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なんでいつまでも独身か。

38歳。なんでいつまでも独身か。彼氏もいないし、セクシャリティがマイノリティなのかとかたまに聞かれる。

実は自分でもよくわからないというのが本音だ。ぼんやりと38歳になってしまった。結婚したくないわけではないのだが、特にしたい!という気持ちが今まで湧いてこなかった。彼氏もいたら楽しそうだけど〜くらいの感覚だ。アセクシャルに近いのかもしれない。

私にとって結婚は、例えるなら車の購入だ。田舎で生活するには車がないと不便だし、ほとんどの人が一人一台乗っている。ないと生活がとっても不便になる。でも、都会に住む人は必ずしもそうでない。維持コストはかかるし、電車があるからなくても平気。そうなると、車を所有するのは車が趣味の人、お金が十分にある人だけになると思う。

結婚も、恋愛が好きな人か、お金が十分にあってリスクを取れる人じゃないと必要がないだろう。

ほとんどの人が車大好きな世界で、「車あまり興味ないな」と言うと、「本当は車欲しいのに自分に嘘をついてる」「車が好きじゃないの?じゃあ電車派?」という反応。なぜどちらかを好きなのが前提なのだろうか。

そもそも車に大した興味がないので、「どの車が好き?」と聞かれても、うまく答えられない。判断基準もよくわからないので、デザインで「これがカッコいいかな?」くらいのことしか言えない。
たぶん乗り始めると、乗り心地や燃費、サイズ感など気になるのだろうと思う。デザインだけで選んで後悔したこともある。しかし、どれくらいが自分にとって適正なのかよくわかってない。ファミリーカーがいいのかスポーツカーがいいのか。そもそも、差し迫って必要のないものについて深く考えるのがめんどくさい。

すごく気に入った車が見つかる時もあるし、欲しいなーと思うこともある。でも手段だけなら電車や飛行機も選べる。手に入れれば行動範囲は広がるし、乗るのもきっと楽しいと思う。

定期的に「結婚したーい」と口にする時もあるが、それは嗜好品として車が欲しくなったわけではなく、「車があったら生活が便利だなー」という意味で、目的は生活の方にある。車を買うにあたって必要なお金やリスクについて考えたらそう簡単にいかないこともわかっている。よっぽど惚れ込んだ車が見つかれば話は別だけど、今のところ見つかっていない。見つかったら買いたいとは思っている。

「男が好きになれないなら、女は?」と言うのは「車欲しくないなら、電車買えば?」と言ってるようなもので、電車の方が車よりよっぽどハードルが高いし、相当な覚悟がないと買えないのだ。

しかし、車の購入と違うのはこっちが気に入ってお金を出しても向こうがイエスと言わなければ買えないことだ。そう思うと世の中の男女がカップルになれるのは奇跡みたいな話だし、性欲という嗜癖が存在するのはさまざまなリスクから盲目にするためのよくできたシステムなのかもしれないと思う。

こう書くと、相手を人間と思ってなさそうだが、恋愛結婚が絡まなければ人は人間である。それが、恋愛市場に出た途端に人でなくなってしまう。なので、大事な人には恋愛市場で会いたくないなーと思っている。

友達が今みんな車に乗っている。車に乗らないと見られない風景があるし、楽しそうではある。でも、じゃあ私も乗る!とならないところが、マイペースなのかもしれない。徒歩はゆっくりだけどいろんな人に会えたり、道草できたりして、結構楽しいと思っている。

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