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#植物図鑑 『総集編』

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IPHONE片手にフィールドで撮影した色んな植物を掲載。 植物のもつ魅力的なデザインと同時に、その生態も紹介。
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2024年3月の記事一覧

花海棠

花海棠

花海棠 (ハナカイドウ)

バラ目、バラ科、リンゴ属、ハナカイドウ種

4月に淡紅色の美しい花を咲かせるリンゴ属
で、小さな実をつけるも食用には向かない。
美しい花の開花期間は1ヶ月以上も続くため
人気の高い落葉低木である。

これにつく花言葉に『美人の眠り』があるが
世界三大美女のひとりとしても知られている
楊貴妃(ヨウキヒ)に由来する言葉である。

楊貴妃とは唐の時代に実在した、絶世の美女

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青木 - 蛍斑入葉

青木 - 蛍斑入葉

青木 - 蛍斑入葉 (アオキ - ホタルフイリバ)

ガリア目、ミズキ科、アオキ属

日本原産の1〜5mの常緑低木で、公園などの
パブリック施設などや一般家屋など広く垣根に
使われる樹木となる。

単色の葉のものもあれば、白三光覆輪などの
新たな斑入品種もあるが、最も一般に見られる
斑入のものがこちらの蛍斑入葉のものとなる。

葉の表面全体を覆う、濃緑色に散りばめられた
黄色く散りばめられた斑紋は

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四手辛夷

四手辛夷

四手辛夷 (シデコブシ)

モクレン目、モクレン科、モクレン属

東海地方は三重、岐阜、愛知を原産とする
固有種であり、落葉小低木となる。

海外から人気の高いマグノリア品種であるが
この日本限定オリジナル品は特に買い求める
ヘビーユーザーがいるのだという。

原産となる東海三県の方では、残念ながら
絶滅危惧種に数えられている。

和名 四手辛夷 (シデコブシ)
   紙垂辛夷 (シデコブシ)
 

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青耳菜草

青耳菜草

青耳菜草 (アオミミナグサ)

ナデシコ目、ナデシコ科、ミミナグサ属

大阪はミナミ、FMオオサカの近くの植込に
てんこ盛りに生えていたのがこの植物。

和蘭陀耳菜草 (オランダミミナグサ)の方が
一般には知られている名前となる。

オランダの名がつくが、同国だけの原産でなく
ヨーロッパ全域を指す。これら植物への命名に
ついてのルールは、その当時は明確な規定はなく
東南アジアから来たものには頭に『

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岩花火

岩花火

岩花火 (イワハナビ)

ナデシコ目、ヌマハコベ科、レウィシア属

透き通る様な花弁が魅力であるレウィシア。
和名では岩花火(イワハナビ)と呼ばれる。

高山の砂礫地や岩場などの過酷な環境にも
耐えられる強靭さを兼ね持つ植物である。

岩の上に広がって咲くその花姿が花火の様
だからと『岩花火』と名付けられたもの。

放射状に広がる可愛らしい花弁が華やかで
花火の美しさを無機質な岩場に花咲かせる。

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紫伊勢花火

紫伊勢花火

紫伊勢花火 (ムラサキイセハナビ)

シソ目、キツネノマゴ科、ルイラソウ属の
多年生の外来植物でメキシコが原産である

一般に柳葉ルイラ草 (ヤナギバルイラソウ)
知られる植物だが、その性質を表した名とし
ムラサキイセハナビの名称にて紹介する。

日本には1970年代に鑑賞目的で渡来した。

この植物に咲く、この紫色の花は半日花であり
咲いて半日でポトリと落ちてしまう儚い花だが
それを補う程の勢い

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龍爪槐

龍爪槐

龍爪槐 (リュウノツメエンジュ)

マメ目、マメ科、エンジュ属

落葉樹であり、3月も終わる今の季節では
葉の一枚すらも残ってはいない。その独特
なシルエットは一見するとホラー系の映画
の中に出てきそうなフォルムである。

この中国原産のこの樹木は、ホラーどころか
出世の樹とされ、縁起の良い樹として庭の門
に近い部分に植える風習があったものである。
枝のこの形を縁起の良い龍の爪に見立てた事
から『

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光源氏

光源氏

光源氏
(ヒカルゲンジ)

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属の園芸品種。
こちらのツバキは江戸時代に関東地方で産出
された古典品種であり、世界各地からも購入
の多い椿の中の名品とされている。

海外で求められる椿(カメリア)のカタチは
花が大きく咲き、ゴージャスに見えるものが
好まれるので、日本の猪口咲や筒咲のものは
あまり好まれない傾向がある。だが、こちら
のヒカルゲンジは西洋カメリアをも凌ぐ魅力

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天狗ノ羽団扇

天狗ノ羽団扇

天狗ノ羽団扇 (テングノハウチワ)

セリ目、ウコギ科、ヤツデ属

肉厚の葉が特徴的な多年生の常緑低木

日本を代表する妖怪の天狗が風起こしの武器とし
いつも持ち歩いているのが八手(ヤツデ)である
そんな天狗が武器にするほど、この葉は大きくて
頑丈に出来ている。

台風がやってきて、他の樹木の葉は散らされたり
するものだが、ヤツデの葉が落ちてる場面などは
見たことがない。これは葉の生え方や、葉形状

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団扇ノ木

団扇ノ木

団扇ノ木 (ウチワノキ)

シソ目、モクセイ科、ウチワノキ属

朝鮮半島北部、韓国中北部で発見された
落葉低木で、日本へは昭和初期に渡来

花の後の蒴果が、扁平な円形となってその
周りが翼状になり、その姿がウチワに似る
姿からウチワノキの名称で呼ばれている。

その実姿はまた、追って載せようと思う。

Uchiwa-no-ki (Fan Tree)

Belonging to the order

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毛崑崙花

毛崑崙花

毛崑崙花 (ケコンロンカ)

リンドウ目、アカネ科、コンロンカ属に属す
ツル性の常緑低木で、渓谷の雑木林や丘陵地
などに自生する植物である。

咲いた黄花の引立役の様な白い學片が特徴的
な美を示す植物。

半夏生 (ハンゲショウ) という植物も花横に
白飾りがあるのだが、このケコンロンカも同様
共に苞(ホウ)という部位がこの様に白くなる。

これは花の萼 (ガク) の一部が巨大化してこの
様になっ

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十六日桜

十六日桜

十六日桜 (ジュウロクニチザクラ)

愛媛県松山市を原産の山桜(ヤマザクラ)の
早咲品種で、旧正月の十六日辺りに花咲く事
から、この名がついたとされる桜。

これの原木は戦災によって焼け落ちてしまい
現存株は実生からのもので、愛媛県松山市の
天徳寺境内、桜ヶ谷の吉平屋敷跡の二箇所に
残るもので、これら樹木は指定天然記念物と
なっている。

この様に諸事情から原木が失われ、原産地に
残り少ない株分け

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BEGONIA TUBERHYBRIDA - RED

BEGONIA TUBERHYBRIDA - RED

ベゴニア ツベリブリダ
(BEGONIA TUBERHYBRIDA)

ウリ目、シュウカイドウ科、の多年生植物
球根ベゴニアと呼ばれるもの

この球根ベゴニアは多種多様な交配種が多く
排出されており、その歴史を辿ってみると
150年以上も前の、1869年に英国にて
ベゴニアの最初の交配種が産声をあげたのが
始まりとなる。

このムーブメントはフランスやドイツにまで
拡大し、19世紀の末にベゴニアの

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BONTENBA-TSUBAK

BONTENBA-TSUBAK

梵天葉椿 (ボンテンバツバキ)

京都府立植物園の特設会場で開催されていた
椿展にて説明をされていた椿の専門家の方に
誘われて初めて見た梵天葉椿に驚かされた私
は、早速その日にこのブログの中にてこれを
紹介したのだった。

だが、記事にした時に重大なミスに気付いた。
この葉から飛び出したこの構造はどうなって
いたのだろうか、掲載した写真ではその構造
が全く不明瞭ではないか!という重要な事に
気付い

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