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映画 星の子-私たちが成長する瞬間

久しぶりに映画館に行きました。
「星の子」を見てきました。
事前知識は全くなく、大きくなった芦田愛菜ちゃんを見に行く。
そんなノリでした。


考えさせられる映画でした。

宗教の怖い面がクローズアップされています。
ただし、宗教(=信仰心の強いこと)が悪いわけではありません。
問題は、その価値観・信仰心を他人に押し付けていないか、排他的になっていないかどうかだと思います。
今作は、そのあたりがうまく作られているなと思いました。


なにかを信じることというのは、ときにすさまじいパワーをもたらしてくれると思います。
ここ数十年で日本の企業が衰退し、GAFAと呼ばれる企業が台頭してきました。
違いは、なにか?

その答えは、明確なビジョンを掲げているかどうかによる。
ビジョンについて論じられた書籍も見受けられます。


また、成功する起業家は自分が目指すべき目標に向かって、強い信念を持っているからこそ、ひたすら一直線に勢いよく進んでいくことができるのだとも言えます。


ただし、信じすぎることは思考停止に陥ります。
映画のワンシーンで、新興宗教の幹部的な立場であろうしょうこさんが信者たちに対して、次の言葉を投げかけています。

求めるな。そこにいれば良いと。

この台詞は、信者たちに対して、「疑念や周りの意見は聞く必要はなく、お前たちは、なにも考えず私たちに従っていればよい」と言ってるように聞こえました。

新興宗教から抜け出すには、自分の価値観・枠組みを変えなければいけない。
大変なことだと思います。
私たちは自らの価値観や枠組みに固執しがちです。
これは宗教だけの話ではありません。

例えば、
町内でサッカーが一番上手な少年が、県大会に出場して、レベルの違う同学年の人に出会ったとき、その事実をどのように捉えるか。
・自分の中でなんらかの言い訳をして、その事実をなかったことにしてしまう。
・もしくは、自分の立ち位置が確認できたことによって、やるべき課題が明確になり、より一層練習に身が入るようになる。


価値観や思い込み、信じていたことが崩れ去る瞬間。
このような経験は誰しも少なからず持っていると思います。

この事態に直面したときに、苦しいながらも客観的に自分を見つめ、新しい考えや価値観を身に着けることが出来るかどうか。
これが、人間として成長できるかどうかの大きなターニングポイントだと思います。


その点、芦田愛菜さん演じる主人公ちひろは、大きく戸惑いながらも、いままで信じてきたものをすべて捨て去るのではなく、自分が生きてきた環境や育ててもらった両親ともなんとか折り合いをつけることができないか(捨てきれないという部分はあるにせよ)、そんな強い意志を感じました。

思考停止に陥っている両親や幹部たちより、何十倍も強く生きていると思います。

自分の思考は多様性を持っているか、人の意見を聞く耳を持っているか、私自身はどうなんだ?と自分を振り返るきっかけを与えてくれる映画でした。

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