マガジンのカバー画像

虚弱体質の生存戦略

12
弱者には弱者の戦略がある。ということで、身体の弱い私の独特の世渡り術と、過去に出会った世渡りの巧者たちを取り上げ、この忙しい時代にどう「力を抜いていくか」を一緒に考えたい、という…
運営しているクリエイター

#コラム

「貫く」って、かっこいい。

ここまで世渡り上手な人間を紹介したり、巧妙に世を渡り抜いてきた方法だったりを紹介して来た。だが、当然そういう技術は全員が持ち合わせている者ではない。読者の中には、自分は不器用で身の振り方が下手だ、という方もおられるだろう。それで苦しい思いをされているなら、このマガジンに書いてある事は若干の参考になるかもしれない。そのようにして他人のやり方を真似る、盗むというのは世渡りに限らず時に役立つ技術になる。 だが、中には敢えて身を振らないという人もいる。かくいう私も、実を言うと学校な

「やりたいこと」と「できること」

「やりたいこと」と「できること」は時に違う事がある― それがこの回のテーマだ。 偉そうなことを言ってきたが、私はまだ24歳と余裕で若者というくくりの中に入る人間だ。当然、改良すべき点や失敗も多い。 最近、新しいアルバイトの女の子が入ってきた。だが、そこまで早くなく、指示も聞いているのだが実行に移せない。そこで「あの子は使えないのではないか」という声が、パートさんから入ってきた。一理ある。だが、前述した通り今の職場では割とボス扱いされている私はずっと彼女を観察していて、その癖

「偶然」の強さには勝てない

一期一会という言葉はお好きだろうか? このシリーズを一通り読まれた方の中には、これがそれなりにビジネス書のような内容になっていると思われただろうか。それとも、駄文だと思われただろうか。恐らく、駄文と思われた方はここまで来ていない。ここに来ているのは、「最後だけ見てみよう」という気持ちで来てくれた人か、最初からか途中からかは別としてたとえ暇つぶしであったとしても何らかの価値を見出してついてきてくれた読者の方だろうと思う。 まさに、「それっぽい」シリーズとなった。例に挙げた世

くろうさぎ

名前をくろうさぎというその男は、見た目からして薄命な人物、という印象を誰もが受けるような人物だった。 目が悪く度のきつい眼鏡をかけており、華奢な体格に似合う女性がごとき細い指の先には、乾燥肌の影響かささくれができている。普段は穏やかに読書をし、気が向けば土をいじり、近所を歩き、野草を観察する。そんな人物であった。しかし、その見た目が故に、内実勇猛果敢な面があるくろうさぎは頭脳派とみられるのが常だった。 もっとも、中身が勇猛といえども、体力が追いつかないのに勇猛果敢な挑戦を

私、雑草の生き方好きなんですよ。

私はただのアルバイトである。それ以上でもそれ以下でもない。理由は単純、フルで働く体力がないからだ。だったら、体力をつければいい、と誰もが思うだろうが、そんな簡単な話ではない。ジムに行ったり食事を工夫したりしたが、体重は増えもしないし減りもしない。身長が178センチあるのに対し体重は50キロに満たないほどである。これでは持久力がないのも当然だ。 さらに言えば、能力もそんなにない。プログラムができるわけでも、ずば抜けて教養があるわけでも、何か別の言語を習得しているわけでもない。