世渡り下手の綱渡り

 社内資格の試験があった。マネジメントに関する資格で、これに合格しないと次の職級に進めない。なんというか、来年度中に辞めてしまおうと思っているのに受けてるのは不思議な気分だ。
 結果の発表は3月だけど、まあたぶん落ちているだろう。当然というか、辞めようと思っているのに勉強するモチベーションが出るわけもなく。学習時間は今朝電車の中で情報試験のマネジメント分野を解いたくらい。時間にして約20分間。自信を持って回答したところはごく僅か。特に社内規則に関する問題はほぼ壊滅していた。
 ただ全体としてはそんなに難しいとは思わなかった。きっと春に受け直したら合格できるでしょう。

 それはともかく。試験に合格するかどうかよりずっと大きな問題が露見した。試験を受けた同僚たちが、みんな過去問を持っていたのである。
 紛らわしい言い方をした。過去問が流出しているのが問題なのではなくて、みんな(私以外の3人中3人)が過去問を持っているにも関わらず、私だけ持っていないことが問題である。なんというぼっち。各自が先輩に掛け合ってそれぞれ入手していたらしい。これ、同僚の誰か1人が手に入れて他の同僚と共有していたのであればより悲しい状況だった。ぎりセーフ、かなあ。
 一応私も直属の先輩に「どんな問題が出るんですか?」と聞いたことはある。その時はなんだかぼんやりした要領を得ない答えが返ってきただけだった。周りの話を聞く限り、声をかける先輩を間違えたというか、当たりを引くまで粘らなかったのがまずかったようだ。

 そんなこんなで、他の同僚たちは問題までほぼ把握して受けている中、私だけは出題・解答形式すら知らずに臨んでいたのである。
 試験後に上司と話して言われたのは「相変わらず立ち回り下手だなあ」だった。まあその通り。コツコツ勉強するのはとても苦手な部類だけど、お勉強という分野は得意な方なのだ。上司も「君なら2〜3回やってればいけるでしょ?」という感じで、たぶん春に合格できる自分の感覚は間違ってない。
 ただただ立ち回りが下手なのだ。思い返せば2年前、今の職級に上がる時も同じだった。試験内容やら論文やらをぶっつけで挑んだのは私だけ。後から聞いたら、同期たちは過去問を手に入れて論文も見せてもらっていたとのこと。全く同じ状況である。この分野は全く成長していない。

 帰りながら思ったのは、やっぱり社会に向いてないなあということ。社内での微妙な関係構築ができていない。例え試験の成績が良かったとしても、実際のプロジェクトではこれが致命傷になり得るだろう。というか、そういうトラブルを今年度だけで数回引き起こしている。
 誤魔化し誤魔化しやってきたけど、私だいぶグレーだよなと、そういうチェックポイントを通過した気分だ。世の中を渡る、その足元がまた揺らいだ1日だった。

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