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#植物図鑑 『総集編』

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IPHONE片手にフィールドで撮影した色んな植物を掲載。 植物のもつ魅力的なデザインと同時に、その生態も紹介。
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#紫陽花

水無月

水無月

水無月 (ミナヅキ)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属、の
落葉低木の糊空木(ノリウツギ)となる。

製紙を作る際に、この植物の樹皮から採れる
粘液成分がつなぎの糊に使用されてきた事が
ノリウツギの名の由来。

そんなノリウツギの仲間でありながら開花の
時期が遅い品種が『水無月』と呼ばれる。

『水無月』は旧暦の6月に当たるものであって
今の時代では7月を指すもの。梅雨が過ぎた
後の水の無い月を

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柏葉八重咲紫陽花

柏葉八重咲紫陽花

柏葉八重咲紫陽花
(カシワバヤエザキアジサイ)

ミズキ目、アジサイ科、ハイドランジア属

紫陽花(アジサイ)は、日本原産のものだが
その花の美しさから、中国経由で欧州にも渡り
その気候や風土に適した形や性質へと進化して
日本に逆輸入された品種も色々とある。

柏葉紫陽花は、それら欧州からの紫陽花群と
一線を画し、アメリカを原産とする紫陽花。

日本の紫陽花とは違う進化を遂げてきた紫陽花
であり

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紫陽花と言えば!いや、君ではないだろ…

紫陽花と言えば!いや、君ではないだろ…

紫陽花と言えば、その情景に最も合う存在を
挙げるなら、誰しもがそのイメージするのは
永遠の定番コンビ、蝸牛(カタツムリ)だろう。

以前の記事にも載せたものではあるが、私の
大好きな陶芸家の宮川香山先生の作にもある
『蝸牛』という作品。

同氏の作品は、その生き物があたかも陶器の中
今にも動き出しそうなほどにリアルに再現され
立体造形の素晴らしさと、生命の瞬間をまるで
切り取ったかの様な作品が並ぶ

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ダルマアジサイ

ダルマアジサイ

達磨紫陽花 (ダルマアジサイ)

装飾花の花弁が貝殻状に、器の様になったものを
指し、渦紫陽花(ウズアジサイ)と呼ばれる。

この紫陽花の歴史は、江戸時代の珍奇なる植物に
関心が高まった時代に見つけられたもので、本来
は変異による異形のものだったが、可愛いものと
巷で評判になり、オタフク、オカメ、ダルマなど
馴染みの愛称が付いた紫陽花となる。

ダルマアジサイの名称とは、ウズアジサイの中の
濃紺色

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金平糖

金平糖

金平糖 (コンペイトウ)

静岡県は掛川にある加茂荘花鳥園による作出の
紫陽花の園芸品種。

白覆輪が美しい紫式部(ムラサキシキブ)と
八重咲紫陽花(ヤエザキアジサイ)とを交配し
作出されたもの。

星型八重咲の花姿の可愛さから、砂糖菓子の
金平糖(コンペイトウ)の名がついている。

和名 八重咲紫陽花
   (ヤエザキアジサイ)
洋名 ハイドランジア ダブルフラワー
   (HYDRANGEA

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雲居鶴

雲居鶴

雲居鶴 (クモイヅル)

アジサイ科、アジサイ属、ヤマアジサイ種

伊豆半島を原産とするヤマアジサイをベースと
して生まれた品種で、園芸品種ではなく自然が
生み出した美しいもの。

元々は、伊豆ノ紫風(イズノシフウ)という名
だったが、農林水産省に正式品種登録された
名がタイトルにした名称である。

大型ながら風通しの良い姿の淡青色の装飾花が
とても涼しげで美しく、両性花の青との対比も
素敵な紫陽

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トテモ 美味ナル蜜 此処ニアリ〼

トテモ 美味ナル蜜 此処ニアリ〼

トテモ 美味ナル蜜 此処ニアリ〼

紫陽花(アジサイ)から、花蜜を求めてくる
虫達に向け、当たり前に文字ではない乍らも
広告宣伝する為のメッセージこそが額紫陽花
(ガクアジサイ)となる訳で、その広告塔が
装飾花(ソウショクカ)と呼ばれるもの。

この装飾花は虫寄せの広告塔の役割を果たす
だけのもので、花蜜もなければ、受粉機能も
持っていない中性花となっている。

紫陽花の受粉が可能な花は、真ん中に

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糊空木

糊空木

糊空木 (ノリウツギ)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属、

アジサイの仲間に数えられる中で最も高い位置
に花を咲かせるのが糊空木(ノリウツギ)。

その高さは最大で7mの高さまでになるもの。
今回の神戸市立森林植物園にて撮影したもので
高さは4〜5m程になる。

この植物の樹皮から採れる粘液成分から製紙用
の糊として利用されてきた事や、この植物の
茎と根が空洞の構造となっているのを利用し
煙管

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DARK ANGEL

DARK ANGEL

ダークエンジェル
(DARK ANGEL)

欧米など海外で人気の高い園芸品種のアジサイ
が、ブラックダイヤモンドシリーズのもの。

その葉は日本のものと大きく違うのは外周部が
黒く縁取られていて、ブラックダイヤモンドの
園芸品種の特徴となっている。

撮影した花は、桃色と紫色が絶妙な混色編成と
なっているもので、欧米諸国好みなカラフルさ
がありながらも、全体にまとまり上品な印象も
受けるものとな

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蜜柑葉額紫陽花

蜜柑葉額紫陽花

蜜柑葉額紫陽花
(ミカンバガクアジサイ)

額紫陽花(ガクアジサイ)の品種の仲間。
伊豆半島で見つかったものである。

この品種の葉は、一般的なアジサイの葉に特有
の鋸歯がなく、そのエッジは真っ直ぐに仕上り
葉の表面には光沢が見られ、蜜柑(ミカン)の
葉にその特徴が似る事からこの名が付く。

アジサイの仲間にも、リーフデザインが色々と
ありコレクターにも人気がある。

ただ、花季以外にはこれが何

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星組

星組

星組 (ホシグミ)

三室戸寺の中、多くある紫陽花の中にあって
際立って美しかった紫陽花のひとつ。

お寺の中の紫陽花ゆえ、品種を示す札はなく
それでは勿体無いと品種を調べての掲載。

八重咲の花弁の多さから、星咲となる事から
この園芸品種名が付いた紫陽花となる。

赤み掛かった紫色に、白い覆輪が入っており
上品な佇まいを見せる。

和名 八重咲紫陽花
   (ヤエザキアジサイ)
洋名 ハイドラン

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HYDRANGEA ARBORESCENS

HYDRANGEA ARBORESCENS

アナベルの原種のアジサイ

ハイドランジア アルボレッセンス
(HYDRANGEA ARBORESCENS)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属

紫陽花の中、純白の花を咲かせる事で人気の
高いアナベルの原種となるのがこの紫陽花。

アメリカを原産とし、周囲を装飾花が囲んで
その真ん中には小さな両性花が沢山並ぶ清楚
な印象を与えてくれるアジサイとなっている。

これをベースとして交配を重ねて作られ

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御多福紫陽花

御多福紫陽花

御多福紫陽花
(オタフクアジサイ)

ミズキ目、アジサイ科、アジサイ属

花が器状にそり返った形が可愛らしい紫陽花の
品種のひとつ。一般に渦紫陽花(ウズアジサイ)
と呼ばれるものとなる。

このウズアジサイの中でも花の色が青色傾向の
これらは御多福紫陽花(オタフクアジサイ)の
名前でも呼ばれている。

花弁の弾けた様子の見た目からポップコーンの
名称もある。

この紫陽花の色は、昭和時代の赤ん坊向

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白鳥

白鳥

白鳥 (ハクチョウ)

山紫陽花(ヤマアジサイ)の品種の中で純白
の花をつけるもの。

装飾花(中性花)の八重咲が美しく、両性花
にも八重咲が混じる特徴をもっている。

八重咲のその段数を数えてみると、七段に
近いものもあり、その名の付く七段花より
七段花の名に近いヤマアジサイである。

花弁が幾重にも重なり、星型八重咲の純白
の花は清楚さと華やかさ両方を兼ね備えた
逸品と云えるものである。

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