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【宇宙ビジネス】今週のニュース 2024/3/25



カイロス打ち上げ失敗 敷地の焼損面積980平方m、施設の損傷なし

宇宙ベンチャー「スペースワン」の小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げ失敗に絡み、和歌山県串本町の射場「スペースポート紀伊」で消火活動などにあたった町消防本部の泉紀人消防長が18日、現場の状況などを明らかにした。爆発による焼損面積は山林やロケットの残骸を含め約980平方メートルで、発射場の施設について大きな損傷はなかったという。


NECと米Skyloom、100Gbps宇宙光通信技術の開発に向け協業

NECと米Skyloom Global Corporationは2024年3月19日、衛星ネットワーク用の最先端光通信装置の共同開発に合意したと発表した。両社は、速度100Gbps以上を実現する衛星間光通信の技術開発を進める。2025年末の完成を目指して100Gbps光通信端末の共同開発、テスト、製造に取り組み2026年には開発した製品を宇宙環境で実証し、その後、世界市場に提供していく予定。


宇宙への核配備防ぐ、日米共同提案

上川陽子外相、ニューヨークの国連本部で核軍縮・不拡散を議論する安全保障理事会の閣僚級会合の議長を務めた後、宇宙空間に核兵器を配備しないよう各国に促す安保理決議案を米国と共同提案したと記者団に明らかにした。宇宙空間に配備する対衛星核兵器を開発中と伝えられるロシアを念頭に置いた対応とみられる。


SpaceXがケープカナベラルで改修した射点(SLC-40)からfalcon9の打上げに成功


3月21日、SpaceXが改修した射点(SLC-40)を用いてfalcon9の打上げに成功した。SLC-40は元々貨物輸送ミッションに使用する射点であったが、改修により有人ミッションに使用できるようになった。また、改修により打上げ前24時間に貨物を積み込むことができるようになり、貨物輸送ミッションにおいても対応ミッションの幅が広がっている。


地盤変動可視化サービス「LIANA」に低価格プラン–精度はmmやcm、21万円から


衛星データで斜面や地盤、インフラの変動をミリメートルやセンチメートルの単位でモニタリングするサービス「LIANA」に低価格帯で定額利用できるサーブスプラン「LIANAメッシュ」(メッシュプラン)の提供が開始。SAR衛星が撮影したモノクロ画像にスカパーJSATが開発した解析アルゴリズムを実装、ミリメートル単位で衛星画像に含まれる対象物の変動量を時系列で可視化できるサービスで、低価格での提供が求められていた。



SpaceXのStarship、4回目試験飛行の5月上旬実施を目指す

人類史上最大のロケットを開発するSpaceX社のStarship / Super Heavyが、3月に行われた3回目の打上げ試験飛行に続いて、4回目の試験飛行を早ければ5月に実施する。3回目の試験飛行ではStarshipの宇宙への投入に成功したが、StarshipとSuper Heavyの再着陸(正確には着陸を模擬した洋上への着水)は失敗した。

https://www.nasaspaceflight.com/2024/03/starship-passes-milestones-ift-4/


Boeing、スターライナーの有人試験を早ければ5月1日に開始


NASA関係者らは、NASAがBoeingのスターライナーによる初の有人試験打ち上げをついに実施する準備ができたと発表した。早ければ5月1日までにスターライナーで国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられる予定だ。2022年5月の無人ミッションでは、打ち上げからISSへのドッキング、地球への帰還に成功したが、安全性に問題があるとして、これまで有人での飛行は延期されてきた。



中国、通信中継衛星「鵲橋2号」打ち上げ成功–月裏からのサンプルリターン「嫦娥6号」を支援


中国は現地時間3月19日、通信中継衛星「鵲橋(じゃっきょう)2号」(Queqiao-2)を「長征8号」ロケットで文昌衛星発射場から打ち上げた。鵲橋2号は、中国による月の裏側からの試料(サンプル)を回収するサンプルリターンミッション「嫦娥(じょうが)6号」(Chang’e 6)で地球との通信の中継を担当する。嫦娥6号は5月の打ち上げが予定されている。


AT&T、スマートフォンへの直接衛星サービスの実現へのサポートを強調


衛星事業者であるAST SpaceMobileは1月にAT&Tや他の投資家から1億5500万ドルを調達したが、AT&TはさらにAST SpaceMobileに投資を進める予定であることを明らかにした。AST SpaceMobileは衛星打上げ以外にも、地上モバイル パートナーからの電波の使用許可を得るために多額のロビー活動資金を費やしていると述べた。


夜空に輝く「新星」、9月までに現れる見通し 生涯に一度の天体ショー

NASAは今から9月までのいずれかの時点でうしかい座とヘルクレス座の間に位置するかんむり座に「新星」が現れる見通しだと発表。かんむり座には、死んだ白色矮星と晩年期の赤色巨星で構成される2連星の「T星」があり、79年ごとに爆発が起きている。2連星は近距離にあるため、白色矮星が赤色巨星に熱せられることで熱核反応の暴走により新星が誕生する。T星が前回輝いたのは1946年で、次回は2100年代初め頃。


宇宙ごみ除去に商機 スカパー、米欧と提携模索

衛星通信大手スカパーJSATの米倉英一社長(66)が共同通信のインタビューに応じ、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去事業で世界的な商機拡大を目指すと表明した。宇宙開発競争が加速する中、増加するデブリは大きな脅威となっている。「資金調達や技術面で効果がある」と述べ、米欧企業との提携を見据えていることも明らかにした。


水道管:衛星で水道管漏水調査 宮城・福島関係機関が合意 コスト下げ料金抑制に /宮城

宮城、福島両県の関係自治体や水道企業団は19日、地中に埋められ老朽化した水道管の漏水状況を、2024年度から人工衛星を使って調査することで基本合意した。手作業だった調査コストを削減でき、水道料金の抑制にもつながるとしている。計14市町の水道管が対象。事務局の宮城県によると、衛星を使い県境を越えて共同で漏水調査するのは全国初。


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