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漫画ゴールデンカムイのすすめ

2021年9月17日まで全話無料公開中

ゴールデンカムイ、ご存知ですか?
私の Twitter から引用しますね。

上記の2つは主に郵便好き視点で書いてるツイートですけど、もうこれがね、いろんな方向に面白い内容で、歴史とか民俗に興味ある人なんかには特に勧めたいです。
野生の動物がいろいろ出てきますがこれらのほとんどは「食べる」対象で、小さくて見た目が可愛らしい動物なんかもアシリパさん(アイヌの女の子)によって次から次に捌かれて行くんですけど、その一貫した描き方がとても好きです。

物語の主軸はアイヌの残した所在知れずの金塊をめぐって繰り広げられる戦い。……戦い? いや、これもしょっちゅう敵味方が入れ替わって、この間敵だったやつが(今はとりあえず)味方、みたいな、話の展開が面白いのです、とにかく。 
キャラクターもとっても魅力的です。一癖も二癖もある悪いやつばかり!

この漫画のおかげでいろいろな方向に自分の興味が広がって日々が「楽しくなった」という実感があります。ちょっとしたことをすぐゴールデンカムイに繋げて考えてしまうんですね。それだけこの物語が内包している文化・歴史の枝葉が広く層が厚い、ということなんだと思います。三八式歩兵銃なんかは私この漫画で覚えて自分のイラストに取り入れたりしました。
あとはもちろんアイヌへの興味ですよね。

消印や切手の中のゴールデンカムイ

上のツイートにちょっと書いてありますが「関連する風景印」というのはこういう感じです。(※風景印=絵が入った郵便局のご当地消印)

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平取郵便局の風景印にはアイヌの家やおそらくアットゥシと思われるものが描かれています。アットゥシはオヒョウという木の繊維で織られたアイヌの織物だそうで、主人公アシリパさんもアットゥシを着ています。(この風景印は切手にかかっていないのが少し残念です)
ポストカードは早稲田大学會津八一記念博物館で買ったものです。ここはアイヌ関連の資料が充実していておすすめです。

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漫画に登場するものとは別の建物ですが、歌棄郵便局の風景印には鰊(にしん)御殿が描かれています。鰊御殿というのは明治から大正期にニシン漁で財を成した網元が住宅と漁業施設を兼ねて建てた建物のことだそうです。
なぜシャチのポストカードを使っているのかはぜひ漫画を読んで確かめてね。

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そして網走。網走監獄の脱獄囚たちはこの物語の重要なキーを握っています。
切手の方に描かれたタンチョウももちろん出てくるよ。
ゴールデンカムイに関連する風景印はほかにも、たくさん! あります。

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日本だけではなく、海外へも広がっていく興味。これは Postcrossing でロシアから届いたクズリの切手です。クズリね。クズリですよ。

博物館の中のゴールデンカムイ

博物館で出会うアイヌ関連の展示も楽しいです。
北海道に行かないと見られないかと思いきや、都内でもたとえばさっき書いた早稲田大学會津八一記念博物館や東京国立博物館でアイヌに関するものを見られます。

東京国立博物館で撮った写真をいくつか載せますね。

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これは「手松明」(樺皮製)とキャプションにありましたが、1巻でアシリパさんが言っていた「シタッ」では!? と思うんです。たぶんね。

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ファンにはおなじみ「ストゥ」(制裁棒)です。名前の通り、制裁用の棒です。これで叩かれたら「痛い」じゃ済まなさそう。

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「イナウ」(儀礼用の木幣)です。祭壇なんかに飾られてる様子が描かれていますね。これ見るたびに思うんですが、あれに似てる。一刀彫りの尾長鳥。

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「マキリ」(小刀)。これもわりと重要アイテムとして登場しますね。

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この彫刻がやっぱり和人の描く文様とは違うなぁ、と。

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刀が好きなので、こういうものにはすごく反応してしまう。アイヌには製鉄技術がなく、和人との交易で手に入れた日本刀の刀身にアイヌ様式の拵を施していたようなんですが、これは鞘の木の部分が「アイヌ」で、

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鍔や縁金の金属部分は文様がアイヌっぽくなく、和人が作った部分かなぁと思うんです。説明が書いてなかったので確かなことは分かりませんが。

ね、面白いでしょう。
ちょっとでも興味を持ったあなた、ぜひ読んでください。一番上のツイートに書いてありますが、なんと2021年9月17日まで全話無料公開中なのです。

ちなみにアニメもありますからね!(沼へおいで!)

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