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大切な人のこと

しっかりしていて、
いつも笑っているわたしのことが好きだと言った。
けど、そうじゃなくても大事だよって、そう言った。
全部見通されてる気がして、
なんだか恥ずかしくてでも嬉しくて幸せだった。
そんな人と過ごした時間が過去になった。
思い出になった。
これまで誰にも話せなかったけれど、
時間は何もかもを癒し、解決してくれるのだと、
身をもって体験した。もう大丈夫になった。
思い出話としてお酒のつまみにできるくらい。
彼以外ものはくだらないと思って生きていたわたしが、
ちゃんと自分や、周りの人たちを見ようとして
大切にしたいと心底思うことができる今が、
きっと彼と離れた意味なんだろうと、
そう思うことができる。

彼からはたまに連絡がきて、
心配してくれる時もあればただ茶化して笑わせてくれる時も。
友達には戻れない。
それは、わたしたちは男と女だったのだから。
ただ、大切な人です。嫌いになんてなるわけがありません。
でも、恋とは違う。もっとひんやりとしたもの。
とても素敵な人で誠実で、尊敬している。
出会うことができて嬉しい。
大切な人。

たしかにあの夏、わたしたちは2人きりでした。

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