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# 植物図鑑 『花姿編』

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開花の写真をセレクトし、ここに掲載しています。
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#Camellia

光源氏

光源氏

光源氏
(ヒカルゲンジ)

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属の園芸品種。
こちらのツバキは江戸時代に関東地方で産出
された古典品種であり、世界各地からも購入
の多い椿の中の名品とされている。

海外で求められる椿(カメリア)のカタチは
花が大きく咲き、ゴージャスに見えるものが
好まれるので、日本の猪口咲や筒咲のものは
あまり好まれない傾向がある。だが、こちら
のヒカルゲンジは西洋カメリアをも凌ぐ魅力

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菱唐糸

菱唐糸

菱唐糸(ヒシカライト)

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属

関西で古くから植えられる古傳品種の椿で
『草木便覧』(1844)にも記載が残る。

八重咲蓮華咲の花弁は二十枚にもなるのだが
形がとてもよく整っており、桃色の花弁には
ほんのりグラデーション仕立てとなっている。

二条城、霊鑑寺、城南宮、と椿の名所として
有名な場所にて、出会える椿のひとつとなる。
開花時期は訪れる場所により異なる事を追記

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玉之浦

玉之浦

玉之浦 (タマノウラ)

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属

鮮やかな紅花弁に白縁がくっきりと浮かんで
見ているだけで惚れ惚れとしてしまうこの椿
以前に『幻の椿』として紹介したものである。

長崎県五島列島の福江島玉之浦町父ヶ岳の山中
にて発見されれた薮椿の突然変異種である。
『玉之浦』は発見された町名からとられた名称。

長崎県のツバキ協会の展示会にこれが出展され
『なんと美しい椿じゃ!』と出所の記

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胡蝶侘助

胡蝶侘助

胡蝶侘助 (コチョウワビスケ)

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属

茶花と知られるのが、『侘助』

花が筒状咲の、猪口咲と、花が開ききらずに
控えめな感じがとても良いと、あの千利休が
こよなく愛したのが、この『侘助』である。

千利休の下働きをしていた庭師が『侘助』と
いう名だった事に由来するとされている。

日本のものの美を表す言葉の中に『侘び寂び』
があるが、この花には慎ましく質素な美しさ
を感

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GAKKOU

GAKKOU

GAKKOU
ガッコウ
月光

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属

『月光』と表記し、(ガッコウ)と読む椿。

濃い紅色の花弁がその中心に抱えるその花芯が
白く細かな花弁が沢山並ぶ姿を見せる椿。

この中心部が外周の紅色と同じ紅色だったなら
それは『日光』(ジッコウ)と呼ばれるもの。

中心部の蕊部分が、細かい花弁の姿の椿を指し
唐子咲と呼ばれる椿の品種となる。

城南宮(ジョウナングウ)の椿園(50

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海棠椿

海棠椿

海棠椿 (カイドウツバキ)

ツツジ目、ツバキ科、ツバキ属の常緑樹。
ベトナムを原産とするツバキとなる。

日本のツバキとの違いは、花弁のその厚み。
写真からも、その肉厚ぶりは伝わる事と思う。

その美しさからか、育てやすいからなのか
意外と多くの植物園で見かけるツバキである
にも関わらず、これを見る度に心を奪われる
私なのである。

ツバキというと、日本の品種の素晴らしさは
海外からも買いに来ら

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TSUBAKI ★ SELECTION 25

TSUBAKI ★ SELECTION 25

椿 (ツバキ)

カメリア (CAMELLIA)

これらに分類される植物を25種類が集まり
特集記事としたものである。ここでは過去の
記事のリンクと画像を一枚、そして名称だけ
表記している。

海外にもカメリアは人気のある樹木であるが
日本のツバキは、世界からも注目されており
そんな事もあって、ここでのツバキ特集には
アルファベットタイトルに統一した。

このコーナーは継続し、今春までには残りの

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NEKO NO KOI

NEKO NO KOI

猫ノ恋 (ネコノコイ)

色んな椿を扱っている奈良は大和郡山の椿園、
『椿寿庵』早咲きの椿を堪能した楽しい時間で
この日に私が撮影したのは45種にもなった。

そんな中に小さな鉢に植えられていた椿があり
この札に書かれていたのが、『猫ノ恋』である。

撮影してから色々と調べたが全く情報がない。
面白いほどに情報がない。たまにはこんなのも
良かろうと掲載した。3月には再びこの椿園を
訪れる。早咲椿の

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CINNAMON CINDY

CINNAMON CINDY

シナモン シンディ
(CINNAMON CINDY)

アメリカを原産とする西洋椿の園芸品種の椿
で、寒陽袋(カンヨウタイ)と ルチェンシス
を掛け合わせて作られたツバキとなる。

その花からはシナモン、つまりニッキの様な
香りが漂う事からついた名前である。

真っ白な花弁が八重咲に並ぶ中、外側の花弁
にほんのりと薄桃色の暈し(ボカシ)が入る
美しい花のツバキである。

本来は花を多く咲かせる椿だ

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HARUMACHIHIME

HARUMACHIHIME

春待姫 (ハルマチヒメ)

特殊な交配によって生まれたものである。
椿(ツバキ)と、茶(チャ)の異種間での
掛け合わせて生まれたハイブリッド品種で
人の手によって交配され生み出されたもの。

農業技術研究機構の緑化植物研究所による
ものであり、種子親としてツバキ、花粉親
としてはチャノキを交配させたものとなる。

両者は、分類上はどちらもツバキ目分類で
あり、それによって交配は成功に至った。

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BOKUHANNISHIKI

BOKUHANNISHIKI

卜伴錦 (ボクハンニシキ)

BOKUHANNISHIKI

椿の中でこの咲き方をする椿の事を唐子咲き
(カラコザキ)と呼び、希少品種となる。

椿が人に愛され、品種改良などを経て履歴が
分かるものもあるが、こちらの椿は原産地や
来歴、品種履歴などが謎に包まれている。

唐子弁が直立し並ぶ形は素晴らしく、エッジ
がギザギザに立つ事から立体感が際立つため
花そのもののディテールがクッキリ浮かぶ。

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MURASAKISHIKIBU

MURASAKISHIKIBU

紫式部 (ムラサキシキブ)

MURASAKISHIKIBU

『源氏物語』の作者である『紫式部』の名の
ついた椿である。

その花はやや紫掛かったものとして紫紅色に
分類されるもの。陽光の元では若干の青味を
感じさせられるが、色の世界は中々に難しい
と実感させられるもの。

花の咲き方は、 一重筒咲きにして、極小輪の
特徴をもってて、繊細な美の印象がある花。

では、実際の紫式部とはどんな女性で

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MISHOU

MISHOU

微笑 (ミショウ)

MISHOU

愛媛県四国中央市の正覚寺の奥庭に、これの
原木があり、門外不出とされていた幻の椿。

侘助(ワビスケ) 系統の花は、一重咲きにて
花弁は薄桃色の基調に、紅や白の暈(ボカシ)
が浮かぶ美しいものである。

微笑と書いて、ミショウと読む。二百年もの
長き年を箱入りであった娘が、表に出てきて
微笑む顔にも見える。

花は閉じ込めておくものでなく、多くの目に
触れてこ

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YAMATO KASURI

YAMATO KASURI

YAMATO KASURI

大和絣 (ヤマトカスリ)

白地の花弁に、鮮やかに縦紅が入る椿の品種。

絣(カスリ)という言葉の意味は、織物の技法
を表したもので、前もって染め分けた糸を経糸、
緯糸、などをして織り上げ、文様を表したもの
であり、日本に於いては昔からの技法。

その技法より、かすったようにところどころに
小さな模様を出した織物を指し絣(カスリ)と
呼ぶ。

この椿に入る繊細な縦紅絞

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