 実はこの絵、昆虫食を販売している自○○○○!
 実際に販売しているところ、あるんですかね??


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