見出し画像

都知事選まとめNOTE

今回の都知事選、一体なんだったんだろうなアレ、と思うものを忘れる前に書き留めておこう。まさに、自分のためのマイNOTEだ。つまらんと思うし、長くなるはず。とってもヒマな、奇特なひとだけ読んでください。

都知事選。だいぶもったいぶりながら、まず、小池百合子が出馬表明した。次に、石丸があきたのか市長を辞して、まさかの出馬。そして、都知事選のレギュラーメンバーであるドクター中松、桜井誠が参戦し、安野たかひろや清水国明といったニューカマーも登場。さらに、起訴勾留中のつばさの党 黒川が獄中立候補し、その後に田母神閣下が出陣、そろそろいくかと満を辞して蓮舫が届け出を出し、終わりかと思ったらまだまだ泡沫が押し寄せ、「56名の候補者」という史上稀に見るカオスが生まれた。今考えれば、蓮舫の遅れて出馬したり政策後出しした効果なし。

56名の候補乱立で、いろんな混乱が起きた。混乱が狙いだったやつもいたから尚更起きた。

最初の混乱は、選挙ポスター。N党と泡沫候補が選挙制度の想定外の使い方をして売名と資金稼ぎに走った。N党は、寄付者に「掲示板にポスターを貼る権利」を与える、広告代理店のようなスペースブローカー業を始めた。媒体費は、ひとつの掲示板に24枚貼って寄付金2万5000円也。その結果、候補者でもなんでもない人が、生物が、掲示板に登場することになる。

千代田区では、立候補していない女性格闘家「ぱんちゃん璃奈(もう二度と書かない単語だろう)」のポスター。葛飾区では、猫やアザラシ、コアラなど。新小岩駅の掲示板には、パンダやカピバラ、トラや牛などのビジュアルがメディアを賑わせた。法の網をうまくかいくぐったなあ、と思ってたら、その網に引っかかった者もいた。

ほぼ全裸ポスター騒動でジョーカー議員の河合悠祐が、警視庁本部から呼び出され、「都迷惑防止条例違反」で警告を受けた。渋谷区の女性向け風俗店を宣伝するポスターが「風営法違反」に触れ、立花たかしが警告を受けた。迷惑防止条例と風営法。この二つの法律に次から気をつけようね、という教訓は、次回の迷惑系候補の参考になるだろう。

ほぼ全裸ポスターのモデル「桜井MIU」は、1日で1万5000人フォロワーが増え、ひろゆき、滝沢ガレソが拡散し、イーロン・マスクも「Bold」(大胆な)と反応。フォロワーを増やし、インプレッションやPVを稼いで収益化する手法の効果がここまでとは思わなんだ。倫理を捨てたぶんだけ稼げてしまう、魂を切り売りするような小悪魔商法。「インプ稼ぎ」というフレーズに、「淫婦稼ぎ」という意味がついた。

周辺ビジネスとしては、普段切り抜き動画で小銭を稼いでいたハイエナ配信者が、選挙期間中は演説の切り抜き動画にシフト。応援でもなんでもなく「伸びるから」という理由で、候補者を選び、演説動画を量産した。

56名の候補乱立で、政見放送では渋滞が起き、主にNHKが苦しんだ。NHK総合での放送は午前6時からと午後11時からの1日2回で、各40分程度。朝晩2回ちょこちょこ流して計9日間に及び、全放送時間は11時間を超えた。民放はなんやかんや勝手に基準をもうけ、小池、蓮舫、石丸、田母神の4候補あたりと泡沫候補を線引きして報道。今回で終わりにしてくれ、とNHKは思っただろう。だが、このまま制度が変わらねば、4年後はたぶん100人を超える悪夢が待っている。

2024年都知事選をまとめると、「選挙制度のあり方が問われた選挙」と言えるだろう。という当たり前のことを言ってみる。選挙のエンタメ化の是非、それによる売名・収益化の是非が、この問いに含まれている。

簡単に解決できる問題としては、ポスター掲示板足りない問題。掲示板廃止してネットに載せろ、という声もあるが。その手前の、サイネージに変えるという中庸な判断に落ち着きそうな気がする。解決大変なのが候補者乱立問題か。供託金を上げればいい、という声もあるが、それで売名立候補が減るかと言われたら、疑問だな。供託金以外に、出馬に関する資格制限を設けるべき。かといって、「立候補の自由」を侵害するのもなあ。推薦人集める手もあるけれど、それがどこまで効果があるか。もうお祭になってるから、いっそネットで予備選挙やって前夜祭にして、本チャンは2人で討論する大統領選みたいにショーアップしてほしいけど。

選挙手法として、今回とくに有効だったのは、ショート切り抜き動画。だったけど、注目度の低い首長選挙では成立しない気がする。でも、国政選挙ではこれは加速するだろうし、切り抜き配信者もそこに焦点を合わせてウォームアップをはじめてそうだ。youtubeやティックトックがほんとうにインフラになったんだなあ、と改めて思う。取り残された無党派50代60代の投票率が落ちていたが、この流れは加速するだろう。だからと言って、若年候補が強くなるわけでもない気がする。切り抜き動画で増えたのは結局ノイズ。ノイズの中ではフェイクが横行して、とっちらかった情報のゴミの山でジジババが立ち尽くし、何を信じていいかわからない状態になって投票する気が失せただけだと思うな。

まとめてみると、まとまらないな。

立花たかしが候補乱立カオスの海をつくりあげ、ジョーカーによるインプ稼ぎの全裸ポスターがイーロンマスクまで届くほど拡散し、NHKはR-1の1回戦のような地獄の政見放送を9日間放送し、石丸の演説を配信者がハイエナのように群がって切り抜いて稼ぎ、蓮舫は共産パフを受けた選挙フェスで「SAY HO!REN HO!」と赤面もののコールアンドレスポンスをさせられ、ひまそらあかねがエコーチェンバーの井戸の中で「小池と一騎討ちになった」と叫んで7位に沈んで赤っ恥をかいた。かと思えば、アディーレのほうの石丸幸人が石丸違いで票の過払いを受けて6位というオチ。これをカオスと言わずになんと言おう。

さて、今日の音楽は、こんなカオスな東京を表現したSOUL'd OUTの名曲『TOKYO通信 ~Urbs Communication~」。

アッポアッペンダウンデホーダー。もう何がなんだかである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?