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# 植物図鑑 『花姿編』

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2024年8月の記事一覧

ゴッホの絵の中のヒマワリ

ゴッホの絵の中のヒマワリ

向日葵 (ヒマワリ)

キク目、キク科、ヒマワリ属

ヒマワリはガンガンと照りつける太陽にも
負ける事なく元気いっぱいに咲く。子供の頃
大人にヒマワリは太陽をその花が追うんだよ
とウソを教えられた事があるのを思い出す。

さて、ヒマワリと聞いたら、誰の画が真っ先
に思い浮かぶかと質問されたなら、多くの人
がゴッホの名前を挙げる事だろう。それだけ
ゴッホが手掛けたヒマワリは記憶に残る絵に
なっており

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八重咲三友花

八重咲三友花

八重咲三友花 (ヤエザキサンユウカ)

インド原産のキョウチクトウ科、サンユウカ属
の常緑小低木となる。

この植物の三友花(サンユウカ)の名は中国の
名をそのまま持ってきたものだが、その由来は
不明とされている。

洋名のアダムズ アップルは、禁断の実を意味し
それは以前の記事にて解説した通りである。

白い八重咲花は、一見すると梔子(クチナシ)
にも似るのだが、クチナシに比較すると香り
は殆ど

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WATER LILY

WATER LILY

ウォーター リリィ
(WATER LILIES)

スイレン目、スイレン科、スイレン属

流れのない水、澱みの中に咲く花
それがこの、睡蓮(スイレン)
洋名では、ウォーターリリィ

不浄の中から咲くのに美しいことから
仏教の中での聖なる植物とされるもの

蓮(ハス)と違い、水面ギリギリにて
その花は咲く

葉もまたハスと大きく違い、水面へと
浮かぶスタイルとなっている。それゆえ
この円形の葉には、

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LYCIANTHES RANTONNETII

LYCIANTHES RANTONNETII

リシアンサス ラントネッティ
(LYCIANTHES RANTONNETII)

ナス目、ナス科、メジロホオズキ属

パラグアイ、アルゼンチン、など南米原産
の樹高2〜3m程に育つ常緑低木となる。

花は鮮やかな青紫~紫色で、放射状に濃い色
の筋が5本入り、真ん中に黄色い目がある。

国内での開花時期は、5〜11月と花の期間
がとても長いものだが、原産地では一年中に
渡ってその花を楽しめるもの。

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美しき花の名前が表す『怖い絵』の秘密

美しき花の名前が表す『怖い絵』の秘密

夏場に咲くその花が涼しげな色である事から
瑠璃茉莉 (ルリマツリ)の名称や、青茉莉
(アオマツリ)でも呼ばれている人気の高い
花である。

イソマツ科、ルリマツリ属の多年生植物。

この花の洋名と学名には、恐ろしい歴史的な
背景が潜んでいる事はあまり知られていない。

ケープ プルンバゴ
(CAPE PLUMBAGO)

タイトルとした今回の洋名を紐解いてみると
ケープは、原産地である南アフリカ

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TIGER LILY

TIGER LILY

タイガー リリー
(TIGER LILY)

ユリ目、ユリ科、ユリ属の多年生草本

草丈100〜150cmとなるユリ。

橙色地に黒点の入る花弁の反り返った
その花の大胆さと派手さからついている
洋名は『虎』が潜み、和名は『鬼』宿る。

どちらの名も相応しい。

最後の一枚には、トンボがゲスト出演。

和名 鬼百合 (オニユリ)
   天蓋百合 (テンガイユリ)
洋名 タイガー リリー
   (T

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松村草

松村草

松村草 (マツムラソウ)

シソ目、イワタバコ科、マツムラソウ属

多年生常緑植物で、崖や急斜面に生える
草丈25〜50cmの多年生常緑植物。
マツムラソウのこの名は東京大学の小石川
植物園初代園長であった松村任三を記念し
つけられたもの。

日本では、石垣島、西表島に自生しており
両方の島においても限定された場所にしか
見つけられていない。この手の希少植物は
自生地を明確にすると、マニアがそれら

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セイロン ライティア

セイロン ライティア

セイロン ライティア
(CEYLON WRIGHTIA )

スリランカ、インドと南アジアが原産の
キョウチクトウ科、ライティア属の植物で
熱帯や亜熱帯地方で良く育つ常緑低木。

樹高は2m程度までの高さとなるもので
可憐で美しい花を咲かせるので観賞用と
して、とても人気があるもの。

ジャスミンにも似るその花は、さぞかし
良い香りがするのだろうと鼻を近づけど
残念なことに香りは殆どしない。

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デュランタ タカラヅカ

デュランタ タカラヅカ

デュランタ タカラヅカ
(DURANTA TAKARAZUKA)

シソ目、クマツヅラ科、デュランタ属

クマツヅラ科に属する植物は、これも含め
生命力が強い植物である。

暑さにもへこたれず、その花姿は凛として
魅力的である。

ランタナも、バーベナも、クマツヅラに属し
花のカタチをよく見ると作りは同じ感じに
仕上がっている。

このデュランタタカラヅカは、南国の西表島
(イリオモテジマ)にて撮

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LOVE IN A MIST

LOVE IN A MIST

ラブ イン ア ミスト
(LOVE IN A MIST)

恋愛映画のタイトルの様なこの名がつく植物

キンポウゲ目、キンポウゲ科に属する黒種草
(クロタネソウ)の一般的な洋名となる。

この名前は、花を取り囲む繊細でふんわりと
した葉状の苞(ホウ)が、まるで霧(ミスト)
の中に包み込まれているかのように見えること
から付けられた名前となる。

苞に包まれた花姿が、神秘的でロマンチックな
雰囲気を

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日本で一番低い山、そこに咲く暴れん坊

日本で一番低い山、そこに咲く暴れん坊

天保山(テンポウザン)、大阪市港区にある
標高4.53mの山であり、日本で最も低い山
として知られているもの。この山は、人工的
に造られたものであって、元々は1831年
(天保2年)に大阪の港湾工事によって出た
土砂を集めて築かれた築山となる。その元号
をとり『天保山』の名前が付けられた。

歴史的には、江戸時代から明治時代にかけて
大阪港の発展に寄与し、また景勝地としても
親しまれたもので、一時

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ANTHURIUM SCANDENS

ANTHURIUM SCANDENS

アンスリウム スカンデンス
(ANTHURIUM SCANDENS)

オモダカ目、サトイモ科の着生植物で半蔓性
のアンスリウムで、日陰にひっそりと咲く姿
が控えめで可愛い品種となる。

このアンスリウムを始め、サトイモ科の植物
は、その特徴として肉穂花序を包む形で苞と
呼ばれるものが備わっている。

この苞を『仏炎苞』(ブツエンホウ)と呼び
アンスリウム以外では、スパティフィラムや
カラー、ミズ

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川緑

川緑

川緑 (カワミドリ)

シソ科、カワミドリ属に属する多年生草本

カワミドリは東アジアを中心に分布しており
日本、中国、韓国に自生。湿地や川辺などの
比較的湿った場所に生息する植物。

草丈は50〜150程度に成長する多年草で
茎は直立し、断面は四角形で毛が生える。

夏から秋にかけ、茎の先端や葉腋から小さな
穂状の花を咲かせる。花色は淡紫や白が多く
観賞価値の高い植物である。

カワミドリは、か

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極楽鳥花、横から見るか?前から見るか?

極楽鳥花、横から見るか?前から見るか?

極楽鳥花 (ゴクラクチョウカ)

ショウガ目、ゴクラクチョウカ科、

多年生植物で、大胆なフォルムの花の形に
多彩な色の花ゆえ、世界から愛されている
花のひとつと言えよう。

洋名にある『バード オブ パラダイス』が
表す通り、この名はパプアニューギニアの
美しき羽をもった鳥、極楽鳥に由来する。

いつもは真横を向いているこの花が珍しく
真正面に向かって咲いていてパチリ。角度
が変わると別の花にも

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