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アウトプットの枯渇、それはクリエイターにとって最も恐るべき事態

 皆さんこんにちは!
 Efiic編集部通称ワタクシです!

 皆さん、お仕事をされている中で勉強する機会はありますでしょうか?「スキルアップしたい」「資格を取りたい」「転職したい」など、様々な理由から勉強されている方もいらっしゃるかもしれません。
 今回は、「インプットとアウトプットのバランス」というテーマでお送りします!
 「なかなか日々の業務が忙しくてインプットを行う時間が取れない…」という方も多くいらっしゃるかもしれませんね(ワタクシも勉強したいと思いつつもなかなか時間が取れなかったりします)。インプットとアウトプットのバランスについては、人それぞれ適切なバランスが有りつつも、例えば「ずっと受験勉強をしているのに、試験を受けない」のであれば、その受験勉強は特段意味の無いものになってしまいますし、いくらレシピの勉強をしたとしても料理を全くしなければレシピを勉強した意味が無くなってしまいます。
 つまり、「インプットをする」ということは「アウトプットも意識する」ということと同義と言えるかと思います。
 さて、いろいろな本や文献で「アウトプットは最強の自己成長手段であり、人生の成功法則である」と述べられています。「まぁ確かにそうでしょうね」とひねくれたワタクシは素直に受け止められないのですが、アウトプットの形とはどのようなものがあるのでしょうか

アウトプットとは

 では、ここで「アウトプット」という言葉の定義からしていきます。
 アウトプットとは、学習や経験によって得た学びを、発言や活動に反映させることで、その有用性や効果も含まれます。

アウトプットはコンピューター用語で「出力」を意味し、「インプット=入力」と対比する言葉として生まれました。ここから意味が転じて、「成果物である発言や表現・活動」もアウトプットと呼ばれるようになったのです。
引用:カオナビ人事用語集「アウトプットとは? 目的、アウトカムやインプットとの違い、メリットや上手に行うためのコツ、ポイントなどについて」(https://www.kaonavi.jp/dictionary/output/ 最終閲覧日:2021年06月18日閲覧)


アウトプットの種類

さて、ワタクシは楽器を演奏したりすることもありますが、音楽において「インプロヴィゼーション」という概念があります。日本語で言い換えると「即興演奏」という意味です。Keith Jarrettというピアニストの『The Köln Concert』というアルバムをご存知の方も多いのではないでしょうか。パートI、パートIIA、パートIIB、パートIICという珠玉の全四部編からなるこのアルバムは「人類史における究極のアウトプット」だとワタクシ個人は思います。ちなみにワタクシはこの四部編の中でも、最後のパートIICが一番好きです。高校生のときに初めて聴いたときに「こんなピアノを弾く人がこの世の中にいるのか」と驚き慄き鳥肌が立ったことを今でも覚えています。
 実はこの録音(テイク)は全てインプロヴィゼーションによるもの、だと言われています。つまり、その場・その時間・その瞬間に彼が即興的に編み出したものです。パートIは26分、パートIIは全48分。絶え間なく続く音の螺旋は、彼の主戦場とするジャズ以外にも、ロック、ラテン、ポップス、ゴスペル、その他いろいろな音楽の要素が散りばめられています。また、アーティキュレーション、コード・プログレッション、旋律、ダイナミクス、どれ1つとっても、とても即興で編み出された楽曲とは到底思えません。
 1975年1月24日にケルンのオペラ・ハウスで演奏されたKeith Jarrettのアウトプットは、その後50年近く経った今でも多くのミュージシャンに支持され続け、影響を与え続けるものとなりました。勿論、楽曲制作において即興演奏だけがクリエイティブで創造性豊かなものである、とは毛頭思いません。練りに練られたコード進行やメロディ、曲の展開などは様々なミュージシャンの膨大なインプットの上に成り立っているアウトプットです。ただ、この2つのアウトプットは大きな違いがあります。「元々どのような完成形か想定されていた」か「元々どのような完成形か想定されていなかった」か、という違いです。

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「完成形」とは?

 実際にワタクシも楽曲制作を行ったりもしますし、時々レコーディングのお仕事を個人的に引き受けたりすることもありますが、「元々ある完成形」から逆算したアウトプットです。「楽曲の雰囲気的にこういった感じをクライアントが望んでいるので、このコードと次のコードの間に経過音を入れてベースラインを弾こう」「クライアントが『こういう感じで』とイメージを共有してくれたので、音色はこの音色で弾こう」など。また、普段制作している動画や写真も「こういうイメージで」や「こういう雰囲気で」といった漠然としていたとしても或る程度の「完成形」を想定して制作をしていきます。そして、その「完成形」から逆算して制作を進めていきます(どうやって撮影するか、どうやって編集するか、など)。では、それに対し、上でご紹介した『The Köln Concert』はどうでしょうか?元から「完成形」を意図して制作した訳では無く、意図され得なかった「完成形」が「完成形」となり得た稀有な例です。また、例えば写真で言うと1932年のパリで撮影されたHenri Cartier-Bressonの『決定的瞬間』(アメリカ版とフランス版でタイトルが異なります)というスナップ写真もそうです。
 「元々どのような完成形か想定されていた」か「元々どのような完成形か想定されていなかった」か、という違いは、インプットとアウトプットのバランスにおいて非常に重要な意味を持つと思います。

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インプットとアウトプットのバランス

 大抵の仕事は「元々どのような完成形か想定されている」場合がほとんどです。動画制作であれば絵コンテや構成案を作成しますし、デザインであればラフやイメージを基に事前に擦り合わせを行います。「仕事」「業務」として対価をいただくものの場合、「アウトプット」というのは「クライアント(または上司や同僚など)が求めるものを確実に出す」という意味です。その場合、1日のうち8〜10時間もの時間を仕事に費やしているので、必然的にインプットを行う時間よりアウトプットを出す時間の方が多いはずです。「仕事」「業務」といったものの場合においては、「適切なインプットとアウトプットのバランス」は世間的に広く言われている「3:7」程度のバランスなのかな、と感じます。
 では、「元々どのような完成形か想定されていない」場合はどうか?
 瞬間的な爆発力が必要不可欠ですが、この場合は「99:1」と言っても過言では無いほど、インプットの方が多くなるはずです。Keith Jarrettは『The Köln Concert』に臨む前に膨大な時間をピアノに費やしていますし、Henri Cartier-Bressonは『決定的瞬間』を撮影する前に膨大な時間を写真に費やしています。時折、ワタクシも演奏でアドリブを取るとき、それまでのインプット(どんな音楽を聴いてきたか、どんな音階を知っているか、どの音をどう使えば良い感じになるか、など)を用いて「ソロ」というアウトプットを出します。ただ、このアウトプットはその場やそのときの自分の感情や体調や思考の向き方、観客の表情、はたまたその日見たニュースなどにも影響されて、再現性があるものではありません。日々の生活における会話やコミュニケーションも全く同じです。全く同じ会話やコミュニケーションは存在し得ません。だからこそ、人生に意味があると思っています。
 ただ、いずれにせよ、インプット無きアウトプットはなく、その逆もまた然りです。
 常に「何のためにインプットを行っているのか」「どうアウトプットを出していきたいのか」などといったことを考えながら生活していきたいですね。

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今回の記事はここまでです!
 「動画を作りたいけど、どうやったら良いのか分からない」という方は是非、Efficまでお問い合わせいただけたら嬉しいです!

 次回は「クライアントワークと作品作りの違い」というテーマでお送りします!常日頃ワタクシが苦しんでいるテーマですね…。
 「こんな内容を読んでみたい!」というご要望がありましたら、コメント欄にお気軽にご投稿ください!
 本日もご覧いただき、ありがとうございました!

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参考資料
カオナビ人事用語集「アウトプットとは? 目的、アウトカムやインプットとの違い、メリットや上手に行うためのコツ、ポイントなどについて」(https://www.kaonavi.jp/dictionary/output/ 最終閲覧日:2021年06月18日閲覧)
uDiscoverMusic「酷いピアノと体調不良で中止寸前のなか、キース・ジャレットの代表作『The Köln Concert』がどのようにして録音されたのか」(https://www.udiscovermusic.jp/stories/koln-concert-keith-jarrett 最終閲覧日:2021年06月18日閲覧)
DIAMOND Online「学びを結果に変えるための「アウトプット」ノウハウ」(https://diamond.jp/articles/-/191890?page=4 最終閲覧日:2021年06月18日閲覧)
樺沢紫苑著、学び効率が最大化するインプット大全、サンクチュアリ出版、2019年

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