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都市も田舎も自然はない。

陸上で生活していると気づかないことが多いが、僕らの周りにあるもののほとんどは人工だ。これは、都市でも田舎でも同じ。陸上にある自然と思われているもののほとんどは、手入れが施されている。だが、自然とは本来、人間の手ではどうしようもできないものだ。

僕らは雨を止めることはできない。昔、港町を旅していたときに出会った漁師に「天気が悪いときは仕事はどうするんですか?」と質問したときがある。その時、彼は「諦めるしかない」と話していた。海の上では無力だ。同様に、山道のない山を登るのも、耕作放棄地のような手入れされていない土地を歩くのも困難を極める。
僕らは自分の意識で、自分の心臓の動き(筋肉の動き)を止めることすらできない。
意識的に呼吸をすると呼吸は続かない。

「自然と共生」と言うには、人間と自然を切り離したから言えること。
自分と同じものに対して「〜と」とは言わないし、「共生」とも言えない。
手入れをしたエセ自然物ばかりしかないと、何でも対策ができると思い上がる。
対策ができないのが、自然。

人間の意識と行いで、自然が持続可能になると言うのは、人間中心主義の延長でしかない。
自然は勝手に持続して、勝手に終わる。
僕は読んだことがないが、こういうのって、実は聖書に書かれていることでもあるそうだ。
昔の人の方が分かっていたということかもしれない。
僕も含めて、人間っていうのは馬鹿だなぁ、とつくづく思う。

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