見出し画像

#1 暗号資産はあらゆるの希少性の乗り物になる?

元coinbaseCTOのbalaji氏のこんなtweetを見かけました。ブロックチェーンに長く関わっている人にはそうだよね、という話かもしれないけどそれ以外の人にはなんすか?という話だったりすると思います。なので少し解説してみます。


tweetを意訳してみるとこんな感じになります。

インターネット誕生時と対比して当時の人々の同じような誤解がCryptoにもあるという内容。

インターネットはラジオ、テレビの次の新しいチャンネルだと思われたがそうではなく全てのチャンネルだった。インターネットラジオ、インターネットテレビという風に。

Cryptoは法定通貨、証券、不動産などと並列の次の新しい資産クラスだと思われたがそうではなく、全ての資産クラスであると。

- programmable information:全ての情報の表現がパケットに変換され、ネットワークに送られる
- programmable money:全ての希少性の表現が分散台帳の記入に変換され、チェーン上で操作される

Internet側の話

「all forms of information were turned into packets」とはもちろんIPパケットのこと。ラジオのような音声データも、テレビのような映像データもIPパケットに分割することで一様に扱うことができる。規格化されていることで配送網上では中身がどういったデータかを気にすることなく送信することができ、受信者も内容を気にすることなく受け取ることができる(L3ネットワーク層までは)。

また、インターネットのもう一つの特徴はネットワークが万人に開かれていて(例外地域あり)、誰もが情報を送受信できるようになったこと。これは通信技術の発達により電子データの配送が効率的になったため。

Crypto側の話

Internetと情報の関係がCryptoと希少性にもあるらしい。現在、いろんなアセットクラスがいろんな表現方法で存在している。お金(紙幣・通帳上の数字、帳簿上の売掛金etc)、証券(株券[廃止]、証券会社の提示する数値)、トレーディングカード、ゲームアイテム、人材(紹介会社のDB)、ゴミのようなデジタルアート、素晴らしいデジタルアート...。これらがpublic chain上で規格化(=トークン化)されるとどうなるだろう?

ひとつはアセットの交換がスムーズになる点。通常、素晴らしいデジタルアートと人材を交換しようと思うと骨が折れます。でもどちらも同じ規格にトークン化されていればチェーン上でスワップすることは簡単です。

もう一つは流動性を得られる点。インターネットによって情報に流動性がもたらされました。どんなゴミデータも地理的条件や立場に関係なく発信することができ、受け取ることができます。同じようにpublic chainで表現されたどんなアセットにも買い手・売り手がつく可能性がもたらされます(DefiやNFTマーケットが顕著な例)。地理的制約や表現(管理といっても良い)方法による制約によってこれまで過小評価されていたモノ・コトが見直されたり、無価値と思われたものに価値が発生する可能性がもたらされます。素晴らしそうに聞こえますよね?ところで流動性の有無によって価値が変化するのはなぜでしょうか?

価値とは、そこに価値があると見なすコミュニティがあって成立する

価値の大きさはみんながそこにどれだけ価値があると見なすかで決まります。なので誰の目にも触れないモノ・コトには価値がつきようがなく、評価者が多いほど価値を見出す人の絶対値が増えます。

まとめ

Internet Protocolの発明によって情報の表現が規格化された結果、どんな内容の情報も同一の方法で取り扱うことが可能になり、それが情報の流動性に大きな変化をもたらしました。

blockchain(tweetでは分散台帳と表現しているが)の発明により、希少性(=資産)の表現が規格化された結果、どんな資産も同一の方法で取り扱うことが可能になり、それが資産の流動性に大きな変化をもたらすだろう、という話。

余談)ところでゴミっぽいデジタルアートのNFTに意味はあるのか?

無価値そうなものでもNFTという規格に落とし込んで、public chainを通じて世間に晒されることでそこに値段をつけたい人が現れるかもしれない。価値があるかどうかは僕ではなく、マーケットが決めれば良いので、どんなデジタルアートでもNFT化することには意味はあると思いました。

続き
https://note.com/egapool/n/nf316ed8b3106



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?