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子育ては楽しいし、つらい

「子育てって、つらいですか?」

これからお子さんを考える方から、育児について聞かれることがあります。実を言うと、僕はこの問いにどう答えるべきか、迷います。

そう、その通り。子育てではつらいシーンはたくさんあります。
でも、それだけじゃない。子どもがかわいくて、かわいくて、しかたがないときもあります。

だから僕は、「楽しいときもあれば、つらいときもあるよ。それでも僕は、子どもを持ってよかったと思うな」と返しています。

初めてのことを前にすれば、誰でも不安になります。ましてや子どもを持つとなれば、「自分はちゃんと親になれるのか」「子どもを育てていけるだろうか」と、心がざわつくのは当然です。

不安な気持ちを和らげようと、ネットで情報を情報を集めると思います。けれどもネットには、

・ワンオペで疲れ切ってしまう
・キャリアを諦めなければならなかった
・ベビーカーで移動していたら、周りから舌打ちされた

という感じで、子育てについてのネガティブな内容であふれています。

このような内容を目にしたら、子どもをためらってしまいますよね。なので僕は、子育ての明るい面をたくさん書こう!と思った時期がありました。子どもが家族に加わることで、夫婦2人で暮らしていたときには得られなかった経験ができる。いま子どもを持つのが不安な人たちが、僕の投稿を見て「自分も親になってみようかな」と感じてくれたら嬉しい、と思っていたんです。

初めてハイハイしたとき、つかまり立ちをしたとき、ひとりで歩けたとき、「パパ」「ママ」と言ったとき。それら成長の瞬間を目の当たりにする感動は、言葉で表しきれません。

2歳になった息子は、言葉をかなり覚えてきました。先日はベビーカー移動していたら僕を振り返って、「パパ、あついね」と言ってきたんですよ。僕の心はとろけました。ちょっと前まで「あー、あー」しか言えなかった息子が、日本語を話しているんですよ。感動せずにはいられません。

「ピーポー(救急車のトミカ)、あった」「パパ、もぐもぐ(ごはんを食べたい」「(手でおしりをおさえて)うんち」と言うようになり、言葉でのコミュニケーションがとれるようになってきました。保育園にお迎えに行ったとき、「パパ、おてて」と手を差し伸べられたときは、「ああ、俺は世界一の幸せ者だ!」と本気で思った。

でも、子育ての明るい面だけを見るのはおかしいなと思い始めた。実際、育児をしていると楽しいことばかりじゃないからです。

ひとりの人間の成長を見守るには、辛抱強さや気持ちの余裕が必要です。それに、親がどんなに努力をしても、子どもが病気をすることはあるし、容赦なく不機嫌になることもある。

7月に息子から手足口病をもらい、39度超えの熱に2日苦しみ、その後1週間にわたり発疹が出たときには悲しくなりました。

今日の頑張りが、明日の楽につながらないことなんて、しょっちゅうです。1週間に1度は、仕事と育児の両立をくじけそうになりますから。

それもまた、僕の子育てのリアルです。

むりに楽しいことにフォーカスするのではなく、しんどいこともちゃんと見つめる。楽しいものは楽しいし、しんどいものはしんどいって、受けとめる。1日の中でも、子どもがかわいく見えるときと距離をおきたいときがありますし。

子育ては、楽しいし、つらい。
愛しいし、憎たらしい。
安心するし、不安にもなる。

矛盾を抱え、飲み込んでいくのが大切なのかな。

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