醍醐寺 三宝院
醍醐寺 (ダイゴジ)
ユネスコ、世界遺産のひとつである。
豊臣秀吉がこの醍醐寺で催した『醍醐の花見』
それを契機に、整備したのがこの三宝院である。
その庭園の基本設計までをも秀吉自らが手掛け
完成させたのだという。
先ずは庭園から覗いてみよう。
色んな庭園を見てきたが、見事な出来栄えと思う。
全体に起伏に富んだ構成で、みる角度により表情が
変わるのが素晴らしくその当時では最先端であった
蘇鉄(ソテツ)も重要な位置に配置されている。
この庭の設計を秀吉自らが、縄を張り具体的な指示
をして創り上げた庭。それを眺められるなんてある意味ですごく贅沢すぎる時間である。
藤戸石
『天下を治める者のみが所有できる石』 として
室町時代より歴代権力者により引き継がれてきた
天下の名石。秀吉の命より、聚楽第から運び込まれ『主人石』として庭園中央に配置させたものであり
左右には低い石を配置して、三尊組としている。
そんな覇者の象徴でもある石の前では、メス鴨達
がご機嫌そうに浮いている姿が何とも微笑ましい。
加茂の三石
これら三石は鴨川を意味し、手前が流れの速さを、
中央が淀んでる様を、奥のは川水が割れて砕けちる
姿を表しているのだという。
建物の中に配置する内庭である。
屋根の上に突き出してるのは煙流しの煙突、つまり
その下に台所がある事を示す。
五七桐紋、桐の花と葉を図式した紋章。
かつては室町幕府、豊臣政権、皇室が使っていた
もので、現在は日本国政府の紋章として使われて
いるもの。五七桐紋とは、葉上に並ぶ桐の花数で
その格が上がる。写真のものは、五七五の花数で
あり、これが五七桐。
五三桐紋は三五三の花数のものとなる。桐は鳳凰
がとまる樹木として神聖なる樹木とされている事
が権力の象徴に相応しいとされている。
この手の建物にある紋様などは撮影をしておいて
後でその正体を知るのがとても楽しい。その場で
知れるものはちゃんと記録しておくと楽である。
菊紋、菊の花だけを図式下した紋章となる。
この菊紋は天皇家が使う紋章となり、最上位の紋章を表す。上の写真は襖の引手で、下の写真は塀瓦に
彫られている菊紋である。
京都には多くの金物屋があって、これら寺社などに
納めてきた老舗が沢山あったのである。匠の技。
六葉鋲
昔の日本建築の金物で、柱や鴨居、長押などには
装飾用や釘隠しとして使われていたもの。六枚葉
や花弁の形を模す。神社、仏閣など鴨居には良く
あるもの。台座部を「菊座」突き出ている柱状の
ものを「樽ノ口」と呼ぶ。
唐門扉の桐紋、菊紋
現在は閉ざされている門。センター部分には桐紋、
両サイドには菊紋が配され、金色に仕上げられる。手前の碑石に掘られた『下乗』の文字は、この場
で馬から降りて入場をする様に示した標識となる。
醍醐寺、なかなか見応えのある寺院である。
ここでは醍醐寺の三宝院を紹介した。
この解説は、まだまだ、他へと続くのである。
■ 醍醐寺 三宝院編 今回のはこちら
□ 醍醐寺 弁天堂編
□ 醍醐寺 西大門編
□ 醍醐寺 五重塔編