見出し画像

【社員インタビュー#2】トリプルイー株式会社CFSO 小井口尚希

こんにちはトリプルイー株式会社インターンの大内です。
今回は弊社CFSOである小井口尚希さんにインタビューをしました。VCとしての活動内容、弊社代表である井上との出会い、意外な人柄が垣間見えたインタビューになっています。

スクリーンショット 2020-10-16 17.00.17

Q.トリプルイー株式会社にジョインされるまでの経歴を教えてください
キャリアは㈱光通信から始まりました。当時の㈱光通信は店頭公開(入社後まもなく東証一部に指定替え)していましたが、まだまだベンチャー企業気質たっぷりの会社でした。そこでは社長直轄の移動体営業管理本部に在籍し、移動体部門の利益管理やM&A、監査法人対応をやっていました。その後IPOコンサルティング会社に転職し、2社のIPOを経験した後、2008年4月エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱(現:大和企業投資㈱)に転職しました。
エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱に転職後すぐにリーマンショックが起き、金融業界全体がピンチに追い込まれてしました。エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱はベンチャーキャピタルでしたのでファンドで未上場株式を保有していたのですが、その価値が下落する前に積極的に売却するということが1年近く続きました。漸く目途が立ってきたとき、今後はエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱が分社化するという流れになりました。エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ㈱はもともと大和証券系のベンチャーキャピタルと三井住友銀行系のベンチャーキャピタルの合弁企業でしたが、その合弁を解消するという事になり、またもや積極的に投資ができない時間が過ぎました。合弁解消の手続きが終わったのが2010年、そして私は大和証券系のベンチャーキャピタルである大和企業投資㈱に籍を置くこととなりました。今考えると暗い数年間でしたね。
その後ようやく投資ができるようになって、イオン銀行に投資をしました。当時のイオン銀行の株主にリーマンブラザーズ証券がおり、そこの株式の譲渡を受けることとなりました。当時リーマンブラザーズ証券は法的整理に入っており、交渉相手は管財人。裁判所も巻き込み、1年半かけて株式を取得することができました。そのイオン銀行は上場していたイオンクレジットサービス㈱が100%子会社にしたため、2013年上場株式との株式交換によりEXITしました。この功績が讃えられ、大和企業投資㈱の「社長賞」をいただくことができました。リーマンショックで暗い数年間を過ごしましたが、その元凶であるリーマンブラザーズ証券からイオン銀行の株式譲渡を受け、儲かったことで、少し報われた気がしました。

一方、2011年に発生した東日本大震災を受けて「復興ファンド」を2012年1月に立ち上げました。このファンドは震災によって大ダメージを受けた東北地方の経済を復活させ、東北の地方銀行とタッグを組み、被災した会社を復活させること及び東北経済を活性化させるベンチャー企業に投資をすることが目的です。特に被害が酷かった沿岸部の地域を中心に頻繁に東北に出張しては現地の社長さんとお話をし、今どのような状況に置かれているか、今後会社をどのように復興していきたいかなど、現場の状況を把握し、信頼関係の構築に努めました。当時の被災地は瓦礫の山で歩くのも困難なほどでした。そのような中でも私たちを信じて投資を受け入れ会社の復興に精進された東北の社長さんたちには頭が上がりません。
2014年の秋から本格的に東北地方のベンチャー企業に投資を行う為、仙台に単身赴任を決意しました。が、同時に妻のお腹の中第一子がいることがわかり、また、早稲田大学経営管理研究科(MBA)の合格通知も届き、「さてどうしようか…」と悩みました。ただ前向きな性格なので、「単身赴任、ベンチャー投資、子育て、大学院への通学、全部をやってみよう。できなければその時考えればいい」と思い、全てを実行しました。結果、平日は東北で復興ファンドの仕事をし、週末は東京に戻り大学院で勉強をし、さらには子育て行い、てんてこまいな毎日を送っていました。僕の忙しいスケジュールを理解し、支えてくれた家族には感謝です。
復興ファンドでは多くのベンチャー企業へ投資を行いました。例えば東北大学発ベンチャーで銅ペーストの製造販売を行っている㈱マテリアル・コンセプトへは設立1年未満の段階で現在の㈱INCJと共同投資をし、その後大学発ベンチャー2018にて文部科学大臣賞を受賞しました。また、山形県の㈱Spiberにも投資をし、のちにユニコーン企業となりました。
大和企業投資㈱ではこのような事をやって12年が過ぎました。今後の人生を考えた時、もっと子供達の成長とベンチャー企業の成長に貢献したいと思い、2020年に大和企業投資㈱を退職、そして起業しました。起業して間もなく、井上さんからお声をかけていただき、トリプルイー㈱にジョインすることになりました。

Q.どこで井上さん(トリプルイー株式会社CEO)と出会ったのですか?
2009年頃、投資を検討していた会社のファイナンス担当が井上さんでした。バリュエーションが折り合わず結局投資はできなかったのですが、そこでやりとりなどをしているうちにお互いのことを理解することができました。その後もメッセージをやり取りしたり、投資見込先を井上さんが紹介してくれたり、私が広島に行って井上さんの経洗塾で1コマ講義をしたりと言う関係が続きました。私が大和企業投資㈱を辞める、という話をしたとき、井上さんから「起業家を育成する会社をしたいのだけど、ファインンスを担当して欲しい」とお誘いを受けました。当初は自分のやりたいことに時間を使っていきたいと思って即決はしませんでしたが、井上さんの猛烈なアタックに圧倒されてしまい、最終的にはトリプルイー株式会社にジョインすることにしました。

Q.VCとして活動する上で大事なことを教えてください
VCとして活動する上で一番大切なことは人間関係の構築だと思います。どの仕事をするのでも同じですが仕事をする中で人と人との信頼関係を構築することが鍵になります。先ずは自分の印象の約8割が決まると言われている第一印象に気をつけます。その後自分は聞き役に徹して相手がどんな性格か?趣味は?信条は?など自分の内情も打ち明けつつ、徐々に相手のことを探っていきます。今は中々できないですが、できれば握手もします。投資をするということは会社の経営権の一部いただくことになるので、社長とはコミュニケーションを通じて、一人前のベンチャーキャピタリストとして信用してもらうことが必要であると考えています。
またVCとして活動する上で知識量が重要になってきます。様々な業種やジャンルの会社に投資を行うため専門知識が必要不可欠であり、知識を持っていない状態で社長と面談することになってしまったら社長及び会社に対してかなり失礼なことになってしまいますし、忙しい社長の貴重な時間を無駄にすることにもなってしまいます。そのため日頃から様々なことにアンテナを張って知識の補充をするよう努力することが必要だと思います。

Q.ベンチャー企業にとって必要な資質は何だと思いますか
数多くのベンチャー企業を見てきて一番必要だと思うのは、社長の資質及びモチベーションとチームメンバーの資質です。社長が本当に事業に対してやる気があるかどうかなどです。昔「この技術で世界一なる!」と言っていた起業家がいたのですが、結局行動が伴っておらず、途中で挫折してしまい、最終的には会社のお金を使って夜の街に入り浸り、会社はほぼ倒産状態、妻と子供までにも逃れられた人を見たことがあります。そんな状態の社長の元に取り立てに行きましたが笑
こういった事例が実際にあるため、本当に社長は起業家としての資質があること、また人間として自律できていること、それをサポートするメンバーの資質が充分であること、がベンチャー企業には必要なのではないかと思います。

Q.小井口さん自身の人間性を教えてください
私自身の性格は結構ドライです笑 というのも過去のことは反省をした上で割り切って、現在さらには将来のことを考えて日々行動するように意識しています。過去のことをいつまでも引きずっていては前に進めず、意味がないですからね。でも最近妻に「案外冷たい人間だね」と言われてしまったのですが、多分いい意味で言ってくれたのだと思います笑
また、子供ができてから自分の考え方が180度変わりました。以前は自分の視点から世界を見て、自分がどうあるべきか、また自分がどのように成長していくかばかりを考えていました。しかし、子供ができてからは自分中心ではなく、子供中心で世界を見るようになり、将来この子が安心して生活できる社会づくりに貢献していかなければならないという考え方に変化してきています。
また会社でも次の世代の育成に寄与する仕組みづくりを行っていきたいと考えています。時間もお金も自分だけのために使うのではなく、人の成長、社会のために利用していこうと思っており、年齢が上がるにつれてそれぞれのステージで自分の輝くことができる場を作っていけたらな、と思ってます。あまり将来を悲観的に考えないので基本的に心配事はないのですが、子供が親離れをした時が心配かな笑。どんな気持ちになるか想像したくもないし、今は考えないことにします。

Q.将来の展望を聞かせてください
一番の目標としてはトリプルイー株式会社を上場させることです。しかし現段階ではそのギャップが大きいため試行錯誤に日々頭を悩ませていまが、同時にワクワクもあります。
個人的な目標の次の世代が活躍することができる社会の仕組みづくりです。現代の日本において女性は結婚して子供ができるとどうしても働くことが制限されてしまうケースが多く、最終的には会社を辞めるという選択肢をする人々も少なくはありません。このような状況のままでは日本の国力は弱体化するばかりです。そのためにも日本の古い慣習は淘汰され、その上で次世代の担い手育成し、社会全体で働きやすい環境や、職場、企業が誕生することを切に願っています。

貴重なお話しありがとうございました!