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# 植物図鑑 『有毒編』

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身の回りにある植物の有毒情報を紹介
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駒草

駒草

駒草 (コマクサ)

キンポウゲ目、ケシ科、コマクサ属

その花姿を馬の顔に見立てて命名された植物。
その命名者とは我らが牧野富太郎博士による。

山岳地帯の強風が吹き荒ぶ様な寒くも過酷なる
環境の岩場に自生しており、その姿の美しさと
希少価値の高さの両方から『高山植物の女王』
と呼ばれている植物である。

その呼び名も相まって、見つけた者が持ち帰る
事例も少なくはなく、絶滅危惧種となっており

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浦島草

浦島草

浦島草 (ウラシマソウ)

天南星(テンナンショウ)の一味のひとつ。

キノコバエを受粉協力者とする為に、この虫
の好物のキノコの匂いを漂わせて花の中へと
誘い込んで受粉を手伝わせる。キノコバエは
その魅惑の匂いに騙されて受粉のお手伝いを
させられる割に、餌も何も与えられず協力損
の役回りである。この天南星グループは雌雄
異株であり、雄花の方は抜穴がある為に脱出
可能であるが、雌花には抜穴は設けら

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亜米利加蝋梅

亜米利加蝋梅

亜米利加蝋梅 (アメリカロウバイ)

クスノキ目、ロウバイ科、クロバナロウバイ属

北米を原産とする落葉低木で、飴色の花を
咲かせる蝋梅(ロウバイ)の仲間となる。

その見た目はチョコレート色、そして芳しき
その香りはストロベリーそのものという魅惑
の植物であり、色と香りにしばし良いしれる。

残念ながら、ロマンチックムードを台無しに
してしまうが、これの実は猛毒で食べたら
悶絶する程の激痛の後に

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紫華鬘

紫華鬘

紫華鬘 (ムラサキケマン)

ケシ科、キケマン属、ムラサキケマン種

日本の固有種のケマンソウであり、外来種の
ものより生息域は狭いもの。

その名にある華鬘(ケマン)とは仏具の事で
花の形が似ているからとこの名がついた。

この独特な形状の花だが、斜めに傾斜してる
距(キョ)と呼ばれる先端部に蜜が蓄えられて
おり、それを求めて小型のハチが潜り込むと
ハチの体の重みにより花弁が下がると同時に
雄蕊

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藤擬

藤擬

藤擬 (フジモドキ)

アオイ目、ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属

中国原産の薬用植物で、日本へは江戸時代の
初期に鑑賞目的に渡来してきた。

写真は夕刻の日が沈む前に撮影したが、その
藤色の花がとても幻想的で吸い込まれる様な
魅力をもつものである。フジモドキの名称は
藤色の花の色からついたものである。

その花には薬効成分が含まれており、利尿、
去痰、鎮咳、腰痛、疥癬、腹水、喘息、等
に用いられ

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SPRING STAR FLOWER

SPRING STAR FLOWER

スプリング スター フラワー
(SPRING STAR FLOWER)

キジカクシ目、ヒガンバナ科、ハナニラ属

春のこの時期になると樹木の下に群生して
星形花を咲かせるのがこれである。

アルゼンチン原産の植物で、日本への渡来は
江戸時代、観賞用としてきたものとなる。

さて、このハナニラ、名前がいけないと思う。
顔を近付けてみたなら、なるほど韮の香りが
して、何だか美味しそうな気がする。

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花韮

花韮

花韮 (ハナニラ)

キジカクシ目、ヒガンバナ科、ハナニラ属

独特の質感を持った花を咲かせてくれる。
明治時代に日本には観賞用に渡ってきて
今では普通に公園や山道などに自生する
多年生草本となる。

メタリック感とは少し違うのだが、陽光の
下では光を反射するので見た目の雰囲気が
変わる。言い方を変えると陽光よりも日陰
にあるままでの撮影の方がこの花は美しく
映える。

この花の色を私は3種類知っ

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沈丁花

沈丁花

沈丁花 (ジンチョウゲ)

アオイ目、ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属
の常緑広葉樹の低木となる

梔子(クチナシ)、金木犀(ギンモクセイ)に
並らぶ、日本三大芳香木のひとつに数えられ
その芳香の強さは、胸を締め付ける感覚にも
近いものがあり千里花(センリバナ)の異名
も頷けるもの。

平安時代には、香りを遊ぶ文化が日本の中に
始まり、沈丁花もその中のひとつだった。
私もこの香りがとても好きで、強く

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鈴蘭水仙

鈴蘭水仙

鈴蘭水仙 (スズランスイセン)

ヒガンバナ目、キジカクシ科、リウジコウム属

白花が緑葉に鮮やかに映えるスズランスイセン。

雨の中でも、陽光の下でも爽やかな印象を保つ。

日本では、あちこちに定着してる感があるが
原産地のひとつであるドイツでは絶滅危惧種に
指定されているという。

何だか寂しい気持ちがするのである。

和名 鈴蘭水仙 (スズランスイセン)
   大待雪草 (オオマツユキソウ)

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樒

樒 (シキミ)

アウストロバイレア目、マツブサ科、
シキミ属の常緑小低木で日本原産であり
本州から沖縄までに自生している

この樹木は、葉を傷つけると抹香の香りが
漂うため、線香の原材料に使われたりもし
『香』の文字を使われている名が複数ある。
香木 (コウノキ)、香柴(コウシバ)、
多香木(タコウボク)などがそれである。

仏事に多く使われ、仏前や墓前に供えられる
もので、寺院や墓地などによく

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BLACK NIGHTSHADE

BLACK NIGHTSHADE

ブラック ナイトシェード
(BLACK NIGHTSHADE)

ナス目、ナス科、ナス属の一年草となる。

『ブラックナイトシェード』の洋名がつくが
直訳すると『漆黒の闇』を表している。

この名には二つの意味があり、実際に日陰
を好んで生える性質と、もうひとつはその
有毒性からくる名前とも言われる。

この植物は全草にソラニンなどの有毒物質
を含んでおり、これを食した後30分程で
嘔吐、腹痛、下

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悪し実

悪し実

悪し実 (アシミ)

ツツジ目、ツツジ科、アセビ属の多年生の低木

死の世界へと誘う実、ゆえのこの呼び名

現在は『馬酔木』と書いて、『アセビ』と呼び
馬がこの樹木を食すと酔った様に倒れてもがき
苦しみ死んでしまう事から、この漢字が使われて
いるものである。

『アセビ』の名の由来は『悪し実』とされてて
『アシミ』→『アシビ』→『アセビ』と変遷を
してきたとの説が最も有効だと私も考えている。

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房咲水仙

房咲水仙

房咲水仙 (フサザキスイセン)

キジカクシ目、ヒガンバナ科、スイセン属の
多年生植物であり、有毒植物でもある。

これは日本水仙(ニホンスイセン)の原種と
呼ばれているものであり、その特徴としては
花弁がとても長いのと、先が尖る形状にある。

その葉が韮(ニラ)のそれに似ている事から
これを誤食する事故が毎年、起きている。
全草全て危険な毒成分が含有する為、誤って
食べない様に、注意が必要となる

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ボタニカルリポート 宮古島

ボタニカルリポート 宮古島

毎年11月を、枚方市カヌー協会の合宿ツアーを
恒例としているもので、今回は宮古島のリポート
となっている。

植物に昆虫に、動物に魚類などの総合リポートを
目指していたが、意外と虫に遭遇しなかった。

そしてシュノーケルをするも、やはり海中の中で
操作しずらいIPHONEでは難しく不明瞭な画像の
解説は無理があるなと判断した。

よってネイチャーリポートではなく、ボタニカル
リポート(植物記録)の

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